関東名山ベスト百巡り:宝永山〜富士山剣ヶ峰(富士宮口→宝永山頂→御殿場ルート→富士山頂→富士宮ルート)


- GPS
- 10:05
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 1,488m
- 下り
- 1,484m
コースタイム
- 山行
- 7:39
- 休憩
- 2:30
- 合計
- 10:09
天候 | 朝方快晴、のち午後にかけ一時曇り・ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
・富士宮ルート5合目までは夏山シーズン中マイカー規制(〜9月上旬)のため、水ヶ塚よりシャトルバス利用(土日・祝日は始発04:30/片道1,320円、往復2,400円〈※キャッシュレス不可〉) ・富士宮コース登山口からの入山には入山証必要(アプリ登録、入山料4,000円支払〈※当日以降キャンセル・払戻し不可〉→スマホ講習受講・確認テスト満点合格で電子入山証発行〈スクショ推奨…〉→5合目ゲートで提示、リストバンド受領) ・帰路シャトルバスは約1時間毎出発(休日多客時臨時便あり)、最終18時発 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・富士宮口5合目〜宝永第1火口:6合目までは富士宮ルート登山道を進み、宝永山荘先の分岐を案内道標に従い岩交じりのトラバース路へ。第1火口縁からの下山路分岐にも道標あり(荒天・ガス時は方向注意) ・第1火口〜宝永山頂:砂礫の道で靴が沈み滑りやすく、落石多発地帯のため足許・上方注意。馬の背手前に宝永山頂へのショートカット路入口あり(道標ナシ、トレース明瞭) ・宝永山頂〜御殿場ルート6合・プリンスルート合流点:幅広の尾根をトラバース気味に登る(トレース明瞭)、下山者とのスライド時、落石等注意 ・御殿場ルート6合〜御殿場口山頂:8合目までは登り・下り各々一方通行、下りコースが上方にあるため落石注意。8合目から上方は両ルート合流、上部は岩交じりの急登続き、日帰りの場合高山病・下山者とのスライド注意(休業・倒壊気味の小屋多く、途中トイレは8合目までの3ヶ所のみ) ・御殿場口山頂〜剣ヶ峰:最高点直下は滑りやすい急坂、特に下りはスリップ注意(休日は山頂直下で撮影順番待ちの行列あり…〈土曜正午近くで要30分…😰〉) ・富士宮ルート下山口〜5合目:登り・下り同一コースのためスライド時は落石等注意。下部の7合目先まで砂礫交じりの急降下が続き、日帰りの場合は疲労も重なり、スリップ注意 |
その他周辺情報 | ・東名道足柄SA宿泊施設併設の日帰り温泉「金時湯」利用(大人3時間まで760円;休憩室・露天風呂ナシ) ・富士宮口5合目バス停ブースにて山中湖周辺の日帰り温泉の割引券配布あり |
予約できる山小屋 |
八合目池田館
御殿場口七合四勺・わらじ館
九合目万年雪山荘
九合五勺胸突山荘
頂上富士館
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写真
感想
処暑を過ぎ、8月も終わろうというのに、首都圏は相変わらず酷暑の日々。ちょうどここ数日TVで「富士噴火シミュレーション」動画が盛んに放映され、ゴール間近・関東名山ベスト100の残る2座の1つ、宝永山の約300余年前の噴火記録も繰り返し流されるのを見るうち、早めに登っておかないとヤバいかも…と強迫観念に駆られます。取りあえずネットで登山口となる富士宮口のアクセスを調べると、今夏の登山シーズンは9/10まで、それまでは宝永山のみのハイキングでも入山料支払いの上、富士宮口の入山許可証を取得する必要ありと判明。かつては時間制限なし、入山料不要の富士登山も、弾丸登山やインバウンドの無謀ハイカーなど迷惑行為続出対策で、世知辛い時代になったと実感します。週末の予報が真っ晴れであることを確認の後、取急ぎ静岡県指定アプリをインストールし入山料(4,000円也…)をスマホ決済、簡単な講習と確認テストを受講すると、意外にアッサリと富士日帰り入山証をゲットできました。金曜夕刻、テレワーク終了後に単身車で出発、東名道・足柄SAで軽めの夕食を取り、麓の駐車場混雑を想定し、御殿場ICから自衛隊演習場を貫くアクセス道を快適にドライブ、日付が変わる前にシャトルバス乗り場の水ヶ塚公園P到着です。翌朝、未明に起床し車中で朝食を済ませ、バスチケット購入の行列をクリアし、マジックアワーの午前5時過ぎ、富士宮口5合目の登山口に降り立ちます。
以降のコース中詳細は本文・写真キャプション記載の通り、早朝から激混み状態の富士宮ルート登山道を6合目で離れると行き交うハイカーもグッと減り、朝の高山の冷気の下、不毛な砂礫の道を踏みしめながら快適に火口底から稜線へと登り詰めます。程なく四周の開けた宝永山頂到着、眼下の愛鷹・箱根に山中湖を取り巻く馴染みの山々、そして丹沢から甲相国境稜線を経て甲州の峰々へと連なる山岳大展望を独り占めです。後ろを振り返れば、巨大な宝永火口の上に、意外と間近に富士山頂が聳え立ち、蟻の行列のように山頂へと登っていく御殿場ルートの登山者たちが見えています。当初の計画ではここから火口縁を経て、水ヶ塚公園まで往時の富士登山道をノンビリ下る予定でしたが、時刻はまだ7時半前、このまま下山すると昼前には麓の駐車場へ戻り、日帰り入浴しても日の高いうちに自宅へ帰り着ける見込み。この日は午後まで好天が保証され、雷雨・夕立の心配もない中、折角の富士入山許可も宝の持ち腐れ…と冒険心がムラムラと頭をもたげます。急遽、御殿場ルートから富士山剣ヶ峰へアタックをかけ、富士宮ルートを下山するとどれくらい時間がかかるかをシミュレートすると、意外にも登り3時間半、下り約2時間半で、順調にいけば最終シャトルバスには余裕をもって間に合うことが判明!小生過去2回の富士登山はいずれも吉田口からで、本コースを辿ればいずれも未踏の御殿場・富士宮の静岡側2ルートの赤い足跡が繋がる!と小躍りし、ヨシ、富士山頂踏破へチャレンジだ!と現地にてやおら計画変更します。
出だしの御殿場ルート7合5勺辺りまでは登り・下りルートが別々で歩きやすく、快調に高度を上げていきます。ところが、その先は登り・下りの登山者が入り乱れスライドに一苦労、空気も薄くなり息苦しく、大幅にペースダウン。結局、宝永山頂から御殿場口ルート山頂まで約4時間を要し、ガスも上がってきて視界が狭まる中、ヘロヘロでお鉢の縁に辿り着くと、そこは宝永火口を遥かに凌ぐ大迫力の巨大火口が青空に映え、疲れも吹き飛ぶ素晴らしい景観!富士宮口山頂の神社で安全登山・家内平安のお参り後、軽く昼食弁当を取り、ザックをデポしていよいよ最高点・剣ヶ峰目指し、身軽ないで立ちで砂地の滑りやすい急坂を登っていきます。すると最後の試練とばかり、日本最高点での記念撮影待ちの登山者が長蛇の列を作り、何とここで最高点まで約30分を要します…。やっとの思いでゲットした山頂証拠写真を張り付け、ちょうどこの日誕生日の次男はじめ家族宛てにLineで登頂報告。富士山はどこでもスマホの電波がサクサクで繋がり、大変助かります!
帰路もお初の富士宮ルートへ、並み居る登山者とのスライドやスピードの遅い下山者に苦労しながら、滑りやすい砂・岩交じりの急坂を快調に下っていきます。結局、午後3時過ぎと真っ当な時間に5合目へ帰着、雨にも降られず臨時のシャトルバスでスムーズに水ヶ塚駐車場へ帰り着きます。さすがに富士日帰り登山の疲れは半端なく、早くも襲ってきた両脚の筋肉痛と睡魔に抗いながら東名道へ乗り入れ、足柄SAでお楽しみの日帰り温泉入浴と夕食をテキパキと済ませます。土曜夕刻の東名道渋滞は中央道・小仏のようなフン詰まりもなく、そこそこの流れ具合で午後8時前には無事帰宅できました。
今回の週末宝永山ゆるハイクは思いがけぬ計画変更で、富士山日帰り周回という冒険ツアーに変貌しましたが、いずれも泊りがけで苦労して富士登頂した経験を持つ我が家族からは、「4,000円がもったいなくて、思い付きで富士山頂まで行ってきたの!? 信じられない…」と思い切り呆れられたことは言うまでもありません…。(この ”暴挙” も、食料や飲み物、ヘッドランプはじめ一応装備万全、早立ちで臨んだお陰にて可能となったわけで、安全登山第一の「良い子」は決してマネされないように…😅。)ともかくも、日本国内の名だたる名山巡りが一段落した後、近い将来に海外の4,000〜6,000m級の高山踏破を目論む小生としては、今回の富士日帰り登山成功はまずまずの自信となりました。ただ、寄る年波で年々歳々気力・体力の減退は明らかな上、当面のターゲットの一つ・関東名山100のラスト1座、浅間・前掛山は現在火山規制で立入禁止…とまだまだ越え難いバリアがいくつも待ち受けています。地球温暖化の影響もあり、高山の登山適期は今後拡大していくことも期待されますが、いずれにせよ国内外の名山巡りは時間との闘いになりそうです。まずは日々心身のシェイプアップを図り、来るべきチャレンジにしっかり備えねば…と心地良い筋肉痛の余韻を感じながら改めて気を引き締める我が身でありました。[2025年9月1日、satonao1記す]
PS. この日、「富士山頂往復マラニック」のゼッケンをつけたトレランナーの方と多くスライドしたのですが、後でヤマレコの記録を見ると、前夜遅く駿河湾岸をスタート、日帰りで富士山絶頂を往復する文字通りのSea to Summitのレースイベントのようでした。上には上、スゴい人たちもいるもんだ…😅としみじみ感じ入ります…。
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