黒部五郎岳 飛越トンネルからピストン
- GPS
- 13:12
- 距離
- 31.3km
- 登り
- 2,354m
- 下り
- 2,354m
コースタイム
- 山行
- 12:32
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 13:07
天候 | 快晴のち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
行きは 神岡から県道484使用するも、隘路、カーブ多数 帰りは双六川沿の夕顔の道で471に出た。こっちの方が道はよい。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
飛越新道、神岡新道はぬかるみ、木の根で歩きにくいとの記載もあるとおり、寺地山の先、標高2000m近くの森林限界まではぬかるみが多い。ここ数日晴れ間が続いていたせいで派手に沈むことはなかったが、雨上がりや雨天時はかなり嫌な道になると思う。細かいアップダウンもあり、下山時はウンザリさせられる。 森林限界を超えて笹原の草原となったところで木道が出てくる。木道の分岐を南側に少し入ると北ノ俣避難小屋がある。登りの早朝は夜間の晴天の放射冷却もあって木道に霜が降りており、びっくりするほど滑りやすくまともに木道上は歩けなかった。木道は500mもあったろうか、だいぶ荒れていたり滑ることもあって登りの時は脇の草原を歩いた。(下山時は乾いてグリップも効いたので快適だった。) やがて笹原の中に涸れ沢のような登山道となるが、洗掘がひどくほとんど脇の草地を歩いた。 稜線に近づくにつれて斜度がキツくなり、ハイマツ帯の中の道となる。斜度が緩くなって、視界が開け太郎山から続く稜線の木道に合流すれば北ノ俣岳山頂はすぐそば。 北ノ俣岳からは一旦降って赤木岳、そのあとも3から4個小ピークを超える。この辺りは北アルプスらしい所々ハイマツの中を縫うザレ、ガレの稜線歩き。晴れていればピークごとに素晴らしい展望が広がる。 最後の黒部五郎岳山頂まではやや斜度のあるザレ場の九十九折。山頂手前で黒部五郎小屋方面への分岐である黒部五郎岳の肩を過ぎると山頂までもう一息。 |
その他周辺情報 | 山之村のりょうし食堂でジビエカレー(鹿カレー)¥500 帰りの途中 割石温泉 ¥500 |
写真
装備
個人装備 |
食料
地図
コンパス
保険証
飲料水(2L)
経口補水液(1L)
三角巾
バンドエイド
医薬品
タオル
携帯電話
雨具
時計
非常食
熊鈴
ヘッドランプ
ロールペーパー
ザック
タイツ
Tシャツ替え
長袖ジャケット
車
ズボン
グローブ
ハット
靴
サングラス
カメラ
ナイフ
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感想
例年と比べて、やや時期が遅くなったものの、冬山はやらない自分にとっては今シーズン最後の山行として日帰りで行ける山の最も遠い山として飛越トンネルからの黒部五郎岳ピストンを計画。
飛越新道、神岡新道はレコや紹介文でぬかるみがひどいといった話もあるが、この三連休前は天気も安定しているし、夏場の暑さにやられることもないだろうと決行を決める。11時までに山頂に辿り着けそうになければ撤退のタイムリミットを定め、朝3:30からヘッデン装備で登り始める。
出だしは、満点の星空でたまに見上げると樹冠をから見えるオリオンを目指して歩いている気分に。ただ、やはりぬかるみは多く、木の根の張り出しも多く雨上がりだと大層嫌な道になると思う。暗闇の中の歩行でもぬかるみの多さは梅雨明け時期に笹ヶ峰から登った火打山と並んで自分の中ではワーストタイと認定。さらに明るくなってくると夜明け前の晴天と違いガスも出ていてめげた。ただ、流れは早く薄そうだったのでやがて抜けると考えて歩いた。
忍耐の樹林帯を抜けて展望が開けるとガスから抜け、湿地帯らしい草原が広がり木道が出てきた。やっと歩き良くなって展望も効くぞと思って木道に足をかけると、アイスリンクよろしくものすごい滑る。この時期、晴天の朝は放射冷却もあり木道には霜が降りていた。一旦、木道が分岐している北ノ俣避難小屋へトイレ休憩も兼ねて向かうも盛大に尻餅をつくハメになった。(なお、北ノ俣避難小屋はこじんまりした三角屋根のかわいらしい小屋で近くに水源から水を引いた天然水洗トイレ?もあり、登り下り共にトイレ休憩させてもらった。木道以外を通る道も別にある。)
西側斜面は明るくなっても陽が差し込むには時間があり、とても木道の上は歩いていられずやむなく脇の草地を歩く。木道がなくなったあたりから徐々に斜度が上がり、登山道は洗掘の深い涸れ沢のようになる。歩きにくい涸れ沢より、みんな脇の草地を歩くようで、植生にはよくなのだろうと思いつつも自分も踏み跡を辿った。やがてハイマツの中を歩くようになり、斜度がゆるくなって展望が開けると太郎山から北ノ俣岳に続く稜線の木道に合流する。この合流地点で陽の光を浴びた景観は忘れられない。快晴の元、薬師岳から赤牛岳、水晶岳、鷲羽岳と黒部川源流域が輝いて見えた。陽に当たって体も暖かく頭ん中では自然にバッハがフルオーケストラで鳴り響いてた(笑)山の神様ありがとう。最近辛い山行が多くて山登りに嫌気がさしてた時期もあったけど、こういう景観に出会えるとやっぱり山登りはいいなと思う。
北ノ俣岳に登頂すると目的の黒部五郎岳がみえる。赤木岳とピークのたびに絶景を見ることができた。いくつか小さなピークを超えるも斜度は大きくなく、気持ちの良い稜線歩きができた。ただ、だんだん西側からガスが上がってきており、ちょっと怪しい雲行きに。最後にガレ場の九十九折の急坂を登りつめると、なんとかガスに撒かれることもなく、登り始めから7時間かけて撤退ラインよりも前の10:20山頂に到達することができた。
補給しながら見やる黒部五郎岳カールは足元から先まで草紅葉が色づきながら落ち込んでおり、その先に紅葉が色づいた樹林の急峻な斜面で雲の平が立ち上がっている。その奥には最近山座同定できるようになった鷲羽岳、水晶岳、赤牛岳が並ぶ。素晴らしい展望で、ここまで到達するまでの道程も思うと涙がでそうだった。
30分程度たっぷり景色を堪能して補給したあとは長い下山を開始。下山開始して程なくガスに撒かれた。展望が広がらず、時たま西からの風に吹かれながら北ノ俣岳までの少ピークは黙々と歩いた。神岡新道の分岐近くでは一時的に青空がのぞく時もあり、雲の平方向の草原が陽に照らされる様を惜しみつつ稜線を後にした。神岡新道に出てしばらく歩くとガスは頭上となり雲の下を進んだ。登りで散々な目にあった木道は下りの時にはすっかり乾いて本来の機能を取り戻し、周囲の池塘を眺める余裕もできた。朝は無人だった北ノ俣避難小屋では男性が一人、宿泊用意をしており、明日黒部五郎岳を目指すとのことで、早朝の霜の降りた木道の注意喚起をさせてもらった。
明るい中で歩く樹林帯は朝よりも湿り気が少なく、まだ快適に歩けたと思う。ヤマレコの神岡新道、飛越新道の紹介文にはぬかるみと並んで木の根による歩きにくさもかいてあるが、乾いていれば先々週登った毛勝山と比べれば全然マシだと思えた。ただやはり長いのとぬかるみ、そして登山口まで2kmを切っても出てくる小さな登り返しはしんどかった。
標高が下がると登り初めでは気づかなかった寺地山山頂や鏡池、西陽に照らされた登山道の紅葉が印象的だった。最後はお日様が山の影に隠れるのと競争となったが、なんとか日没前に登山口に帰ってくることができた。
長い道程を歩き通すために車に置き去りにしたストーブとコッヘルで湯を沸かしてどん兵衛が出来上がるのを待っている間に上着を着替えていると初めて剱岳早月尾根をピストンした時以来の低血糖による手の震えと寒気に襲われる。フリースを着込み、出来上がったどん兵衛と、こちらも下山後の楽しみに残しておいたコーラを沈みゆく夕日を見ながら食べたら一息つくことができた。
休日の少ない仕事やお金の都合で近場の日帰り登山ばかりをやってきた中で、今回は最長の道程となった。自分の実力では、この時期の好天が続いた中でだからこそできた山行だと思う。稜線、山頂での景色や道程の厳しさも含めて忘れられない山になるだろう。もう一度やりたいかと言えば・・・、飛越、神岡新道はもういいかな。
帰り道、山之村のりょうし食堂でいただいた鹿カレー(どん兵衛食った直後でも余裕で食べれた。)が美味しかった。割石温泉で汗を流して、帰宅は20:30。起床から登山口までの行き来も含め20時間ぶっ通しの大人の冒険は、これで第何回目だっけ?
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