記録ID: 7915030
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ハイキング
奥多摩・高尾
雲取山
2025年03月20日(木) [日帰り]


体力度
5
1泊以上が適当
- GPS
- 08:11
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 1,583m
- 下り
- 1,580m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 7:40
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 8:08
距離 21.0km
登り 1,583m
下り 1,580m
14:53
ゴール地点
天候 | 雲が多めだが晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
https://www.vill.tabayama.yamanashi.jp/access/kumotori-parking.html https://youtube.com/shorts/K9-acjy9zuk?si=1qNwc2zxYa4cegYh |
コース状況/ 危険箇所等 |
数年に1度の「どか雪」の直後だが、スタートから暫くはガッチリトレースがあった。しかし、マムシ岩を越え七ツ石山直登ルートに入ると、ワカン1人分のトレースのみになった。雪山登山ルート集には巻き道ルートに入るように書かれていたが、折角なので七ツ石山にも登ってみたかった。この直登ルートは、トレースはあるものの雪深く、足が雪に潜り込み、思ったよりも体力を消耗した。石尾根縦走路に入り、七ツ石山を越え、ブナダワへ100mほど下るが、この下りの積雪量はかなり激しかった。前方からその下りを登って来ている男性が見えた。すれ違う時に「もう山頂行かれたんですか?」と聞くと、「いえ、山頂行ってません。あまりに雪が深いので引き返して来ました」。「え?この後トレースないんですか?」と聞くと、「トレースはあるんですが、あまりに雪が深くて...腿まで埋まる所もありました」という。「えっと...コル(ブナダワ)までは行かれたんですか?」と聞くと、「いえそこまでも行ってないです」。なるほど。彼の出で立ちはトレラン風だったので、恐らくあまり雪に慣れていないのだろう。とは言うものの、雲取山に登頂できないなんて想像だにしていなかったが、少し不安になった。 ブナダワまで下り切ると、巻き道ルートを通ってきた男性2人組と会った。「七ツ石山通って来たんですか?」と驚かれたので、「ちゃんとがっちりトレースありましたよ」と伝えると、「あーそうだったんですか!」と納得していた。彼らはここから先に進もうか悩んでいる様子だった。 そこから五十人平を越え、巻き道ではななくヨモギノ頭への稜線ルートに進む。巻き道にはスキーのトレースがあり、稜線にはワカンと坪足のトレースがあった。トレースの種別を見て稜線ルートを選択したが、これは大正解だった。帰りに巻き道を通ろうしたが、のっけからズボズホの大ラッセルになり、慌てて稜線ルートに引き返したからだ。やはりスキーのトレースは当てにしてはいけない。 ヨモギノ頭までのしっかりした登りをやり、ここから小雲取山へのコルへ下る。コルの辺りでスキーヤーに追い付いた。「この後どこか滑れるとこあるんですか?」と声を掛けると、「いや、わかんない」と笑いながら振り返った彼の顔は汗だくだった。やはりスキーでの歩きはかなり疲れるようだ。 このコルから小雲取山までの登りが大変だった。今日のルートの核心だったかもしれない。スキーヤーを追い越したので、トレースはワカンと坪足の2つになった。かなり深い坪足のトレースに足を入れながら、「これ大変だったろうな...」と唸らずにはいられなかった。恐らくこれから会うだろう2人の開拓者のことを考えながら登る。 やっとのことで小雲取山に登頂し、小休止していると、前方から遂に勇者が現れた。坪足の開拓者だ。彼を見るやいなや「ありがとうございます!」と思わず声を掛けた。「トレース使わせてもらってたのに、えらい大変でした」と言うと、「いやぁ、大変だったと思いますよ。何回か雪の雲取山は来てますが、これは数年に1回のどか雪ですね」。「そうなんですね!僕は雲取山は初めてなんです」と言うと、「それは大変な時に当たっちゃいましたね」「いえ、これを狙って来たんです」。心地のいい会話を交わしながら、彼が自分が行きに付けたトレースを外して歩いていることに気が付いた。「トレース外してますね!」と言うと、彼は嬉しそうに苦笑いしていた。小雲取山を後にする彼の背中を見ながら、「ドMやな...」と呟かずにはいられなかった。 小雲取山でランチ休憩を取り、再スタートした。すぐに眺望のいい稜線に出た。雲が多いながらも、左には南アルプスの山並が見えた。聖、悪沢、塩見岳などが確認できた。行く手を見ると、山荘のような建物が見える。「雲取山荘はもっと先のはずなんだけどな...」 その建物に向けてはしっかりした登りだった。下から上を見上げると、その建物の前に登山者の姿が見えた。恐らくワカンの勇者だろう。ワカンと坪足のトレースを使い分けながら、その建物までの登りをゆっくり登る。建物の前まで来ると、それは雲取山荘ではなく避難小屋のようだった。ワカンの勇者は、お湯を沸かしながら大休止に入っていた。「トレースありがとうございます」と彼にも感謝を伝えた。ここから雲取山まではすぐだが、建物の前の狭い通路を通って行くのが分かりにくい。一度、建物の左手をラッセルしながら上がり、建物の屋根越しに奥にトレースが続いているのを確認した。 スタートから5時間もかかって、やっと雲取山に登頂した。「トレースなかったらどうするつもりやったんや⁉」。開拓者2人の後の3番目の登頂を素直に喜んだ。後続はかなり離れているので、ゆっくりと独り占めの山頂を楽しんだ。本当は折角なので雲取山荘を見に行くつもりだったが、山頂から山荘へはさすがにトレースがなく、かなり疲れていたので素直に帰ることにした。 避難小屋の前まで戻ってくるとワカンの勇者はまだ休憩中だった。僕も隣のベンチに荷物を下ろし、しばし休憩する。ワカンの勇者は数えきれないくらい雲取山に来ているそうだが、やはりこの雪の多さはかなりすごかったらしい。七ツ石山直登ルートの分岐に入ったところで、「これはダメだ」とワカンを装着したそうだ。彼が直登ルートに行ってくれなければ、到底僕にはそのルートを無事に辿ることはできなかっただろう。というのも、彼のようなベテランですら、七ツ石小屋から稜線に上がるルートは、最初雪のせいで非常に分かりにくかったらしく、記憶をたどりながら何とか雪を掻き分け道を発見したそうだ。「何時くらいに出たんですか?」と質問すると「4時半です」。なるほど、さすがにそうだよな...。「何時ですか?」と逆に聞かれたので、「僕は6時45分です」と少し申し訳ない気持ちで答えた。「帰りも3時間半はかかりそうですね!」と言うと、「それくらいはかかるでしょうね、ただ疲れ過ぎてまだ動けない...」。勇者になる代償は大きいようだ。 下りはできるだけスピードを上げた。結局最後までアイゼンの出番はなかったが、雪が溶けてぐずぐずになった下部は慎重に下りた。駐車場に戻ってきたのは午後3時前だった。結局下りは結構急いだのに、3時間10分もかかってしまった。久々に約8時間の山行をこなし、雲取山とはいえ久々に歩いたなという充実感があった。「雲取山、まあまあ、まあまあでした」と独り言を言って、家路に就いた。 |
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