ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 8422061
全員に公開
沢登り
塩見・赤石・聖

【奥大井】大井川 倉沢〜上倉沢遡行・上倉沢枝沢遡行

2025年07月12日(土) 〜 2025年07月13日(日)
 - 拍手
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
18:25
距離
17.7km
登り
2,652m
下り
2,675m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
8:38
休憩
0:10
合計
8:48
距離 7.2km 登り 1,258m 下り 862m
7:52
28
8:20
422
15:22
15:32
68
16:40
宿泊地
2日目
山行
9:31
休憩
0:05
合計
9:36
距離 10.5km 登り 1,394m 下り 1,813m
7:59
250
宿泊地
12:09
12:13
242
17:35
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2025年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
東俣林道通行許可を取得し、滝見橋左岸の笊ヶ岳登山口に駐車。
コース状況/
危険箇所等
○倉沢〜上倉沢:4級
 下倉沢との二俣までは発達したゴルジュが断続的に続き、楽しく登れる滝が多い。上倉沢に入っても滝が多い。南アルプスにありがちな退屈なゴーロ区間が殆どなく、最後は大量の湧水で終わり、尾根まで詰めずに登山道で下山できる。ヤマトイワナが多い。

○上倉沢・三ノ沢(仮称):2級下
 18m程度ある最大の滝以外の全ての滝が登れるので、結構楽しめる。時間が足りない場合の上倉沢からのエスケープルートとしては悪くない。アプローチが長いため、わざわざこの沢のために行くような沢ではない。登山道横断点より上流も登れる滝やナメが多いが、水量は少ない。

○上倉沢・四ノ沢(仮称):1級上
 集水域が狭いのに水量が多い、湧水豊富な沢。上倉沢から快適に登れる滝を連ねて登山道と交わるので、上倉沢からのエスケープルートとしては楽しめる。アプローチが長いため、わざわざこの沢のために行くような沢ではない。
その他周辺情報 【地名】
・上倉沢の枝沢に名称はついていないと思われるため、下流から順に一ノ沢(1730右岸)、二ノ沢(1820左岸)、三ノ沢(1825右岸)、四ノ沢(1880右岸)、五ノ沢(1920右岸)と仮称を付した。
・ゴルジュA〜Dの名称は沢登りルート図集100選、関東周辺の沢等に記載のもの。ゴルジュEは、ゴルジュDの次のゴルジュのため、誰かが使い始めたと思われる。

【他の記録】
・倉沢〜上倉沢は記録多数。
・上倉沢の枝沢は記録未見だが、エスケープルートとして使われたことはあるかもしれない。
倉沢吊橋:まだしっかり架かっているが、踏み板は落ちている。かつては倉沢へのアプローチに使えたようだが、もう無理。
2025年07月12日 08:21撮影 by  901SO, Sony
7/12 8:21
倉沢吊橋:まだしっかり架かっているが、踏み板は落ちている。かつては倉沢へのアプローチに使えたようだが、もう無理。
倉沢に入ると、すぐにゴルジュAが始まる。
2025年07月12日 08:34撮影 by  SC-03L, samsung
7/12 8:34
倉沢に入ると、すぐにゴルジュAが始まる。
ゴルジュAの核心、大岩をエイドで越える3m滝。ちょうどいいところに残置ハーケンあり。
2025年07月12日 08:42撮影 by  AC003, DJI
7/12 8:42
ゴルジュAの核心、大岩をエイドで越える3m滝。ちょうどいいところに残置ハーケンあり。
ゴルジュBの始まりの4m滝。左から。
2025年07月12日 09:21撮影 by  901SO, Sony
7/12 9:21
ゴルジュBの始まりの4m滝。左から。
ゴルジュBの3m滝:容易に巻けるが水線を攻めてみたら、登れた。
2025年07月12日 09:31撮影 by  AC003, DJI
7/12 9:31
ゴルジュBの3m滝:容易に巻けるが水線を攻めてみたら、登れた。
右から大きい枝沢が入る。滝が連続しているので興味深い。
2025年07月12日 09:48撮影 by  901SO, Sony
7/12 9:48
右から大きい枝沢が入る。滝が連続しているので興味深い。
ゴルジュBとゴルジュCの間は結構ガレている
2025年07月12日 09:57撮影 by  901SO, Sony
7/12 9:57
ゴルジュBとゴルジュCの間は結構ガレている
ゴルジュCに入る。奥の2段9m滝は右から小さく巻く。
2025年07月12日 10:06撮影 by  AC003, DJI
7/12 10:06
ゴルジュCに入る。奥の2段9m滝は右から小さく巻く。
この2m滝は右から落ち口へトラバースするところがバランスを要す。(たな追記:この滝を登ろうとするイワナがぴょんぴょんジャンプしてた)
2025年07月12日 10:25撮影 by  AC003, DJI
7/12 10:25
この2m滝は右から落ち口へトラバースするところがバランスを要す。(たな追記:この滝を登ろうとするイワナがぴょんぴょんジャンプしてた)
樋状4m斜滝の下で水流を横断。増水していると大変かも。
2025年07月12日 10:34撮影 by  901SO, Sony
7/12 10:34
樋状4m斜滝の下で水流を横断。増水していると大変かも。
大きい釜を持つ1m滝は、左から。
2025年07月12日 10:37撮影 by  901SO, Sony
7/12 10:37
大きい釜を持つ1m滝は、左から。
5m滝は突っ張りで突破
2025年07月12日 10:47撮影 by  AC003, DJI
7/12 10:47
5m滝は突っ張りで突破
突っ張りを上から見る
2025年07月12日 10:51撮影 by  901SO, Sony
7/12 10:51
突っ張りを上から見る
水流をくぐって右から4m滝を登ると、
2025年07月12日 10:56撮影 by  AC003, DJI
7/12 10:56
水流をくぐって右から4m滝を登ると、
右岸から戸間ノ滝沢が合流
2025年07月12日 11:03撮影 by  901SO, Sony
7/12 11:03
右岸から戸間ノ滝沢が合流
さらに沖ノ滝沢も合流
2025年07月12日 11:10撮影 by  901SO, Sony
7/12 11:10
さらに沖ノ滝沢も合流
ゴルジュDに入って最初の関門、この8m滝は良い位置にリングボルトが打たれていて、右からA0で登攀。
2025年07月12日 11:27撮影 by  AC003, DJI
7/12 11:27
ゴルジュDに入って最初の関門、この8m滝は良い位置にリングボルトが打たれていて、右からA0で登攀。
10m滝は絶望的に見えたが、岩をくぐったりショルダーしたりして、意外と直登できる。
2025年07月12日 12:03撮影 by  AC003, DJI
7/12 12:03
10m滝は絶望的に見えたが、岩をくぐったりショルダーしたりして、意外と直登できる。
ゴルジュDの最後、12m滝は絶望的で、左岸から大きめに巻く。
2025年07月12日 12:35撮影 by  901SO, Sony
7/12 12:35
ゴルジュDの最後、12m滝は絶望的で、左岸から大きめに巻く。
沢に戻るとすぐにゴルジュEが始まる。この8m滝はボルトエイドで登攀されたこともあるようだが、残置は見当たらないので、右岸から巻く。通常このまま二俣まで巻くことが多いようだが、
2025年07月12日 13:00撮影 by  901SO, Sony
7/12 13:00
沢に戻るとすぐにゴルジュEが始まる。この8m滝はボルトエイドで登攀されたこともあるようだが、残置は見当たらないので、右岸から巻く。通常このまま二俣まで巻くことが多いようだが、
せっかくなので沢に戻ってみると、なかなか立派なゴルジュだ。
2025年07月12日 13:44撮影 by  901SO, Sony
7/12 13:44
せっかくなので沢に戻ってみると、なかなか立派なゴルジュだ。
その奥には激しくひょんぐる8m滝。
2025年07月12日 13:47撮影 by  901SO, Sony
7/12 13:47
その奥には激しくひょんぐる8m滝。
右岸の壁をたなリードで登攀したが、非常によくぬめるのでかなり登りにくかった。
2025年07月12日 14:10撮影 by  901SO, Sony
7/12 14:10
右岸の壁をたなリードで登攀したが、非常によくぬめるのでかなり登りにくかった。
登りきると、残置スリングとビナが。かつてこの沢を下降した人が残置したのだろう。
2025年07月12日 14:48撮影 by  901SO, Sony
7/12 14:48
登りきると、残置スリングとビナが。かつてこの沢を下降した人が残置したのだろう。
ゴルジュEの最後のこの滝は登れそうにないので、右岸のぼろい壁を登ってゴルジュEを脱出。
2025年07月12日 14:54撮影 by  901SO, Sony
7/12 14:54
ゴルジュEの最後のこの滝は登れそうにないので、右岸のぼろい壁を登ってゴルジュEを脱出。
二俣を左の上倉沢へ入り、最初の5m2条滝
2025年07月12日 15:38撮影 by  901SO, Sony
7/12 15:38
二俣を左の上倉沢へ入り、最初の5m2条滝
イワナが多い!
2025年07月12日 16:20撮影 by  AC003, DJI
7/12 16:20
イワナが多い!
厳しそうな滝を連ねるが、簡単に巻けるゴルジュを巻くと、幕営適地があった。
2025年07月12日 16:32撮影 by  901SO, Sony
7/12 16:32
厳しそうな滝を連ねるが、簡単に巻けるゴルジュを巻くと、幕営適地があった。
たながイワナを釣ったので、塩焼きにして頂く。
2025年07月12日 19:33撮影 by  SC-03L, samsung
7/12 19:33
たながイワナを釣ったので、塩焼きにして頂く。
結構快適な幕営地だった。
2025年07月13日 07:17撮影 by  901SO, Sony
7/13 7:17
結構快適な幕営地だった。
20m滝:右から巻く。上倉沢も想像以上に滝が多いが、巻くのはそれほど苦労しないものが多い。
2025年07月13日 08:04撮影 by  901SO, Sony
7/13 8:04
20m滝:右から巻く。上倉沢も想像以上に滝が多いが、巻くのはそれほど苦労しないものが多い。
2段12m滝からゴルジュが始まる。これは右から巻いて水流に戻る。
2025年07月13日 08:13撮影 by  901SO, Sony
7/13 8:13
2段12m滝からゴルジュが始まる。これは右から巻いて水流に戻る。
このゴルジュも結構楽しめる。
2025年07月13日 08:33撮影 by  AC003, DJI
7/13 8:33
このゴルジュも結構楽しめる。
沢の屈曲点にある18m滝。右から小さめに巻いて、
2025年07月13日 08:40撮影 by  901SO, Sony
7/13 8:40
沢の屈曲点にある18m滝。右から小さめに巻いて、
懸垂下降で沢に戻る。おそらくこの巻き方が最も効率的。以降は滝が少なくなるが、ゴーロは少なく渓相は悪くない。
2025年07月13日 08:53撮影 by  AC003, DJI
7/13 8:53
懸垂下降で沢に戻る。おそらくこの巻き方が最も効率的。以降は滝が少なくなるが、ゴーロは少なく渓相は悪くない。
時間に余裕があるので、四ノ沢を登ってから本流を下降してみることにする。四ノ沢は快適に登れる滝が多い。
2025年07月13日 11:01撮影 by  901SO, Sony
7/13 11:01
時間に余裕があるので、四ノ沢を登ってから本流を下降してみることにする。四ノ沢は快適に登れる滝が多い。
これも四ノ沢の滝。集水域は狭いのに水量は多い。湧水があるのだろう。
2025年07月13日 11:20撮影 by  901SO, Sony
7/13 11:20
これも四ノ沢の滝。集水域は狭いのに水量は多い。湧水があるのだろう。
登山道を経て、上倉沢本流のガレに降りる。凄いガレだ。山登魂の記録で「ふざけたガレ」と書かれていたのも納得。
2025年07月13日 12:12撮影 by  901SO, Sony
7/13 12:12
登山道を経て、上倉沢本流のガレに降りる。凄いガレだ。山登魂の記録で「ふざけたガレ」と書かれていたのも納得。
少し下ると大量の湧水。キンキンに冷たい。
2025年07月13日 12:21撮影 by  901SO, Sony
7/13 12:21
少し下ると大量の湧水。キンキンに冷たい。
17m滝。右岸から懸垂下降で、自然石橋の上に降り立つ。
2025年07月13日 12:39撮影 by  901SO, Sony
7/13 12:39
17m滝。右岸から懸垂下降で、自然石橋の上に降り立つ。
3段35m滝。これも右岸から懸垂下降した。
2025年07月13日 12:58撮影 by  901SO, Sony
7/13 12:58
3段35m滝。これも右岸から懸垂下降した。
苔が綺麗な8m滝をクライムダウン
2025年07月13日 13:11撮影 by  901SO, Sony
7/13 13:11
苔が綺麗な8m滝をクライムダウン
三ノ沢に入ると、快適な小滝が続いた後にこの17m滝。登れるかもしれないが、厳しそうなのでやめて、右から巻く。
2025年07月13日 14:09撮影 by  901SO, Sony
7/13 14:09
三ノ沢に入ると、快適な小滝が続いた後にこの17m滝。登れるかもしれないが、厳しそうなのでやめて、右から巻く。
7m滝は直登
2025年07月13日 14:17撮影 by  901SO, Sony
7/13 14:17
7m滝は直登
10m滝も直登。三ノ沢も登れる滝が多く、なかなか良い。
2025年07月13日 14:27撮影 by  901SO, Sony
7/13 14:27
10m滝も直登。三ノ沢も登れる滝が多く、なかなか良い。
2段10m滝。登山道が交わった後も滝があり、ナメもある。
2025年07月13日 14:45撮影 by  901SO, Sony
7/13 14:45
2段10m滝。登山道が交わった後も滝があり、ナメもある。
25×30m多段ナメ滝:悪くはないが、水量が減ってきて寂しくなってくる。
2025年07月13日 14:50撮影 by  901SO, Sony
7/13 14:50
25×30m多段ナメ滝:悪くはないが、水量が減ってきて寂しくなってくる。
最後の4m滝を登り、右岸をトラバースして登山道へ。長々と登山道を下って終了。
2025年07月13日 15:36撮影 by  901SO, Sony
7/13 15:36
最後の4m滝を登り、右岸をトラバースして登山道へ。長々と登山道を下って終了。
遡行図
2025年07月17日 19:58撮影
7/17 19:58
遡行図
撮影機器:

装備

備考 ぬめりはあるが、フリクション勝負の箇所も少なくないため、ラバーソール推奨

感想

【計画の経緯】
 倉沢は南アルプス屈指の難渓ということで、前々から気になっていたが、東俣林道が一般車通行止めのため、後回しになっていた。今回、リニア中央新幹線工事の事前調査として林道に車で入る許可を頂いたため、支流の調査を含めて遡行することとした。

【感想】
 昔から名渓と言われているのに恥じない、登り応えがあって美しい、秀溪であった。増水していないタイミングで、通常大きく巻かれている滝も最小限の巻きで悔いなく登ることができ、また、支流2本も調査出来て大変満足した。
 トンネル工事が行われるのはここよりだいぶ北の二軒小屋周辺のため、倉沢流域にまでは影響がないとされているが、果たしてどうであろうか。この沢は今後も遡行されるだろうから、変化を見守りたい。

ゴルジュあり、滝あり、イワナありの山深い渓谷で素晴らしかった。どのゴルジュ区間も大巻きし過ぎず”不明区間”を生まずに潜り込めたので満足。
ヤマトイワナが多く、塩焼きにして頂くためなるべく混血個体を探すもむしろ苦労するほど。
ラバーもフェルトも全体的に無効化してくる岩質なので、足元には気を付けたい。今回はラバーで滑りながら行ったがフェルトだと太刀打ち出来ない場所も多い。ほんとやる気無くしそうなくらいヌメる。

「こんこんと湧く」なんて表現が生温く感じるほどの湧水帯が印象的で、南アの豊かさを改めて実感した。頼むからこの沢は枯れないでほしいなぁ。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:123人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら