五竜岳
富山県
長野県
Shinta3
体力度について
- GPS
- 10:55
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 1,438m
- 下り
- 1,586m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 9:16
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 9:45
| 過去天気図（気象庁） | 2025年04月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
写真
当初白馬山荘に泊まって、杓子、白馬鑓温泉の周回を計画してたけど、白馬大雪渓の雪崩の危険性と猿倉から先が通行止めって事が分かり、予約済の白馬山荘から五竜山荘に予約が変更できたので今回の山行に変更
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彼はここでテン泊
まぁ割に雪が腐っててスピードもあまり乗らないみたいだから大丈夫か
いつもなら迷わず楽なトラバース選ぶのに何故か直登選んで
大後悔。
そうそう、山頂眺めながらビール飲んでたら目の前をテントがぴゅーって空に舞い上がったかと思うと反対の谷にすぅーっと吸い込まれていくYouTubeのおもしろ動画みたいなシーンに出くわしたっけ。数秒後下の方のテン場から諦め顔の登山者がとぼとぼと上がってきたっけ。ご愁傷様です。
数秒後下の方のテン場から諦め顔の登山者がとぼとぼと上がってきたっけ。ご愁傷様です。
今思うとあそこが恐ろしいセクションだったんだ。
時間にしたら、嘘！10分ちょい？！
山頂は無風。最高！登頂の喜びに気分が高まるものの、
あのビビりまくったセクションを
また行くのかと思うと手放しで喜びに浸れない
喜びと不安が交互にやって来る
登頂の喜びに気分が高まるものの、
あのビビりまくったセクションを
また行くのかと思うと手放しで喜びに浸れない
喜びと不安が交互にやって来る
その後に続く稜線もスター級のお山揃い
へーこの角度からの槍はなんかよく目にする槍と違うね。なんて事を先行してた女性ソロハイカーと暫し歓談。
話題の中心は、マジやばくなかったです？下りはもっと怖い！とか
なんて事を先行してた女性ソロハイカーと暫し歓談。
話題の中心は、マジやばくなかったです？下りはもっと怖い！とか
幸いな事に女性ソロハイカーさんと一緒に下る流れに
自分と違い、全然ビビってなくてベテラン様でした。
氷壁の下りはじめは、足を滑らせ先行者を巻き込み共に滑落する映像が頭を渦巻き体が硬直。写真なんか撮る余裕も当然無く写真無し。次のびびりーポイントに突入
トラバースエリアはある程度慣れたのか、あれ何処だった？位の感じで通過してた。
五竜に登頂して事を得意げに話す笑
感想
雪山上級者限定の山でした。初中級と思われる方にはお勧めできません。
他の人のレコを見て、安直に計画を立てると後悔する事になります。
私の様に。。。
山荘までは初中級レベルでもいいかと思いますが、その先は上級者の聖域でした。
自戒の念を込め、そして何かのお役に立てれば思い山荘から先の体験をここに記します。
トラバースの途中に岩稜滞を越えなければいけないところが2ヵ所程あった。岩にピッケルは無力、掴むとボロっと頼りにならないし、数週間前の霞沢岳での滑落が頭をよぎり恐怖で体が山側に寄ってしまい余計アイゼンの爪のかかりが悪くなる。左腕でピッケルのシャフトの中央を掴み斜面にピックを突き刺しながら進んできたが三点確保を意識し過ぎて無駄に力が入り過ぎていた様で上腕は既にパンパン。岩を越えるのに一時的だが不安定な体制を取らざるを得ないのだが、怖くて一歩が繰り出せない。右足を出した方が足が置き易そうだが、今更足を組み替えられない。そんな事したらアイゼンをゲイターに引っ掛けて斜面を谷底に向け落ちていく自分の映像が何度も浮かぶ。何で来ちゃったんだろ。霞沢岳から生還した瞬間はもう冬山は辞めたと誓ったはずなのに、なんでまたこんな窮地に苦しんでるんだろ。引き返すか？それにしてもこの状況で反転する方がもっと怖い。手元が確保できない以上繰り出す一歩は確実じゃないと落ちる。もうみんなどうやってここクリヤーしたんだろう。誰か教えてくれ！と思っても答えてくれる人はここにはいない。トラバース通過でこんなセクションが2つあったが何とかクリアーすると次に噂通りの絶壁セクション。
嫌らしいトラバースよりも怖くないと登りはじめこそ感じたものの直登の為その斜度にビビり距離の長さに焦る。基本先行者達がつけてくれたトレースに足を置いていけばいいのだが、ツボ足の先に剥き出しの氷壁が時折顔を覗かせる。その度にここでアイゼンが掛からなかったらとネガティブイメージに憑りつかれ、頭は恐怖に支配され、体が思う様に動かない。気持ちを落ち着かせようと視線を横に向けるとエグイ斜度に改めて気づかされ逆効果。
今脚がつったら。。。いやマジで終わるだろ。
絶壁は2段階になっていて途中、一息つける。
他の登山者の五竜岳のレコを見た時はふーん位にしか感じなかった自分が愚かしい。こんな怖い所と分かってたら絶対に来てなかっただろう。落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせ、最後の難所に向かう。雪の斜面にピッケルを突き刺し、アイゼンの爪を突き立て湧き出る恐怖心を押し殺しながら機械的に体を動かし続ける努力をする。稜線に辿り着くと安堵の深い息が漏れた。思いつめた顔を上げると柔らかな朝の陽ざし浴びた劔や穂高の絶景の出迎えを受け笑顔が弾けた。
暫し山頂で絶景を堪能しいよいよ下山開始
氷壁で「あわや滑落」があった。
斜面を三点支持を意識しながら足跡をなぞっていたが、トレースが2本に分かれている個所があり、今までのトレースから左側に並行するラインに移行しようと左足をツボ後のない雪面に置こうとした時アイゼンが掛からず体がすっと宙に浮く。やばいと思った瞬間、ピックが雪面にしっかりと食い込んでいるを見つめていた。反射的にアイゼンを雪面に振り込んでいたようだ。ピック、右足側のアイゼンで辛うじて落下は免れた。頭上で危な！と叫ぶ昨日のバディの声に下から見上げる女性ソロハイカーの驚いた顔。気が緩んでいた。恐怖感も薄れ、油断していたかもしれない。普通の登山道ではちょっと躓いたくらいで済むところが、ここでは怪我もしくは死に繋がる。
十分に肝に銘じないと。そんなこと思った。今まで雪山は何度も登っていたが、ピッケルの重要性、機能性、扱いを実感できた。本当の雪山登山を経験できたそんな思いに満ちた貴重な登山となった。
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山荘での夕食時に同席してお話しさせていただいたsht（エベレスト敗退者）と申します。
無事の登頂が何よりで、中々厳しい場面を冷静に描写されていて感心しました。
お疲れさまでした！
絶壁セクションは本当に怖かったですね。「あわや滑落」の描写も読んでいて我がことのようにぞっとしました。
ご経験から来る滑落の恐怖にも負けず無事登頂＆下山されたこと、尊敬します。
またいつかどこかの山でお会い出来たら幸いです。
（ちなみに、空を舞うテントはこの翌々日に私の目の前でも発生しました）
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