鍋割山と塔ノ岳とニホンジカ
- GPS
- 07:55
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 1,270m
- 下り
- 1,264m
コースタイム
1044二俣分岐-1106金冷シ-1122塔ノ岳1224-1237金冷シ-1257二俣分岐-1440二俣ゲート-1501県民の森駐車場
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
普通車6台分の区画表示あり。実際には敷地内に8〜9台が駐車可能な広さです。 好天の日曜日。午前6時35分には計4+1台の駐車でしたが、7時までに埋まりました。 駐車場の先のゲート脇にも、7〜8台分相当のスペースがありました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険箇所はありません。 降雪後の好天で、泥濘もほとんどありませんでしたが、次の雨で状況は変わるでしょう。 登山ポストは二俣のゲート脇にあります。 |
写真
感想
居間の窓から丹沢を羨望する朝(↑写真)が続き、日曜日がめぐってきた。先週のU200散策から今週はoverKの鍋割山・塔ノ岳へ。
この2座を選んだのは、日帰りで朝日を見て(=早朝に到着できるマイカー利用のルートを歩き)夕方までに帰宅するためだった。
出発が遅れたうえ、カメラの故障でスタート前から悪戦苦闘して朝日は逃したが、好天の下で絶景を堪能し、シカにも出会えた。
県民の森に着いたのは午前6時半すぎ。東の空が赤く染まり、車内にラジオ体操の音楽が流れていた。この朝、日の出は6時41分。
「林道から見えるかも」と一縷の望みを託し、空きがある駐車場の様子を収めようとした瞬間、デジカメの液晶が忽然と消えた。
酷使に耐え、記憶を記録に刻み続けてくれた相棒だ。一緒に歩きたい。被写体は分かりにくいが、何とか撮影できるようにした。
四十八瀬川にかかる橋の下でキャンプの3人が朝食をつくっている。堅牢なロッジのように見えるのは、閉鎖された登山訓練所か。
ごくわずか、イロハモミジの紅葉が目に入る。標高は約600m。二俣を過ぎ、林道の終点近くになって、暖かな陽が差し込んだ。
道端に置かれたペットボトルを1本ずつザックに入れ、鍋割山荘の水ボッカに協力する。後沢乗越まで、のどかな登り坂を歩く。
空は青い。乗越の西側は断崖。その向こうに伊勢沢ノ頭や檜岳が泰然と並んでいる。早計にも「富士山は見えないか」と呟いた。
尾根を20分ほど登って平坦になると、「鍋割山稜7」の標柱。後を振り返ると、陽光を反射した相模湾が鈍い銀色になっていた。
さらに10分ほど、桟道が現れたところで「あっ」。方角は西南西。檜岳の頂の上に冠雪した富士山頂が浮かんでいるではないか。
私たちが北上し、高度を上げるに従い、富士山頂が檜岳の上から北隣の雨山方向へと動き、こぶのような宝永山や裾も姿を現す。
「わぁー、すごい、すごい」 ソプラノに戻った妻の歓声が、静けさに包まれた山稜に響く。午前9時8分、鍋割山まで0.8km。
ここまで来れば、最初の目的地は近い。水曜日に降った雪はその後の晴天で解け、尾根には泥濘もほとんどなくて歩きやすい。
鍋割山の頂上にはくつろぎの時間が流れる。山荘の前でコーヒーカップを手に語らうご夫妻。行程のメモをつける年配の男性……。
山荘に入ってペットボトルを置き、鍋焼きうどんを注文する。実はスタート時のハプニングで予備食のパンを車に置き忘れてきた。
これでザックの中のカップラーメンが新しい予備食になる。名物の鍋焼きうどんは外のベンチで、景色を眺めながら食べることにした。
おつゆも飲んで体が暖まったころ、登山口で見かけた女性グループが山頂にたどり着いた。「鍋焼き」が話題になっているようだ。
食べ終えた器を返しに山荘の中に入ると、コタツに並んで座った彼女たちの前にグツグツの鍋焼きうどんが運ばれたところだった。
胃袋が落ち着いたら、いざ塔ノ岳へ。山荘の前の山座台まで戻り、地図と見比べながら暫し周囲の山々を鑑賞し、再び歩き始める。
鍋割山荘の北側に回り込んで今度は東に伸びる尾根を進むと、左手に神奈川県最高峰の蛭ケ岳や日本百名山の丹沢山を望める。
そして11時の方向に聳えるのが、目指す塔ノ岳。頂上に何か見える。双眼鏡を覗くと、尊仏山荘の煙突だ。足取りが軽くなる。
小さな登りと下りを繰り返して二股分岐を過ぎ、尾根は北東へ折れてブナ林を抜ける。金冷シの先になぜかソーラーパネルがある。
大きく周囲が開けた階段の坂を、青空に向かって登る。まず日ノ出山荘の廃墟が目に入り、そして尊仏山荘の煙突が姿を現す。
「ぅわぁー、すごい」「早く、早く」「こっち、こっち」 今度は私が声を上げた。360°の圧倒的な絶景が目に飛び込んでくる。
果てしなく続く山並みのグラデーションは、もしかしたら「山波」が語源ではないかと錯覚を呼ぶ。そこに君臨する富士山。
東南東に大山、その右側に三ノ塔。双眼鏡をあてれば、山頂で休んでいる人たちを確認できる。真東にはランドマークタワーも。
湘南海岸の先には真鶴半島が霞んでいる。風もなく、のどかな昼。大勢の人が階段状のベンチに腰を降ろして、景色を眺めている。
そこへ、ニホンジカ。一斉に注がれる視線にも怖じることなく、ギャラリーの前を悠然と通り過ぎ、富士山を望む風情でもある。
得難い体験をした、と喜び半分。食害問題が脳裏をよぎる。この周辺ではブナの立ち枯れが進んでいると指摘されて久しい。
続いて飛来したパラグライダーに手を振りながら、あの上空から見た山系はどうだろうかと思う。共生と一口に言うが、難しい。
帰りの小丸尾根を下りながら自然林と植林を眺め、こうやって自然を享受している者こそが先頭に立って考えるべきだと思った。
Rheingoldさん、こんばんは。
遅いコメントなのでお返事は不要です
お天気に恵まれて、眺望もとても良かったようですね。
富士山は、いつも見てもいいですよねっ。
私は大倉から上ってヘトヘトになっても、富士山が見えると元気になります。
お天気が良いと、真鶴半島も、ランドマークも見えるのですね。
Rheingoldさんのレコを拝見していたら、鍋割山に行きたくなってしまいました
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