白山東面 大屏風 初滑降 曲り谷中俣遅刻ライン(仮)


- GPS
- 22:17
- 距離
- 45.8km
- 登り
- 2,953m
- 下り
- 2,952m
コースタイム
- 山行
- 10:17
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 10:25
過去天気図(気象庁) | 2025年01月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
三年前に企画され誘われた白山大屏風
記録もなく初モノ
あまりにも目立つ斜面なのでいつ先を越されるかヒヤヒヤ続きの年が続きましたが遂に完遂
誘ってくれたいっしーありがとう
三年前、地形図を眺めていた時に見つけた魅惑の斜面。極限までアプローチが悪く、崖マークに囲まれており、大屏風というかっこいい地名、いつかこんなところにチャレンジしてみたいと思わせるラインがあった。過去の写真を見返したところ山スキーで三方崩山を訪れた際に撮った風景写真の一枚にこの斜面が映り込んでいた。いくつもの襞に覆われており一目惚れしてしまった。
そこからはアプローチ、デプローチを考える日々。白水湖をパックラフトで渡ろうかなどと色んな方法を検討していった。
滑走ラインについても、実際に白山の西面や東面に通い、上から下から偵察を繰り返した。そしてその中で今回一緒にアタックしたもるさんにもこのラインの存在を共有することにした。
二年前、もるさんが石徹白と白山を冬季に繋いだ際に大屏風エントリー付近の写真を撮ってきて、南竜山荘冬季避難小屋の情報を手に入れたことは今回の山行において絶大なサポートとなった。
そして今回。本来は偵察のつもりで入山することにしていた。厳冬期のアプローチにどれだけ時間がかかるのか、クラックの多い今シーズン致命的なクラックは入っていないか、ただ見るだけのつもりであった。
本来であれば砂防新道下部でイグルー泊でもしようかと計画していたのだが、あまりのコンディションの良さに、とりあえず翌日滑走の可能性を残すためにも南竜山荘付近まで登ることとなった。最強のラッセル車もるさんの力によりなんとか夕方には南竜山荘に到着。
到着が遅くなったため、避難小屋での宿泊を考えていたが、豪雪の今シーズン、すでに冬季小屋は雪の下に埋まっていた。絶望に打ちひしがれながら雪洞を掘っていると、もるさんは遥か雪の下に埋まっている避難小屋の入り口を見事に掘り当てていた。完全にMVPである。そこからは快適な避難小屋で翌日に向けた英気を養うことができた。
翌朝、天気は快晴微風。朝焼けに染まる大屏風を見たらもうこれは行くしかない。
大屏風までのアプローチは多数のクラックとシュカブラで苦戦したものの、幸い雪が硬すぎなかったため危険は感じることなくこなすことができた。
そして滑走。本来2276峰からの滑走を考えていたが、今シーズンの雪庇のでき方や、あまりの傾斜にそちらはチャンスを感じられないということでサブプランのラインに切り替える。こちらは雪庇もなく、傾斜にはそこまでプレッシャーを感じない。
完全に下界と隔絶されることに若干の不安を感じながらもスキーカット気味にエントリーした。自分の滑りの50%も出せないような安全第一の滑りであったがまだ誰も見たことがないであろう景色の中気持ちの良いターンを決める。雪崩やクラックのリスクが減ってきたあたりで雄叫びを上げた。
そこからはもるさんとリグループして下部を目指す。曲り谷の中俣には出口に10mオーバーの滝がある。秋に偵察して一つの核心部かと考えていた。警戒しながら滑り込むとそれらしき地点についても見当たらない。幸いにもこの時期には埋まっているようでそこからはトラブルも無く登り返し地点まで滑り込んだ。
計画ではより下部の傾斜が落ち着く尾根から登り返すつもりであったが、諸々のコンディションを考慮して今回の登り返しラインとなった。
稜線に上げてしまえば後はひたすらに長い工程を帰るだけ。市ノ瀬からの片足シール歩行二時間半もずっと憧れていたこの斜面を滑れた充実感から羽が生えた気持ちであった。最後は今回の山行を支えてくれた最強なパートナーと喜びを分かちながら記念撮影をした。
今回のラインは上りでも下りでも発表された記録を見つけることができなかったので、白山大屏風 曲り谷中俣 遅刻ラインとして発表させていただきます。
もしこちらを通った記録をご存知の方がいらっしゃればご連絡いただけると幸いです。
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