暑寒別岳《日本二百名山》
北海道
山キチどん
その他2人 - GPS
- 06:21
- 距離
- 33.0km
- 登り
- 1,216m
- 下り
- 1,756m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 8:38
- 休憩
- 1:39
- 合計
- 10:17
- 山行
- 1:56
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:56
| 天候 | 1日目(7/8)：曇り一時晴れ 2日目(7/9)：晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2006年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス タクシー
下山口：増毛町増毛BSからバスで札幌 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
湿地帯で虻・蚋が多い |
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感想
1日目(7/8)： 曇一時雨後晴
稚内から乗った“はなたび利尻号”のお座敷車での一夜が明け4:30滝川駅に着いた。予約しておいたタクシーで早速暑寒別岳登山口の暑寒荘に入った。45�卍�の距離があり、深夜割り増しも加わりタクシー代は10,460円、でも3人で割ると安いものだ。登山口には広大な駐車場があり雨竜沼だけ見に行く観光客も多いのだろう。ガスで覆われ、雨具の下だけ履いた。登山口で入山料500円を払い登山道に入った。
「北海道の尾瀬」と云われる広大な雨竜沼湿原とその奥座敷の暑寒別岳は花の百名山にも選ばれており期待が高まった。雨竜沼から流れ出るペンケペタン川はかなりの流量がある。白竜ノ滝は10m以上の落差があり豪快、第2吊橋で左岸に渡り、雨竜沼の台地に駆け上がる急坂を登った。先ずはヒオウギアヤメ、ゴゼンタチバナ、ウコンウツギが迎えてくれた。そして困った歓迎者は蚊とブヨの大群。防虫スプレーは殆ど効かず、長袖Tシャツの上から肩の辺り凸凹になるほど噛まれてしまった。蚊は長い針で刺すが、ブヨは口で噛み付いて血を吸うらしい。
軈て両側に立ちはだかっていた壁がなくなり雨竜沼湿原入口に達した。湿原を仕切る小川に泥落とし場があり、ブラシが備え付けてあった。この先は木道で尾瀬ヶ原を思い起こさせる。花期が過ぎつつあるミズバショウが頑張っていた。足元をふと見るとオオバナノエンレイソウが可憐な花を付けていた。木道が二途に分れ、登り下りが右回り（時計回り）の一方通行になっている。ツルコケモモ、マシケレイジンソウを発見、チングルマはあまり元気がなかった。デジカメの電池は昨日鴛泊港で買ったリチュウム電池でみごと復活し、写真を撮り捲ったので前を行く二人からは随分遅れてしまった。一時パラパラと小雨になりオッと思ったがすぐに止みガスの中を歩いた。
軈て湿原の最奥に達し登山道となった。100m程標高が上がった所に湿原展望台があるが視界はガスの中、エゾフウロウの写真を撮っただけで通過した。少々なだらかなになるが湿気の多い道で靴はドロドロになってしまった。傾斜が増し登り詰めると南暑寒別岳(1,296m)に到着した。3等三角点「南暑寒別岳」があり立派な山頂標識があった。360°遮るものはないがガスで視界はなし。後から二人登ってきたがいずれも先へは行かずここで引き返してしまった。車で来た場合、南暑寒荘からのピストンはかなりの距離があり健脚でないと難しい。
南暑寒別岳からは急斜面の下りで固定ロープが張られていた。下り切ると若干登り返してP1121の丘を越えると最低鞍部は雪田となり横断した。その登山道の道端にザセンソウが1輪、7月になって見られるとは流石北海道と感激した。雪田の上で休憩している小母さんに話すと「あっちにもあったよ」と、その時「Y本さんやないの? 」て、声の主は何と京都市消防のOBで4、5年前まで京都駅のホテルで一緒だった亀岡山の会のI田氏。転勤してから京都では一度もお目に掛かったことがないのに、この増毛の山中で会うとは山屋冥利に尽きる。聞けば暑寒荘から入り、南暑寒荘に抜けると言う我々とは逆のコースを行くそうだ。そして別働隊が南暑寒荘から入っており途中で車のキーを交換するとのことで明日は夕張岳へ行くとか。10分程話し込んでしまい先を行く二人が気になり互い「気を付けて」と言って分かれた。
ここからは暑寒別岳への一貫した登りとなり標高差430mを登る。天気が一気に回復し晴れ間が出てきた。稜線が見え、雨竜沼も見通すことができるようになった。前方から登山口で追い抜かれた小父さんが暑寒別に登り折り返してきた。10分の遅れはこれまでで最大、なかなか追いつかないだろうと思って覚悟していたが、二人にはそろそろ疲れが出てきたのか案外早く追いつくことができた。山頂に近づくとエゾノハクサンイチゲとシナノキンバイが群落をなしていた。直下の急登を登り詰めて暑寒別岳(1,491m)山頂に到着した。1等三角点「暑寒岳」があり360°の大展望が広がった。歩いて来た南暑寒別岳の姿も見ることが出来た。北の暑寒荘からのピストン組の人たちが沢山休憩していた。
昼食大休止を取りいよいよ暑寒コースに入った。南暑寒荘からのコースの2/3程度の距離でしかも殆どが下りのコースだ。そして山頂での目撃情報では600mほど先の箸別コース分岐付近で箸別側へ少し入ったところでマシケゲンゲが咲いているらしい。二人はそのまま行ってしまったが、また一人道草を食って、見に行くと分岐から僅か100mほど入った所にマシケゲンゲは咲いていた。この地域にだけ咲く固有種でマメ科の植物だ。そして、カサカサと草が動いた。ビックとして立ち止まるとエゾシマリスも立ち止まりこっちを見ていた。
分岐から先の暑寒コースは本格的な下りで200mを一気に下った。傾斜が緩やかになり岩の盛り上がりが見えてくると扇風岩(1,225m)だ。この後は樹林帯に入り新たに発見する花も殆どなく、虫に取り付かれながら単調な下りが続いた。3等三角点「炭釜ノ上」(1,076m)は確認できず、五合目、四合目、三合目、佐上台、つつじヶ丘とどんどん下った。閉鎖されている石清水コースを左に見てどんどん進み台地上の地形から最後の下降でポンショカンベツ川の高みに建つ暑寒荘に到着した。
今日はここに泊まり、明日増毛まで12�劼領啼擦鯤發�予定だったが、F澤さんは虫刺されと足痛にめげて今日中に増毛に下りると言いだした。仕方がないのでここでパーティーを解散し、S京さんと共にタクシーを呼ぼうとしたが圏外で、ここに泊る札幌の男性のお情けで増毛まで送られて行った。一人になって暑寒荘に入ると、ここは無人ながら手入れの行き届いた立派な小屋だった。屋内に水道（沢水）あり、食堂あり、食器あり、寝室は2階に個室が数部屋と大部屋が一つある。札幌の男性は奥さんと車で寝たので、後は男性3人組と私だけだった。外ではテント泊が1組あった。
2日目(7/9)： 晴れ
少しゆっくり目の4時に起床し、青空の広がる下、5時に歩き出した。朝から蚊の大群が群がる。十分防虫スプレーをふり掛けたが一緒について飛んでくる。駆け出してみると奴らは付いて来れないようだ。時速6�劼任賄擦錣衂佞�れるが、10�劼砲覆譴仗兇蠕擇譴襪茲Δ澄�新発見で奴らに勝ったと満足した。ポンショカンベツ川を下り“出わの二俣”で暑寒別川の本流から来る林道と合流した。
立派な舗装道路となり、略直線で暑寒別スキー場の分岐路が現れた。左に緩くカーブを切ると谷間から抜け出し、増毛町の人家が現れた。果樹農園と農家が点在するエリアで特産のサクランボが熟している。お土産に買いたかったが、早朝でまだ何処も販売はしていない。“暑寒沢（地名）”からは一直線の道路が2�厖召蠡海�、国道231号線に合流した。そのまま真直ぐ海岸近くまで行き国道と共に左折した所が増毛バスターミナルと見当を付けて来たが見当たらない。交番を訪れるが無人、漸く人を見つけて聞き500mほど西のバスターミナルに着いた。そこは海水浴場のすぐ隣だった。
海岸で海を見てぼんやりしていると、増毛の民宿に泊ったF澤さんとS京さんがやってきた。7:48の“はぼろ号”に乗り札幌に向かった。
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