コイボクシュメナシュンベツ川から楽古岳


- GPS
- 08:30
- 距離
- 12.4km
- 登り
- 1,179m
- 下り
- 1,178m
コースタイム
天候 | 晴れ、22度前後 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
林道は崩壊懸念あり山荘手前約1.5kmの橋にて通行止めになっている。 |
写真
感想
ヌピナイの大増水で転進。
楽古山荘の手前1.5km地点の橋で車は通行止めとなっており、林道を歩いて楽古山荘まで。
楽古山荘から左岸の林道を800mほど入ると、次第に道は不明瞭となり、そこから入渓。
昨夜までの大雨の影響で、沢は幅いっぱいに増水している。河原の部分はほとんど消滅していた。
それでも比較的流れのゆるい箇所を探し、腰までの渡渉を繰り返し進む。渡渉で補助ザイル2回使用。
時間がかかって仕方がないので、途中から高台に見つけた踏跡を利用する。
その踏み跡をしばらく行くと、Co500左岸で若いヒグマに遭遇。
前方100m茂みから驚いて飛び上がった真っ黒い物体。四股が意外に長く見えた。
そのまま左岸の斜面を逃げて登っていくものと思いきや、河床から15m程の高さで留まり、じっとこちらを観察していた。
結局、この好奇心の強いクマちゃんに見守られ、斜面の下をすり抜けた。
踏み跡は途中数回の渡渉を経て、十勝南面沢の出合Co530まで続いていた。
十勝岳南面沢の出合から次第に沢は狭まり、両岸立った函状となる。
Co550の二股を過ぎると、5mの函滝。ザイル15mで左岸に取り付き、上部トラバースで抜ける。
この後すぐに3mの釜滝。左岸を捲けるし、直登もできる。
普段、このあたりは小滝、岩盤の続くきれいな渓相が続くと思われるが、今回は沢幅いっぱいに水が流れていて気が抜けない。
その後しばらくガレが続く。
Co640手前に10mの滝。瀑布となって壮観だ。
ここで、先行していた札幌北稜クラブ4人に追い付く。彼らはCo680から分岐し、頂上に突き上げる右股沢を登るそうだ。
10m瀑布は右岸を小さく捲き、岩盤、小滝、ガレをしばらく進み、雪渓のカケラを横目に見ると、Co770の屈曲にぶち当たる。
正面に圧巻50mの滝が懸かっている。
「あれを登るのか〜」と誰かが絶叫する。いやいや、本流筋はその右に隠れている。
そして、いよいよこの沢のクライマックスが始まる。
出だし10m程の滝は左岸から取り付いて越える。後はナメ滝のオンパレード。
標高差150-200m間をひたすら登り続ける。
今回は水量多く、シャワーを浴びる部分も頻繁に出てきたが、すべて直登できる。
高度を稼ぐのに、非常に効率的に思える。
ナメ滝群をすべて登りきり、一服すれば、すぐにトイ状ツッパリのナメ滝、小滝、ナメと再び小気味良く連続し、源頭近くまで楽しませてくれる。
忠実に沢筋を詰めていくと、なぜか錆びたドラム缶。半分埋まっていて、興ざめする。
トリカブトの群落を見ながら、頂上近くの主稜線に飛び出る。
沢筋を忠実に行けば、薮こぎは無い。
「お客様向きの(快調な)沢だ」と誰かが言った。
頂上でがっちりと握手。日高側から吹きっさらしで湿っぽい風。
北を眺めると、トヨニまで極南日高の山並みがガスの切れ間に見え隠れする。一瞬ピリカの山頂が見えたりもする。
東には、太平洋と広尾の港が意外に近い。
下手な会話は存在しない。小休止の後、順次、頂上を後にする。
頂上は、大事な通過点でしかない。
下りの夏道は、上杵臼コースを辿る。
尾根を下り、沢に降りると、楽古山荘までは数回の渡渉がある。
増水の場合、油断していくと対岸に渡れなくなるので注意。
感想:
今回は日高の新・旧直登沢組の合同登山であった。
還暦OBの2人が日高で現役バリバリの頃、中年OBの私がオギャーと生まれ、
私が現役だった頃、若手OBの勝亦君は母親のお乳を吸っていた。
還暦を過ぎた今でも、日高の沢を登り続ける意欲に敬服する。
昔登り込んでいるせいか、今でも登攀のバランスが安定していて、見ていて不安は無かった。
不安が無かった分、先頭を行く私は、渡渉や滝のルートファインディングで正面突破を繰り返し、下山後、怒られた。
でもまた、こんな機会を作って、新・旧世代で広く交流を持てたら最高だと思っている。
日高の沢を舞台に。
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二年目の夏の準山に向かう12号国道で隣りに寄ってきたクルマ。
見れば花井さんと年さん、いや下沢さんと年さんだったか。
楽しそうに「お先に〜」とどこぞの沢へ去っていきました。
当時も三年目Lの2年班にこだわっていた自分がいましたが、
年さん達OBの楽しげな姿は眩しかったです
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