残雪期?試練の黒戸尾根


- GPS
- 11:40
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 2,488m
- 下り
- 2,488m
コースタイム
- 山行
- 10:30
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 11:27
天候 | 曇りのち晴れ、七丈小屋まで風微弱、そこから上はやや強め。気温はスタート時0℃、6合目あたりの日陰で一時-8℃、全体的に概ね気温高めだった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
土曜の夜にまとまった積雪があった模様、上部では10~20cmほど積もったとの事。5合目あたりまで雪が重く、チェーンスパイクにくっついて団子になるのでアイゼンのほうが良かった。 トレース明瞭でルーファイ不要、踏み抜きもほぼ無し。 南アは3月以降が積雪本番とのこと、これからますます雪深くなる一方、気温は残雪期になるのでグサグサになることもありそう。とても難易度が高くなる時期と思われます。 ※七丈小屋テント場から少し上のダケカンバ帯で前日に滑落あり、骨折2箇所で救助されたとの事。さらに、私が通過する10分ほど前に二本剣手前のルンゼで下山時一名滑落したとの事。一度ヘリが飛んだものの、ガスが濃く捜索できず引き返した模様。夕方もう一度ヘリで捜索する予定との事。 通過される際はお気をつけください。 |
その他周辺情報 | 尾白の湯で入浴、県外は820円だったかな?ちょっと高い。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
装備
MYアイテム |
![]() 重量:10.06kg
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感想
今期の雪山登山総決算、憧れの積雪期黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳に挑戦してきました!
出発時埼玉北部は大雪、尾白川渓谷到着時は雪混じりの雨。なんだか不穏だな…。
黒戸尾根はこれで3回目ですが、過去2回とも大変苦労しました。特に去年6月は鋸岳の前座で黒戸尾根を通過しましたが、鋸岳より体力的に削られました。果てしなく続く登り一辺倒、悪夢のような眠気とシャリバテ、もはやトラウマです。
そして今回もやっぱりキツかったです!
登り始めから滝のような汗が出てシャリバテを疑いましたが、どうやら単純に気温が高かったのが原因のよう。序盤からドライとベースだけでひたすら登りますが⚪︎合目がとにかく長い。時間が溶けていく。
散々体力削られてやっと七丈小屋に付くと、小屋のスタッフの方から昨日滑落発生のお話を聞きました。体力的にかなり消耗していましたが、難易度的にはここからが本番。ワンミスすなわち死のNoMarcyゾーンです。
チェンスパ・ストックからアイゼン・ピッケルに換装しながらスタッフさんからお聞きしたところによると、甲斐駒ヶ岳始め南アの山々は3月以降が雪本番との事。昨夜かなり積雪があってかなり難易度厳しいので、懸命なご判断をと助言いただきました。ルンゼの状況次第では撤退も考えた方が良さそう。
滝汗かきながらひたすら登っていると、下山しているパーティとスライドしました。「滑落があったようです」との事。小屋の方から聞きました、昨日の滑落ですよね?とお伺いすると、ついさっきまた滑落があったとの事で大変驚きました。
難所のルンゼを下っているときに雪が崩れてそのまま崖下に消えていったそうです。目の前で目撃した方がおられ、少なからず動揺されていたようです。
かくいう私も大変動揺しました。これからそこを通過して登頂、その後再び下山で通過しなければならないのに、マジかよ…。その場にいた方々からも、決して無理はなさらずと念を押されました。
どうすんべか…、と逡巡しながら歩いていると目の前にルンゼ。そして滑落痕。生々しい。
迷いながら行くと死ぬと思い、意を決して踏み出しました。親の仇のように前爪を蹴り込み、ピッケルをブッ刺す。焦らず確実に爪とピッケルを効かせて通過しました。
通過してしまったら最後、もう一度下りでルンゼを通過しない限り下山できません。そう思うと、山頂までの絶景も心なしか堪能できていない気持ちでした。ソワソワして安心できない気持ち。
やっとのことで山頂に到着、目の前の早川尾根越しの北岳は圧巻でした。しかし日差しが強く、風が無いと暑いくらいで、雪が緩んでルンゼ通過不能になるんじゃないかと気が気じゃない。すぐ下山しました。
再びルンゼに付くと、先行パーティの方々がロープで確保しながら確実に下降されていました。悪コンディションでしかも直前に滑落もあったので、みなさん慎重に下山されていました。自分はフリーなのでなおさら慎重に通過しました。怖かったです。
七丈小屋に着いた時には心底ホッとしました。
6合目付近で花谷さんがガイドされてるパーティとスライドした際、写真を撮らせていただきました!気さくにお話ししていただき、ナーバスだった気持ちがほぐれました。花谷さん素敵…。
ゴールが近づくと、ほんの12時間前なのに駐車場が懐かしく思え、無事の下山に安堵しました。
長かった…。
登頂できたものの、安全マージンとれてたか?必要なスキルを身につけて無事登頂できるイメージを持って臨めていたか?など反省の多い山行でした。
滑落された方が無事救出されることを祈るばかりです。
【食料内訳】
・惣菜パン2(1/2消費)
・菓子パン2(消費せず)
・大福2(消費1)
・バウム1(消費せず)
・柿ピー+ミニラーメン350ml(消費50ml)
・アクエリ1L(ほぼ消費)
・お茶0.6Lx2(消費せず)
・白湯0.5L(0.2L消費)
・ポカリ0.5L+コーラ0.35L小屋で購入、消費
【レイヤリング】
・上:あみあみ+ドライグリッド+トレールアクションパーカ+bomaNS
・下:ジオラインMW+ジオラインLW七分+モンベルアルパインパンツ
・手袋:シャミースグローブ
・予備:アブレイザーフーディ、ソロイストグローブ、オーバーミトン、テムレス、APEXグローブ
序盤で上2枚脱いで七丈小屋まであみあみとドライグリッドだけで登る。七丈小屋から上はbomaNSを着る。
【メモ】
・装備重量11kg弱
・雪山登山における気温0℃は暑い!残雪期はレイヤリングに一工夫必要と思う。
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