【奥大井】上四郎作沢下部遡行・下四郎作沢遡行・柾小屋沢下降・扇沢遡行・ジャガ沢左俣下降


- GPS
- 20:25
- 距離
- 30.5km
- 登り
- 3,202m
- 下り
- 3,217m
コースタイム
- 山行
- 10:23
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 10:26
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※訪渓順に記載 ○西俣 上四郎作沢:2級上(今回遡行) 出合から2000m付近までは登れる滝が連続し、なかなか楽しめる。そこから右岸のガンカク尾根に出れば、すぐに出合に戻れる。上流はゴーロ主体の沢となっていると思われるが、未確認。ぬめるがフリクション勝負の滝があるためラバーソール+たわし適。 ○西俣 下四郎作沢:2級(今回遡行) 周囲に崩壊地が多く、出合から源頭までずっと開放的なガレが続く、異色の沢。滝登りは楽しめないが、開放的なガレ登りを楽しめる沢としての価値はある。落石が頻発するので多人数での遡行は薦められない。下降ルートとしても利用可能。ラバー適。 ○西俣 柾小屋沢:2級(今回下降) 出合から1720m付近までは滝が連続し、側壁も立派で面白いが、それより上流は殆どゴーロ、たまに現れる小滝も見栄えがしない。遡行の場合は、途中で尾根に上がって下山しても良さそう。この沢もアプローチが非常に遠いので、割に合わない。 ○東俣 扇沢:2級(今回遡行) この沢最大の20m滝こそ登れないが、目測10m以上ある滝が3つ登れ、小滝登攀を楽しめる沢。しかし二軒小屋から1時間程度のアプローチであり、遠さを考えると割に合わない。1700m付近にある大量の湧水が印象的。ラバーソール可。 ○東俣 ジャガ沢左俣左沢:1級上(今回下降) 1700m付近に2つの滝があるゴルジュがあるが、それ以外は殆どガレしかない沢。扇沢遡行時の下降路としては優れているが、遡行価値はない。 |
その他周辺情報 | 【地名】 ・「扇沢」は中部山岳の渓流(鈴野,1983)に拠る。 ・西俣に直接合流しているのは四郎作沢で、その右俣が下四郎作沢、左俣が上四郎作沢。(「南アルプス南部 (アルパイン・ガイド 第12)」(山本朋三郎 編,山と渓谷社,1960)) ・四郎作沢と柾小屋沢の間の沢は名称不明。 ・ジャガ沢は、赤石渓谷(平賀文男,1933)でジヤカ沢、「岳人」や「山と溪谷」で蛇眼沢という表記も見られる。 【他の記録】 ・上四郎作沢および下四郎作沢は、「南アルプス南部 (アルパイン・ガイド 第12)」(山本朋三郎 編,山と渓谷社,1960)や「南アルプスの山旅 (登山地図帳)」(山と渓谷社,1955)において、蝙蝠岳への登路として紹介されている。 ・柾小屋沢は登山大系で紹介されているが、遡行図はない。 ・扇沢およびジャガ沢は記録未見。 |
写真
装備
備考 | ラバーソール概ねOK |
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感想
【計画の経緯】
大井川源流部では、リニア中央新幹線の工事による環境変化が想定されている。今回、有志による環境事前調査として、東俣林道の通行許可を得て溪谷調査をするという話を頂いたため、滅多にない良い機会だと考え、大井川源流部の複数の沢を溯下降調査することにした。
2日目のこの日は、西俣の中では滝が多そうな上四郎作沢と柾小屋沢に狙いを定めた。
結果としては、現地で下四郎作沢にも興味を持ったためそちらも遡行し、また、3日目の下山が早かったため、当初4日目に予定していた東俣扇沢〜ジャガ沢も調査した。
【感想】
大井川源流部の沢は、地形から予想していた通り、ゴーロやガレが多く、沢登りとして面白いかというと、そうでもない箇所が多かった。アプローチの大変さを考えると、わざわざ再トレースするような沢ではないだろう。とはいえ豊富な湧水、清冽な水、奥深い山を感じながら未知の沢を探検調査することができ、非常に有意義な2日間だった。貴重な機会を頂いて感謝している。工事によりこれらの湧水が失われるとしたら残念なことである。
大井川源流域の調査遡下降。
リニア調査で林道通行許可を頂けるなんて、好きでやってる沢歩きが役立つなら願ったり叶ったりだ。
上四郎作沢の出合から上流は、本流の水は完全に伏流していた。宿舎や工事用トンネルの建設予定地には、工期が「平成31年5月31日」と記載がある許可標識のみ工事が始まらないまま立ち続けていた。
今回歩いた沢はいずれも、壮大なガレや豊かな湧水、もっさり生えたコケや元気な水棲昆虫が印象的だった。ヤマトイワナの純血個体には会えず。
南アの地下構造は複雑だ。こんな場所本当に掘れるのだろうか?地下水脈が繋がっており、トンネルを掘った位置だけでなく一見関係無さそうな場所でも湧水が枯れる可能性があるとしたら?考え始めたらキリが無いが、リニア工事の行く末には注視して行こうと思う。
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