伯耆大山(鳥取県警と鳥取県山岳・スポクラ協会による冬山パトロールに参加)【大山、鳥取県】


- GPS
- 06:36
- 距離
- 6.9km
- 登り
- 970m
- 下り
- 972m
コースタイム
- 山行
- 4:37
- 休憩
- 2:17
- 合計
- 6:54
大山寺駐在所 832 ―南光河原駐車場前 839 ― 夏山登山口 841 ― 阿弥陀堂前 851 ― 一合目 858 ― 五合目 955/1010 ― 元谷コース分岐点 1012 ― 六合目 1028/1035 ― 遭難碑 1107 ― 八合目 1123 ― 山頂小屋 1152/1155 ― 弥山山頂部 1156/1203 ― 三角点 1208/1214 ― 山頂小屋 1221/1318 ― 遭難碑 1341 ― 六合目 1353 ― 元谷コース分岐点 1359 ― 五合目 1401/1411 ― 標高1000m 1437 ― 一合目 1446 ― 阿弥陀堂前 1449/1451 ― 南光河原駐車場前 1501 ― 大山寺駐在所 1508
●行動時間 6:36
天候 | 快晴、晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(米子家=大山博労座駐車場) 博労座P―夏山登山口―夏山登山道―大山―夏山登山道―博労座P (大山博労座駐車場=米子家) ●登山口へのアクセス ○大山博労座駐車場 ・第1から第5まであり、合わせると600台駐車できるとのこと。冬期は有料。冬期は開放範囲が限られているようだった ・各方面から大山への道は大山寺下にある駐車場群に集まっている。例えば、関西からであれば、米子道「溝口IC」から県道45号、県道158号経由で、米子市内からであれば、山陰道「米子東IC」から県道53号、県道24号経由で行くことができる ・とりわけ県道24号は通称「大山観光道路」と呼ばれている気持ちの良い道で、日本の道百選にも選ばれている (2025.2現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○博労座駐車場〜夏山登山口 ・大山寺参道を上がり「参道市場」の前を右折、橋を渡ると県道脇に夏山登山口がある ・夏山登山口手前の南光河原駐車場前には“一木一石運動”の石置き場がある。登るのであれば、一つでも持って上がりたいが、本日は遠慮した ○夏山登山道(冬山の場合) ・登山口から一合目付近までは石段混じりの緩やかな道だが、全て雪に覆われ、雪の緩斜面となっていた。その先も同様で雪の下には木段が続いているはずだが、雪の急斜面を淡々と登っていくことになる。緩斜面も混ざるが殆どは急な坂道と思うほうがよい。とりわけ5合目手前から8合目付近にかけては急斜面となっており、よく踏まれてはいるもののアイゼン等は欠かせない。八合目以降の木道部は緩斜面の道となる。今日のように好天に恵まれると、一部には雪庇が発達している道左(登り基準)に亀裂も見られた。つまりは大山山頂部が見たいばかりに踏み跡のない左に寄りすぎると危険 ○元谷コース ・今回は通行していない ・冬山の時には、状態が悪くなければ、6合目より上のいくつかあるポイントからシリセードで元谷コース目がけて降りていくこともできるそうだ ・以下、夏山に関する記述。夏山登山道の五合目よりやや上部で分岐している。上部から下る場合、最初のうちは尾根から谷への急下降となっており、梯子と見まがう木段が続く。元谷の河原をテープを見ながら渡ると作業用道路との合流点。合流点からも沢に近い側の歩道を行く。終盤で宝珠越分岐を過ぎ、大神山神社奥宮の背後にある元谷コース登山口に到着する (いずれの記述も2025.2現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・登山口となる大山駐車場付近には飲食店は多数 ・コンビニエンスストアはないと思われる ●日帰り温泉 ・大山寺には「豪円湯院」があり、日帰り入浴可能。大人790円。休日の受付時間は11時〜19時20分 (いずれの記述も2025.2現在) |
写真
感想
鳥取県山岳協会に属するメンバーに連れられて、大山冬山パトロールに参加した。
本格的な冬山に十分な装備は持たないが、共催している大山琴浦警察署大山寺駐在所から道具については借りることができるとのことで、それをあてにして冬山へと向かった。もちろん、登りなれたメンバーがいるからこその決定だ。
パトロールは警察官2名と鳥取県山岳協会に属するメンバー数名で構成される。雪山救助の従事経験が豊富なメンバーに同行することは何よりも心強い。とはいえ、自分が救助されるようなことになっては面目もない。
ヤッケ、冬用スパッツ、冬靴、アイゼンをお借りして出発。
今日は快晴。山頂部が青い空の中、真っ白な姿を輝かせている。これまで二回の大山山行きでは見ることも叶わなかった山頂部だ。今日は幸運な日のようだ。
一合目までの間ですでに下山してくる方とすれ違う。山頂での日の出をもくろんで早出されたそうだ。天気予報を活かしているなと思った。
一合目付近から始まるはずの木段は全く見えず、雪の緩斜面を上っていく。二合目や三合目といった道標は雪に埋もれているようで、気づくこともなく通り過ぎる。次第に斜度が上がって歩きにくくなるが、アイゼン装着に適した空間がなかなか訪れない。五合目でようやく装着したが、遅れたため、足にはやや負担がかかった。
五合目の山の神はちゃんと雪を掘ってお顔が見えるようになっている。みんな神様にはお詣りしたくなるからであろう。ほかのメンバー同様に、山の神に手を合わせ、上へと出発した。
先行する集団を見ると、大きなスノーボードを持っている。警察の方は“元谷方面は雪崩の発生が懸念される”旨の声をかけるが応えているのであろうか。
急勾配が暫く続く。足取りも重くなる。六合目の小屋前で一休みするが、人が多い。今日の天候を見越してのことなのか、雪山にも拘わらず、すごい人出だ。よく聞いていると、韓国語が多く耳に入る。境港に客船が入っているのか、多くの外国人客が集中したようだ。それにしても彼らはこの晴天がずいぶんな幸運であると気づいているのだろうか。
ちょうど警察の方の無線に雪崩被害の発生情報が入る。やむなく警察のお二人は道なきトラバースにより雪崩の現場へと向かうことになった。別れてしまうと、一応パトロール意識では行動しているものの、殆ど“楽しい雪山登り”になってしまいそうだ。
そこから先はいよいよ森林限界を超え、ゲレンデのような白銀の世界へと進む。急斜度の尾根道は、大きなスキー場にあるロングコースそのものだ。八合目まで続く急斜面では、強風も当たり始める。空は絶好だが、斜面と風は冬山の厳しさを戒めに来る。
やがて八合目を過ぎ、夏であれば優雅な木段が始まる頃、ついに山頂部を至近に捉えるようになる。これまで二度は全く視界のない中を登った最終盤だが、今日はずっとその姿を目指して登っていく。小屋をいったん通り過ぎ、山頂部へ。
山頂部からは三角点も剣ヶ峰も視界に入る。三角点までは多くの人が行っているようだ。三角点は一応“立入禁止”ではない。そもそもは花崗岩の細い尾根の風化が進み、歩くに適さないほどの状態になっているからの措置だ。十分に雪の着いている中であれば行けるというのも分かる。18年ぶりに三角点まで足を延ばす。なんとその先にも多くの人が列をなしている。剣ヶ峰へのルートも同様の理由から規制されているのだが、それに加えて崩壊が進んでいることも懸念となっている。歩くには恐そうなので、そちらに向かって足を踏み入れることはやめておいた。
小屋に戻り昼食にする。自分で持ち込んだものだけではなく、うどんをはじめ皆さんいろいろくださるものだから、思わず食べ過ぎてしまった。
帰りは行きと同ルートを折り返す。元谷ルートへと向かう人がいるのは見えているが、別れてしまったとはいえ、パトロールの警察の方が夏山コース往復が無難と言われていたことを思うと、そう判断せざるを得ない。
途中で両足を攣ってしまった。まず右腿、しばらく下ってからは左腿。やはり慣れない冬靴の重量に足が負けているのであろう。また久々のハイカット靴に足の動きがぎこちなくなっていることもあるだろう。なるべく急制動や急転換のないように注意しながら下りていった。
夏山のショートカット入口に向かうあたりで警察の方と合流。まさか待っていてくださったのではないだろうと思い確認すると、たまたま登山届のポスト確認をした帰りに偶然通りかかっただけだとのこと。それでもすぐさまこちらに気がつかれるあたり、目当たり訓練の成果なのか、警察官の職を感じてしまった。
到着して道具を片付ける。足の疲れは経験のないほどで、靴の履き替えだけでも大ごとだ。
何はともあれ、本格的な冬山初級編は無事に終了。
雲行きが怪しくなりかけた空の下、今日一日の幸運と素晴らしい体験を振り返りながら帰途についた。
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