「まわれる小屋は全部巡る!」 麦草峠から北八ヶ岳南部縦走
- GPS
- --:--
- 距離
- 21.6km
- 登り
- 1,747m
- 下り
- 1,742m
コースタイム
- 山行
- 10:19
- 休憩
- 1:47
- 合計
- 12:06
・デジイチ持ちながらのハイクなので、歩きづらさ&写真撮影過多で歩みが遅い。
・特に前半にのんびりし過ぎて後半焦る結果になってしまった。
・復路の中山峠あたりで雨が強くなってきたのでレインウェアー着用。
・タイムの見積が甘く最後はヘッデン歩きとなってしまった
天候 | 晴時々曇のちに雨(涙) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
割ときれいなトイレあり 登山届は麦草ヒュッテで提出 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●ルートの大半を占める苔と原生林はとても美しいのだが、雨天が続いた泥道は歩きづらく、濡れた石と根が多いのでスリップ注意。 ●天狗の奥庭〜東天狗岳:ごーろごろの岩の連続。ガスで見通し悪いとルートロスの危険あるかも。 ●東天狗岳〜にゅう:岩が多くて思いのほか苦労した。中山峠からにゅうまでのルートで目印が少しわかりづらい所がある |
その他周辺情報 | 八峰の湯 ¥500 http://www.yahho-onsen.jp/ |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
感想
もうすぐ紅葉シーズン。色々と行きたい山々はあるのだが、ピークはもう一週間ほど後だろうと高を括っていた(実際のところは今週ピークの山多かったようだ)。最近は高山での稜線歩きが続いたので、緑溢れる原生林歩きがしてみたくなった。それならば、緑があるうちに北八ヶ岳に行こうと思い立つ。
もののけが現れそうな”苔ワールド”の北八ヶ岳。昨年南八ヶ岳を縦走した時、硫黄岳から眺めた緑の山域に想いを募らせた。今回はその縦走したルートをさらに繋いでみようと思う。
そして、八ヶ岳には数多の素敵な山小屋が点在する。レコやテレビで見た山小屋をできる限り巡ってみようとも考えた。
◆今回も惑わされた「てんくら」
いつも参考にしている「てんきとくらす」。2日間の山行を計画していたのだが、土壇場になって天気予報が変わる。先回の日帰り2DAYSの時も随分と惑わされた。色々と悩んだ挙句、取りあえず土曜日の北八ヶ岳はOkそうなので出発。
当初の予定では、稲子湯から『しらびそ小屋』『本沢温泉』を経由して硫黄岳登頂。その後天狗岳、中山、白駒池、にゅうを経由して稲子湯に戻るという周回コースを考えていた。しかし、うだうだ悩んで到着が遅れたので麦草峠から硫黄岳のピストンに変更。こちらの方がコースタイムが若干短い。
そういえば...
メルヘンロードを上がって麦草峠駐車場で少し仮眠したのだが、道中鹿が何匹も飛び出してきて焦った。夜間通る場合は要注意です。
◆今回のお楽しみ1:もののけ姫の苔ワールド!
今回のコースの大半が原生林の”苔ワールド”。長雨が続いたおかげで艶やかな緑がとても美しい。あまりの想像を絶する風景に、無駄打ちシャッターを押しまくるド素人フォトハイカーの私。結果なかなか歩みを前に進めることができなかった。後から確認すると何と300枚以上も写真撮っていた(ええ、その大半はゴミ箱行きでしたけど)。
さすがは”もののけ姫の世界”と言われるだけのことはある。今までにも苔の美しい山道は幾つかあったけど北八はBESTだ。ちょっと事前に調べたところでは、ここには485種類もの苔が生息するらしい(まぁその辺の違いは良く分かりません)。苔の量も圧倒的で”苔の絨毯”なるものを十二分に堪能できる。
少々ロマンチックな言い回しをすれば...ひとたびこの地に踏み入れば、まるで神秘とおとぎの世界に迷い込んだかのようである(ありきたりの表現しかできません)。何ともせちがない世の中、社会の垢に塗れ汚されてしまおうとも、きっとここに来れば最高の浄化装置でリフレッシュしてくれることでしょう。
ちなみにこんな団体もあるようですYO
『北八ヶ岳苔の会』http://www.kitayatsu.net/
◆今回のお楽しみ2:巡る巡る素敵な山小屋たち!
もう一つの目的が小屋を巡る山行。雄大なアルプスにも沢山の素敵な山小屋が存在するが、こじんまりとした何とも趣ある山小屋が八ヶ岳には多いと思う。今回のルートでは9つの小屋を巡ることができた。OneDayハイクでこの数はなかなか凄いのではなかろうか。
各々の山小屋の感想を少し。
★麦草ヒュッテ http://www.mugikusa.com/index.html
営業前だったので中を拝見することはできなかった。通年営業だし冬の季節に訪れるハイカーも多いのであろう。
★高見石小屋 http://www.yatsu-akadake.com/index.html
テラスのある山小屋。こちらも営業前で名物の揚げパンGETできず。手作り望遠鏡がありイベントも盛り沢山。高見石からの眺望はGOODらしいが、今回失念してスルー(涙)。ここも通年営業。
★黒百合ヒュッテ http://www.kuroyurihyutte.com/
今回もっとも楽しみにしていた山小屋。”くろゆりひゅって”という名前を初めて聞いた時から「なんて素敵なお名前...」と中年の乙女心はくすぐられた。その後、テレビやレコで見るたびに募る思い。今回やっと念願叶いました。スタッフさんが忙しそうに準備をされていたので、中に入ることに気後れしてしまい小屋の前をウロウロ。きっと怪しい不審ハイカーに映ったろうな...そいうえば不審そうな目でスタッフさん達が見ていたような気がする。結局勇気を出して室内を隠し撮り(さらに怪しい)して、山で初めて記念バッジまで購入してしまった。
★根石岳山荘 http://www004.upp.so-net.ne.jp/iou/neishi/neishi.html
根石岳と箕冠山の鞍部にある山小屋。本館と新館の2棟並んで建っている。小屋の前で巻き割していた若者スタッフに「水場ありますか?」と尋ねたところ「建物(新館)の中にあります」と案内された。親切で感じが良かった。新館は思いのほか綺麗で水洗らしきトイレもこちらにあった。旧館はザ・山小屋の雰囲気でいい感じ。
★オーレン小屋 http://www.o-ren.net/
大きな山小屋。目の前には綺麗な沢が流れていて、ビールやらジュースやらが冷やされていた。HPなども拝見したが、ちょっとした旅館みたいな充実ぶり。何かイベントをやるのでしょうか、ギター担いだ初老の方が登って来られてた。沢山のハイカーさんが小屋の前で食事などされたいて賑やかしい感じ。
★ヒュッテ夏沢 http://www.yatsugatake.gr.jp/natuzawa.html
たしか営業してなかったような気がする。山びこ荘と並んで建ってる。こちらは八ヶ岳山荘グループ。
★山びこ荘 http://www.yamabikosou.com/
小屋でモモンガやヤマネがほぼ毎日見られる動物好きにはたまらない山小屋。室内のランプも素敵。こちらもザ・山小屋といったテイストで好印象。以前テレビで放映されていたのを観たので、本物の小屋を訪れること叶って嬉しかった。勇気出して小屋の方にお尋ねすれば、昼間でも動物たちにも出会えたのだろうか?ちなみにこちらは本沢温泉グループ。
★青苔荘 http://www.kitayatsugatake-seitaisou.com/
そこそこ広いテント場が隣接。観光地にある茶屋っぽい雰囲気。
★白駒荘 http://yachiho-montblanc.com/shirakoma/index.html
白駒池のほとりにある情緒ある山小屋(というよりは茶屋&山荘っぽい)。到着した時はちょうど夕食の時間だったようで、池に面した大きな窓ガラスから中が丸見えだった。山荘前にはベンチがあってボートも繋がれていた。池を見ながらのティータイムはいいでしょうね。
他にも個性豊かな山小屋が八ヶ岳にはある(”遠い飲み屋”とか”傾いた小屋”とかね)ので、機会があったらまた巡ってみたいものだ。
◆楽しかった...でも悪戦苦闘の連続だった今回の山行
今回は標高約2100mの麦草峠から標高2760m硫黄岳への折り返しピストン。単純な標高差なら660mほどなので距離はあっても楽勝だろうと思っていた。さらに”北八ヶ岳は初心者向き”との情報を信じて少々舐めていた。実際のところはそれほど甘くなかったのである。
第1の悪戦苦闘は、その景観の美しさの反面、一日中精神的に疲労させられた泥水と濡れた石の連続。泥水を避けられないような箇所には丸太が置かれており、ちょっとしたアスレチック気分も味わう。でも、絶対に落ちるわけにはいかないので軽い緊張が何度も走る。途中、完全に池と化したところもあって「あっ、詰んだな...」と一瞬思ったくらいだ。
第2の悪戦苦闘は、岩ごーろごろ地帯。具体的には天狗の奥庭〜東天狗岳、東天狗岳〜中山峠あたり。特に前者がきつかった。岩大好きっ子にはたまらないかもしれないが、先を急ぐ私には飛び石歩行は面倒だった。
第3の悪戦苦闘は、STOP&GOが多すぎてペース調整がおかしなことになった事。これは自業自得なのだが、苔が綺麗すぎて何度も立ち止まって愛でてしまう。そして山小屋に着く度に小休止。今回は苔と小屋巡りが大きな目的なのでもちろんOKなのだが、そのしわ寄せはハイペース歩きで補うことになる。前述のような登山道状況なので、頑張った割には大した短縮にはつながらなかった。
まだまだあります第4の悪戦苦闘は、ずばり天候不良。最初は晴間も見えていたが、徐々に天候悪化。ガスと強風が吹き荒れる場面もあり、最後にはレインウェアを着る羽目になった。最初は短パンで行こうとしていたが、スタート直前に思い直して長ズボンにして本当に良かった。無論、この日短パン野郎は皆無。先回の山行までは暑さでヒイヒイ言っていたのに、この変わりようにはちょっと体調崩されたかもしれない。
最後の悪戦苦闘は、薄暗い森が薄気味悪くて何度も周囲を確認してしまうチキンぶり。よせばいいのに最後に「にゅう」経由のコースを選択してしまった。中山峠からにゅうへの分岐辺りでハイカーさんも多くなり、雨も小降りになっていた。そこで気を大きくしてしまい無理してしまった。にゅうへの登山道は途中から少々目印が分かりづらくなり、暗い闇が森を覆い始める。樹林帯での日暮れは思いのほか早く訪れることは分かっていたはずなのに...。美しかった”もののけ姫の世界”がおどろおどろしい”リアル物の怪の世界”に変化して行く。不安と心細さが心を蝕むし、強風が木々を揺らすたびに森が生きているようで何とも言いがたい雰囲気だった。
...とまぁ色々重なって最後はヘッデン歩きになってしまった。スタート事態も遅かったとはいえ、こんなにもタイムを見余ったのは久方ぶりのことだ。
◆最後はあとがき
各峰の山頂の展望がイマイチだったし、悪戦苦闘の愚痴もダラダラと書いた。でも、とても充実した楽しい山行だったので十分満足している。
実のところ2日目も北八ヶ岳を予定していた。今度は麦草峠から茶臼山、縞枯山、北横岳を経由して最後は蓼科山で折り返し。復路は稜線の東側のお池巡りをしながら麦草峠に戻る周回コース。「これで北八ヶ岳制覇だぁ」といきたかったのだが、一日中原生林と苔ワールドを歩き続け少々飽きてしまった。しかも、明日もあの泥水との格闘があるかと思うとうんざり。
「明日はまったく違う山容を歩きたい!!」との強い欲望から3時間以上も車を飛ばし、なんと富士山に向かうという疲れ知らずの中年ソロハイカーであった。
その後結局のところは、
道の駅『朝霧高原』で力尽き富士宮口まではたどり着けなかった...
北八の小屋巡りとは…さすがっ!…目のつけどころが違いますね
…小屋ごとに撮影休憩してたらそりゃ時間もかかりますわなぁ…
北八は冬がいいと思っていますが、苔ワールドもいいですね。
とくに雨降りなんか…写真好きにはたまらんでしょう。
ちなみに…
わたしの泊まったことがあるのは高見石小屋だけ。この春に。
(白駒荘に泊まりたかったけど、たまたまお休みだった)
あと、黒ユリで幕営したなぁ…。
北八ってロマンテックです…白駒池でテント張ったら楽しそう…。
…力つきてるのに、富士山は登れるのかなぁ…
akakiriusagi さん こんにちは
そうなんです...
道中苔の写真撮りまくり、
小屋寄る毎に室内確認したりしてたら時間かかりました
スタートも遅いし完全に舐めていましたね。
北八と言えば冬山の登竜門的なイメージありますよね。
でも、
この地域の苔は世界的にも有名らしいですよ。
akakiriusagi さんのおっしゃる通り、
北八は何となくロマンチックな感じしますよね。
せかせか歩かず、
のんびり風景に浸りながら歩くべき所なのでしょうね
高見石小屋に泊まられたようですが、
揚げパンは食べたのかなぁ
こんばんは。
この様な企画は好きです!
前回の恵那山のように中々思いつかないコースや、
今回の小屋巡りなんて発想が面白いです。
私も北八は歩いた事ないんで、苔ワールド体験してみたいな。
計画するときは、山行前に雨が降っていないことを条件にします。
次も楽しいプラン期待していますよ!
今回もログは頂きました。
rupmoさん こんにちは
Onedayハイクばかりの私なので、
山小屋にちょっと憧れみたいなものを持っているのかもしれません。
特に北八の森にたたずむ山小屋には素敵なイメージを持っていました。
今回立ち寄った軒数が多すぎて、
のんびりする間がなかったのが悔やまれます。
まぁこの計画を立てた時点で分かっていたことですけど
北八はもっとゆったりと歩くべき所なのでしょうね...
拙い写真では伝わらないと思いますので、
他のフォトハイカーさんのㇾコを参考にしていただきたいです。
写真より何百倍も美しい苔ワールドですので、
是非行ってみてください
先日NHKのにっぽん百名山という番組で八ヶ岳がやってたのですが、ここら辺も歩いていたと思いました。
ここの麦草峠とからへんはコケが凄い綺麗らしくて素晴らしいなと思っていました。
苔ワールドってホント綺麗ですね。
そして全山小屋制覇もなんか面白いですね。
しかし 凄い距離を1日で歩かれたんですね。 しかもぬかるみや滑りそうな感じの所は怖くて歩きにくいからそれが続くと嫌になってしまいますね。
さらには、また富士山に登ろうってそういう気分になるとは恐れ入りましたw
meucoracaoさん こんにちは
「にっぽん百名山」私もいつも観てます。
八ヶ岳は何故か録画失敗していて北八ヶ岳の部分のみでした
原生林と苔は本当に神秘的で美しかったです。
森にたたずむ小屋も素敵でした。
もしよければ是非行ってみてください。
私の拙いレコよりも
meucoracaoさんの動画の方が素晴らしさも伝わると思いますしね
少々歩きづらい点を強調し過ぎましたね
もともとウェットな所だとは思いますが、
今回は台風やら長雨やらで特別酷かったのではないかと思います。
危険個所は少ないルートですのでご安心ください。
お疲れ様です!めっちゃ楽しそうな山行ですねー!
まさかメインが山小屋になるとは思いませんでした!
でも八ヶ岳全体が山小屋多いからできる楽しい山行ですね!
わたしもこのコースは一度チャレンジしてみたいです(二日かかりそうですが。。。)
またレコ楽しみにしてますね〜(*´▽`*)
matako0530さん こんにちは
おっしゃるとおり
北八だからこその山行だったと思います。
このルート歩かれる際には、
私のようにせかせか歩かず
ゆったり堪能されることをお勧めしますよ
こちらもmatako0530のレコ拝見してます。
当初は木曽駒も候補にありました。
一応今週末あたり木曽駒と考えていましたが、
天気も怪しいし紅葉もイマイチとのこと...
どうしようかなぁ
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