金峰山〜大弛峠いきなり敗退


- GPS
- 32:00
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 1,195m
- 下り
- 1,195m
コースタイム
08:30富士見平小屋-09:27大日小屋09:35-10:03大日岩-11:13砂払ノ頭11:25-11:55五丈岩-12:32賽ノ河原東端-16:00瑞牆山荘
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー
車:瑞牆山荘〜実家近くまで |
コース状況/ 危険箇所等 |
瑞牆山荘からの登山道〜金峰山の山名標までしっかり踏み固められていますのではっきり言って雪のないときより登りやすかったです。先行のみなさんに感謝。 一方、金峰山の山名標から東側は踏み跡無くうっかりすると岩と岩の間の雪を踏み抜いて落ちますので最低でもワカンは必要です。 賽の河原ケルンから下りは、ワカン装着しても這松帯で膝まで沈む箇所があります。 |
写真
感想
えー、毎度ばかばかしい記録をひとつ。
もうすぐ50になろうという中年が、いきなり冬季主脈縦走を企てました。
下山に有利なように山梨側から入って奥多摩に下る計画です。
無謀です。
仕事はいろいろと入っているのですが、行きたくてしょうがない。
なのでクライアントに「ちょっと山に行ってきますので、対応は13日以降ということで」などと説明し、笑いをとる。
社員には「遺書を書いていってください」とマジで詰め寄られる。
そんなこんなで、俗世のしがらみを振りほどき前日入りのため新宿からあずさに乗る…
予定だったのだが、なんだか不審物騒ぎとやらで14時発のあずさが15時くらいになった。
んー、いきなり不吉な…
で、甲府に16:30に着いたのだが、韮崎から乗る予定の増冨温泉行バスに乗れなさそうなので山交タウンコーチに電話して、電車が遅れる場合はバスも調整するかどうか聞く。
説明では、電車の接続に関係なく時間通り16:55に出るとのこと。
諦めて、韮崎からタクシーにしようと予定変更。
韮崎についてタクシーに乗り、駅のロータリーを過ぎるとき増冨温泉行バスがまだ乗客を待っているを発見。
まじですか。
もう17時過ぎてますけど、さっきの説明はなんだったんでしょう?
そんなこんなで、瑞牆山荘までタクシーで1万ちょっと。
経費では落ちません。
でも条件反射で領収書もらいます。
瑞牆山荘周辺では猪の団体様がうろうろしておりました。
人はだれもいません。瑞牆山荘も真っ暗です。
タクシーの運転手さんにライトで照らしてもらい、チェーンスパイクを装着。
今回舗装路を長時間歩く予定だったので、舗装路凍結時に履くためにチェーンスパイクを購入。
アイゼンじゃ爪が丸くなっちゃうし歩きづらいからチェーンスパイクが良いだろうと思ったが、これが本当に良かった。
今回の山行では結局アイゼンは使わなかった。
奥秩父あたりでは富士山なみの雪の斜面なんてないだろうから、このチェーンスパイクで十分じゃなかろうか。
木の根にもやさしいし。
瑞牆山荘から富士見平まで真っ暗な夜道を行きます。
ちょうど新月の時期なので月明かりもありません。
しかし寒い。寒すぎる。
寒波が来てるとは天気予報で言っていたが、こんな寒さは真冬のソウルや北京でも経験したことないなあ。
実際にはソウルや北京の方が温度は低かったと思うけど、屋内は暖房ガンガンだったしなあ…
寒いので早く着きたくてとばします。
とばしすぎて暑くなり汗をかきます。
暑くなったのでニット帽を外したら、あっというまに頭の毛が凍ってバリバリになりました。
およそ1時間で富士見平に到着。
早速テント設営しようとしたのですが、汗をかいたという決定的な問題を抱えているため、めちゃくちゃ寒い。
なので小屋に避難。
あまりにも寒いのとほこりがすごいので、小屋内でテントを設営。
速攻でシュラフにくるまる。
それでも寒い。寒すぎる。
プラパスの水がみるみる凍って行くので、シェルにくるんでザックに入れておく。
コンタクトや携帯、ヘッドランプの予備電池等はシュラフの中に入れる。
テルモスも足元に入れる。
これが正解。テルモスが微妙に湯たんぽ代りになって温かい。
同時にテルモスの保温もシュラフの外に置くより効率が良い。
着れるものを全部着込んでしばらくじっとしていると少し暖かくなってきた。
しかし一回寝返りうったら全てがリセット。
寒い。寒すぎる。
暮からつい先日まで長風邪をひいていたため、ずっとヌクヌクした生活をしていたから寒さに身体が適応できないのだろうか。
夜中に用足しに起きたとき、空は満天の星空でした。
星ってこんなにあったんだな。
宇宙と地球、そして自分とはつながってるんだな。
ああ、なんてちっぽけな存在なんだ…
などと感慨に耽る。
しかし、寒い。寒すぎる。
結局あまり眠れず、気がついたら朝7時半を過ぎていました。
慌てて支度をします。
テント、シュラフカバーの結露が見事に凍っていて、パンパンと払うだけできれいに取れるので楽。
食事する時間はないので、行動食だけポケットに詰め込んで出発。
行動している間は全然寒くありません。
今回下着は上下ともモンベルのジオライン中厚。
その上に、上はパタゴニアのR2、下はアルパインパンツ。
これで金峰山の稜線に出るまで全く問題なかったです。
きつい登りでは若干暑いときもありましたが、ジッパーを下げるだけで調整できました。
さて、登山道です。
全部よく踏み固められていて、歩きやすいです。
先行のみなさんに感謝です。
踏み跡なかったら最初から撤退する予定だったので助かります。
体調も万全ではないのですぐに息が上がります。
途中何十回休んだことか。
砂払いノ頭ですごい勢いで登っていく2人組のパーティーに追い越されました。
やっとの思いで稜線に出ました。
かなり遅れてると思いましたが、CTとほぼ同じなのでちょっとうれしくなります。
しかし出発が遅かったので、大弛小屋まで行くのにはぎりぎりの時間です。
10分ほど休憩してから出発。
今度は風がすごい。
寒い。
というか冷たい。冷たすぎる。
シェルを着込むが鼻が冷たい。
目だし帽はザックの奥深くです。
強風の中出すのも大変そうなので、シェルのジップを上げてきつく縛るがやっぱりカバーしきれず霜焼けになってしまいました。
そんなこんなでなんとか五丈岩までたどり着いて、一休みする間もなく東側にでます。
岩のトンネルを潜ってちょっと行くともう踏み跡はありません。
ということは大弛側からはしばらくだれも金峰山に登っていないということでしょうか。
もしかしたら東側の端には踏み跡があるかもしれないので、行ってみることにして一歩踏み出したらいきなり岩と岩の間に腰まで落ち込む。
腰まで落ちてもまだ足が下についていなかったので、ザックが引っかからなかったらどうなってたんだろうと思うとゾッとする。
危ない危ない。。。
ワカンを装着して荷物はデポしたまま東側を探索。
岩場を過ぎれば東端のケルンまではワカンなしでも行けるくらい、雪は吹きとんでいます。
しかし踏み跡はありません。
東端のケルンから朝日岳までの登山道を探しますが、わかりませんでした。
這松の上を歩いてしまうと、空身にワカンでも膝下くらいまで沈みます。
前回来たときに歩いとけばよかった。
朝日岳まではよく見えてるので行けば行けたと思いますが、そこから先は雪の状態からルートを間違えなくても3時間はかかると思われるし、朝日岳〜大弛峠間で登山道を見つけられなかったら危ないので撤退を決意。
下山途中で先行の2人パーティが「韮崎まで車で送りましょうか?」と声をかけてくれたので、お言葉に甘えて同乗させていただきました。
さらに、静岡まで帰るので国道52号を行くというので52号沿いで降ろしてもらうことになり、最終的には52号からも逸れて実家の近くコンビニまで送っていただきました。
山は寒かったですが、人の情けは温かかった山行でした。
ご無事で良かったです。正月からの異常な寒波、7日に玉川大師に御参りしながら、ふとkanemaruさんの奥秩父行きを思い出して心配していたんですよ。
一度、主脈縦走の下見で大弛小屋に行った時、ちょうど寒波が来てまして、そのときの背骨もきしむ寒さを思い出しました。
金峰山から東、冬季はホントにルートが判り難いです。小生も敗退したことがあるんです。
遺書が無用で済んで良うございました
jinzaemonさん
ご心配をお掛けいたしましたが、初日に敗退し実家で休んでました。
スミマセン。。。
jinzaemonさんでも難しいルートなら、私なんて10年早かったですね。
でも10年後は60近いという衝撃の事実!
しかし、本当に寒かったです。
でも収穫も多かったので、ちょっとまとめて日記にでも残しておこうと思います。
そういえば登山靴に関しての考察もまだまとまってないですね。。。
ところで、もし休日が合いそうでしたら一緒に冬季主脈縦走やりませんか?
今回ひやっとすることも何回かあったので、やはり単独のリスクを思い知らされました。
kanemaru
kanemaruさん
お疲れ様でした。
山に行くのを止めると聞いていたもので、てっきり中止に
なっていたのかと思っていました。
行かれての撤退なので、まだそちらの方がマシだと思い
ましたが、ご無事で何よりでした。
色々と大変だったようですね。
山行記録は細部に至るまで書かれており、判りやすいです。
笑ってはいけないと思いながらも、人の失敗談は読んでいて
面白いですね。
それに、現実の失敗なのでとても為になります。
私は、いつもヌクヌクしているのと、重いものは担げないので、
当分の間はテント泊はムリかと思われます。
onsen♨
onsenさん
どうもです。
いやー、いつもドタバタでお恥ずかしい。。。
笑い話ですよ、本当に。
でもonsenさんの体力すごいですよ。
僕なんてonsenさんのペース行ったら倒れますよ。
あ、そうだ。
今度お昼にでも銀座のシェフの店行ってみます?
kanemaru
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する