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Yamareco

記録ID: 968619
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

「まわれる小屋は全部巡る!」 麦草峠から北八ヶ岳南部縦走

2016年09月24日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
21.6km
登り
1,747m
下り
1,742m

コースタイム

日帰り
山行
10:19
休憩
1:47
合計
12:06
6:23
0
スタート地点
6:23
6:23
2
麦草峠駐車場
6:25
6:26
109
麦草ヒュッテ
8:15
8:27
21
中山展望台
8:48
8:48
7
中山峠
8:55
9:23
57
黒百合ヒュッテ
10:20
10:25
14
東天狗岳
10:39
10:44
15
西天狗岳
10:59
11:00
16
東天狗岳
11:16
11:17
6
根石岳
11:23
11:30
28
根石岳山荘
11:58
12:05
59
オーレン小屋
13:04
13:14
22
硫黄岳
13:36
13:48
34
山彦荘
14:22
14:22
27
根石岳山荘
14:49
14:50
35
東天狗岳
15:25
15:25
62
中山峠
16:27
16:36
54
にゅう
17:30
17:32
13
青苔荘
17:45
17:51
35
白駒荘
18:26
18:26
3
麦草ヒュッテ
18:29
18:29
0
麦草峠駐車場
18:29
ゴール地点
※GPSログはヤマプラからダウンロード
・デジイチ持ちながらのハイクなので、歩きづらさ&写真撮影過多で歩みが遅い。
・特に前半にのんびりし過ぎて後半焦る結果になってしまった。
・復路の中山峠あたりで雨が強くなってきたのでレインウェアー着用。
・タイムの見積が甘く最後はヘッデン歩きとなってしまった
天候 晴時々曇のちに雨(涙)
過去天気図(気象庁) 2016年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
麦草峠駐車場
割ときれいなトイレあり 登山届は麦草ヒュッテで提出
コース状況/
危険箇所等
●ルートの大半を占める苔と原生林はとても美しいのだが、雨天が続いた泥道は歩きづらく、濡れた石と根が多いのでスリップ注意。

●天狗の奥庭〜東天狗岳:ごーろごろの岩の連続。ガスで見通し悪いとルートロスの危険あるかも。

●東天狗岳〜にゅう:岩が多くて思いのほか苦労した。中山峠からにゅうまでのルートで目印が少しわかりづらい所がある


その他周辺情報 八峰の湯 ¥500
http://www.yahho-onsen.jp/
予約できる山小屋
黒百合ヒュッテ
朝の駐車場。多くの方は既に出発済み(汗)
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朝の駐車場。多くの方は既に出発済み(汗)
まずは1つ目の山荘『麦草ヒュッテ』。まだ営業前。
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まずは1つ目の山荘『麦草ヒュッテ』。まだ営業前。
長雨の後で艶やか。期待通りの”苔ワールド”の始まり始まり
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長雨の後で艶やか。期待通りの”苔ワールド”の始まり始まり
濡れた岩とドロドロ道で凄く歩きづらい(一日中悩まされることになる)...でも”原生林”&”苔ワールド”は本当に美しいです。
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濡れた岩とドロドロ道で凄く歩きづらい(一日中悩まされることになる)...でも”原生林”&”苔ワールド”は本当に美しいです。
2つ目の山荘『高見石小屋』。テラスが素敵。名物の揚げパンは営業前で叶わず。手作り望遠鏡が有名。高見石に上がるのを失念...
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2つ目の山荘『高見石小屋』。テラスが素敵。名物の揚げパンは営業前で叶わず。手作り望遠鏡が有名。高見石に上がるのを失念...
泥水と丸太。随所でアスレチック気分が味わえます!
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泥水と丸太。随所でアスレチック気分が味わえます!
そして道が水没。
詰んだ...(と一瞬思いました)
3
そして道が水没。
詰んだ...(と一瞬思いました)
まだまだ続くよ”苔ワールド”
4
まだまだ続くよ”苔ワールド”
苔...何度も見とれて歩み進まない
2
苔...何度も見とれて歩み進まない
そしてまた、
詰んだ...(と一瞬思った2回目)
2
そしてまた、
詰んだ...(と一瞬思った2回目)
展望が開けた!
麦草峠から向こうの北八の峰々
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麦草峠から向こうの北八の峰々
天狗岳方面も素晴らしい
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天狗岳方面も素晴らしい
さらに続くよ”苔ワールド”。相変わらず泥水だけど...
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さらに続くよ”苔ワールド”。相変わらず泥水だけど...
分岐毎に案内があって安心です。黒百合ヒュッテ目指します
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分岐毎に案内があって安心です。黒百合ヒュッテ目指します
水面に苔
おお!憧れの『黒百合ヒュッテ』。3つ目の山小屋。
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おお!憧れの『黒百合ヒュッテ』。3つ目の山小屋。
看板がおしゃれ
ストーブとハンモックがいい。準備で忙しくされているスタッフさん達。小心者の私は中で休憩させてもらうことに気後れしてしまう。
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ストーブとハンモックがいい。準備で忙しくされているスタッフさん達。小心者の私は中で休憩させてもらうことに気後れしてしまう。
嬉しくて初めて山バッジ買っちゃいました。
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嬉しくて初めて山バッジ買っちゃいました。
先がまだまだあるのに長居し過ぎたようだ。さようなら『黒百合ヒュッテ』また来ます!
先がまだまだあるのに長居し過ぎたようだ。さようなら『黒百合ヒュッテ』また来ます!
天狗の奥庭から岩ごーろごろ。難儀します。
天狗の奥庭から岩ごーろごろ。難儀します。
東天狗岳登頂。西天狗岳を望む。ガスってるけど行ってきます。
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東天狗岳登頂。西天狗岳を望む。ガスってるけど行ってきます。
天狗岳最高峰に無事登頂。
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天狗岳最高峰に無事登頂。
西天狗岳山頂は人がいっぱい。こちらの方が広くて休憩しやすいしね。
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西天狗岳山頂は人がいっぱい。こちらの方が広くて休憩しやすいしね。
そして東天狗岳を登り返す。
そして東天狗岳を登り返す。
東天狗岳から岩場を下って根石岳を目指す
東天狗岳から岩場を下って根石岳を目指す
根石岳を少し下りて4つ目の山小屋『根石岳山荘』
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根石岳を少し下りて4つ目の山小屋『根石岳山荘』
こちらにも素敵な看板があった
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こちらにも素敵な看板があった
水場をお聞きしたところ、室内にありました。
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水場をお聞きしたところ、室内にありました。
こじんまりとしていますが”ザ・山小屋”といった感じのテイストですね
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こじんまりとしていますが”ザ・山小屋”といった感じのテイストですね
ここから一旦森に入ってまた『苔ワールド』復活!でも少し飽きてきたかも...
ここから一旦森に入ってまた『苔ワールド』復活!でも少し飽きてきたかも...
5つ目の山荘『オーレン小屋』
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5つ目の山荘『オーレン小屋』
目の前の沢でビールとかジュース冷やしてた
2
目の前の沢でビールとかジュース冷やしてた
室内は小奇麗で広い
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室内は小奇麗で広い
売店も充実
ここから硫黄岳への登りがきつかった。『苔ワールド』は相変わらず続く。
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ここから硫黄岳への登りがきつかった。『苔ワールド』は相変わらず続く。
登り切れば南八ヶ岳の荒々しい山容がどーん!!
登り切れば南八ヶ岳の荒々しい山容がどーん!!
硫黄岳山頂までのラストスパート
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硫黄岳山頂までのラストスパート
約一年ぶりの硫黄岳はガスと暴風の世界...さむいです
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約一年ぶりの硫黄岳はガスと暴風の世界...さむいです
折り返しゴールなので一応記念写真
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折り返しゴールなので一応記念写真
お約束の爆裂火口
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お約束の爆裂火口
硫黄岳から下ると夏沢ヒュッテの青い屋根が見えた
硫黄岳から下ると夏沢ヒュッテの青い屋根が見えた
本日6&7つ目の山小屋『山びこ荘』『夏沢ヒュッテ』(写真失念)が並ぶ。それぞれ経営母体が違う
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本日6&7つ目の山小屋『山びこ荘』『夏沢ヒュッテ』(写真失念)が並ぶ。それぞれ経営母体が違う
動物好きにはたまらない『山びこ荘』
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動物好きにはたまらない『山びこ荘』
天気が下り気味で少々薄暗い室内。でも落着いた雰囲気
天気が下り気味で少々薄暗い室内。でも落着いた雰囲気
根石岳山荘分岐まで戻った。また根石岳登る
根石岳山荘分岐まで戻った。また根石岳登る
そして、また東天狗岳登る
そして、また東天狗岳登る
東天狗岳山頂から「ありがとう南八ヶ岳の峰々よ」
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東天狗岳山頂から「ありがとう南八ヶ岳の峰々よ」
時間と天候がやばいけどまだ先は長い。この後の中山峠まで岩が多くて嫌らしかった
時間と天候がやばいけどまだ先は長い。この後の中山峠まで岩が多くて嫌らしかった
中山峠からまた『苔ワールド』。そして泥水&濡れた石...
中山峠からまた『苔ワールド』。そして泥水&濡れた石...
マリオに出てきそうな立派なキノコ。食べたら1UP(いや1DOWNだな)
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マリオに出てきそうな立派なキノコ。食べたら1UP(いや1DOWNだな)
よせばいいのに『にゅう』まで来ちゃった
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よせばいいのに『にゅう』まで来ちゃった
『にゅう』の岩場からは断崖絶壁
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『にゅう』の岩場からは断崖絶壁
薄暗くなってきた『にゅうの森』(実際はもっと暗い)。徐々に心細くなってくる
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薄暗くなってきた『にゅうの森』(実際はもっと暗い)。徐々に心細くなってくる
ここまで来て一安心
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ここまで来て一安心
やっとやっと白駒池に着いたぁ〜薄暗い森歩きが長かった
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やっとやっと白駒池に着いたぁ〜薄暗い森歩きが長かった
ここまで来たら池をぐるっと回って『青苔荘』も寄ります!
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ここまで来たら池をぐるっと回って『青苔荘』も寄ります!
この辺りの『苔ワールド』も凄かった。白駒池駐車場から近いので是非お薦めですね。
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この辺りの『苔ワールド』も凄かった。白駒池駐車場から近いので是非お薦めですね。
8つ目の山荘『青苔荘』
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8つ目の山荘『青苔荘』
美しい夕焼けの白駒池をご覧ください
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9つ目ラストは『白駒荘』。中では宿泊者さん達が夕食をされてました。
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予定時間を大幅オーバーで反省点も残るが、疲労と達成感で感無量
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麦草峠までメルヘンロード(車道)を歩けば良いものを山道を選択。一気に暗くなってヘッデン歩き。しかも途中から木道がなくなって最後もマッドロードに...
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戻ってきました麦草ヒュッテ。お疲れ様でした
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戻ってきました麦草ヒュッテ。お疲れ様でした
今回の戦利品

感想

もうすぐ紅葉シーズン。色々と行きたい山々はあるのだが、ピークはもう一週間ほど後だろうと高を括っていた(実際のところは今週ピークの山多かったようだ)。最近は高山での稜線歩きが続いたので、緑溢れる原生林歩きがしてみたくなった。それならば、緑があるうちに北八ヶ岳に行こうと思い立つ。

もののけが現れそうな”苔ワールド”の北八ヶ岳。昨年南八ヶ岳を縦走した時、硫黄岳から眺めた緑の山域に想いを募らせた。今回はその縦走したルートをさらに繋いでみようと思う。

そして、八ヶ岳には数多の素敵な山小屋が点在する。レコやテレビで見た山小屋をできる限り巡ってみようとも考えた。


◆今回も惑わされた「てんくら」
いつも参考にしている「てんきとくらす」。2日間の山行を計画していたのだが、土壇場になって天気予報が変わる。先回の日帰り2DAYSの時も随分と惑わされた。色々と悩んだ挙句、取りあえず土曜日の北八ヶ岳はOkそうなので出発。

当初の予定では、稲子湯から『しらびそ小屋』『本沢温泉』を経由して硫黄岳登頂。その後天狗岳、中山、白駒池、にゅうを経由して稲子湯に戻るという周回コースを考えていた。しかし、うだうだ悩んで到着が遅れたので麦草峠から硫黄岳のピストンに変更。こちらの方がコースタイムが若干短い。

そういえば...
メルヘンロードを上がって麦草峠駐車場で少し仮眠したのだが、道中鹿が何匹も飛び出してきて焦った。夜間通る場合は要注意です。



◆今回のお楽しみ1:もののけ姫の苔ワールド!
今回のコースの大半が原生林の”苔ワールド”。長雨が続いたおかげで艶やかな緑がとても美しい。あまりの想像を絶する風景に、無駄打ちシャッターを押しまくるド素人フォトハイカーの私。結果なかなか歩みを前に進めることができなかった。後から確認すると何と300枚以上も写真撮っていた(ええ、その大半はゴミ箱行きでしたけど)。

さすがは”もののけ姫の世界”と言われるだけのことはある。今までにも苔の美しい山道は幾つかあったけど北八はBESTだ。ちょっと事前に調べたところでは、ここには485種類もの苔が生息するらしい(まぁその辺の違いは良く分かりません)。苔の量も圧倒的で”苔の絨毯”なるものを十二分に堪能できる。

少々ロマンチックな言い回しをすれば...ひとたびこの地に踏み入れば、まるで神秘とおとぎの世界に迷い込んだかのようである(ありきたりの表現しかできません)。何ともせちがない世の中、社会の垢に塗れ汚されてしまおうとも、きっとここに来れば最高の浄化装置でリフレッシュしてくれることでしょう。

ちなみにこんな団体もあるようですYO
『北八ヶ岳苔の会』http://www.kitayatsu.net/



◆今回のお楽しみ2:巡る巡る素敵な山小屋たち!
もう一つの目的が小屋を巡る山行。雄大なアルプスにも沢山の素敵な山小屋が存在するが、こじんまりとした何とも趣ある山小屋が八ヶ岳には多いと思う。今回のルートでは9つの小屋を巡ることができた。OneDayハイクでこの数はなかなか凄いのではなかろうか。

各々の山小屋の感想を少し。

★麦草ヒュッテ http://www.mugikusa.com/index.html
営業前だったので中を拝見することはできなかった。通年営業だし冬の季節に訪れるハイカーも多いのであろう。


★高見石小屋 http://www.yatsu-akadake.com/index.html
テラスのある山小屋。こちらも営業前で名物の揚げパンGETできず。手作り望遠鏡がありイベントも盛り沢山。高見石からの眺望はGOODらしいが、今回失念してスルー(涙)。ここも通年営業。


★黒百合ヒュッテ http://www.kuroyurihyutte.com/
今回もっとも楽しみにしていた山小屋。”くろゆりひゅって”という名前を初めて聞いた時から「なんて素敵なお名前...」と中年の乙女心はくすぐられた。その後、テレビやレコで見るたびに募る思い。今回やっと念願叶いました。スタッフさんが忙しそうに準備をされていたので、中に入ることに気後れしてしまい小屋の前をウロウロ。きっと怪しい不審ハイカーに映ったろうな...そいうえば不審そうな目でスタッフさん達が見ていたような気がする。結局勇気を出して室内を隠し撮り(さらに怪しい)して、山で初めて記念バッジまで購入してしまった。


★根石岳山荘 http://www004.upp.so-net.ne.jp/iou/neishi/neishi.html
根石岳と箕冠山の鞍部にある山小屋。本館と新館の2棟並んで建っている。小屋の前で巻き割していた若者スタッフに「水場ありますか?」と尋ねたところ「建物(新館)の中にあります」と案内された。親切で感じが良かった。新館は思いのほか綺麗で水洗らしきトイレもこちらにあった。旧館はザ・山小屋の雰囲気でいい感じ。


★オーレン小屋 http://www.o-ren.net/
大きな山小屋。目の前には綺麗な沢が流れていて、ビールやらジュースやらが冷やされていた。HPなども拝見したが、ちょっとした旅館みたいな充実ぶり。何かイベントをやるのでしょうか、ギター担いだ初老の方が登って来られてた。沢山のハイカーさんが小屋の前で食事などされたいて賑やかしい感じ。


★ヒュッテ夏沢 http://www.yatsugatake.gr.jp/natuzawa.html
たしか営業してなかったような気がする。山びこ荘と並んで建ってる。こちらは八ヶ岳山荘グループ。


★山びこ荘 http://www.yamabikosou.com/
小屋でモモンガやヤマネがほぼ毎日見られる動物好きにはたまらない山小屋。室内のランプも素敵。こちらもザ・山小屋といったテイストで好印象。以前テレビで放映されていたのを観たので、本物の小屋を訪れること叶って嬉しかった。勇気出して小屋の方にお尋ねすれば、昼間でも動物たちにも出会えたのだろうか?ちなみにこちらは本沢温泉グループ。


★青苔荘 http://www.kitayatsugatake-seitaisou.com/
そこそこ広いテント場が隣接。観光地にある茶屋っぽい雰囲気。


★白駒荘 http://yachiho-montblanc.com/shirakoma/index.html
白駒池のほとりにある情緒ある山小屋(というよりは茶屋&山荘っぽい)。到着した時はちょうど夕食の時間だったようで、池に面した大きな窓ガラスから中が丸見えだった。山荘前にはベンチがあってボートも繋がれていた。池を見ながらのティータイムはいいでしょうね。


他にも個性豊かな山小屋が八ヶ岳にはある(”遠い飲み屋”とか”傾いた小屋”とかね)ので、機会があったらまた巡ってみたいものだ。



◆楽しかった...でも悪戦苦闘の連続だった今回の山行
今回は標高約2100mの麦草峠から標高2760m硫黄岳への折り返しピストン。単純な標高差なら660mほどなので距離はあっても楽勝だろうと思っていた。さらに”北八ヶ岳は初心者向き”との情報を信じて少々舐めていた。実際のところはそれほど甘くなかったのである。

第1の悪戦苦闘は、その景観の美しさの反面、一日中精神的に疲労させられた泥水と濡れた石の連続。泥水を避けられないような箇所には丸太が置かれており、ちょっとしたアスレチック気分も味わう。でも、絶対に落ちるわけにはいかないので軽い緊張が何度も走る。途中、完全に池と化したところもあって「あっ、詰んだな...」と一瞬思ったくらいだ。

第2の悪戦苦闘は、岩ごーろごろ地帯。具体的には天狗の奥庭〜東天狗岳、東天狗岳〜中山峠あたり。特に前者がきつかった。岩大好きっ子にはたまらないかもしれないが、先を急ぐ私には飛び石歩行は面倒だった。

第3の悪戦苦闘は、STOP&GOが多すぎてペース調整がおかしなことになった事。これは自業自得なのだが、苔が綺麗すぎて何度も立ち止まって愛でてしまう。そして山小屋に着く度に小休止。今回は苔と小屋巡りが大きな目的なのでもちろんOKなのだが、そのしわ寄せはハイペース歩きで補うことになる。前述のような登山道状況なので、頑張った割には大した短縮にはつながらなかった。

まだまだあります第4の悪戦苦闘は、ずばり天候不良。最初は晴間も見えていたが、徐々に天候悪化。ガスと強風が吹き荒れる場面もあり、最後にはレインウェアを着る羽目になった。最初は短パンで行こうとしていたが、スタート直前に思い直して長ズボンにして本当に良かった。無論、この日短パン野郎は皆無。先回の山行までは暑さでヒイヒイ言っていたのに、この変わりようにはちょっと体調崩されたかもしれない。

最後の悪戦苦闘は、薄暗い森が薄気味悪くて何度も周囲を確認してしまうチキンぶり。よせばいいのに最後に「にゅう」経由のコースを選択してしまった。中山峠からにゅうへの分岐辺りでハイカーさんも多くなり、雨も小降りになっていた。そこで気を大きくしてしまい無理してしまった。にゅうへの登山道は途中から少々目印が分かりづらくなり、暗い闇が森を覆い始める。樹林帯での日暮れは思いのほか早く訪れることは分かっていたはずなのに...。美しかった”もののけ姫の世界”がおどろおどろしい”リアル物の怪の世界”に変化して行く。不安と心細さが心を蝕むし、強風が木々を揺らすたびに森が生きているようで何とも言いがたい雰囲気だった。

...とまぁ色々重なって最後はヘッデン歩きになってしまった。スタート事態も遅かったとはいえ、こんなにもタイムを見余ったのは久方ぶりのことだ。



◆最後はあとがき
各峰の山頂の展望がイマイチだったし、悪戦苦闘の愚痴もダラダラと書いた。でも、とても充実した楽しい山行だったので十分満足している。

実のところ2日目も北八ヶ岳を予定していた。今度は麦草峠から茶臼山、縞枯山、北横岳を経由して最後は蓼科山で折り返し。復路は稜線の東側のお池巡りをしながら麦草峠に戻る周回コース。「これで北八ヶ岳制覇だぁ」といきたかったのだが、一日中原生林と苔ワールドを歩き続け少々飽きてしまった。しかも、明日もあの泥水との格闘があるかと思うとうんざり。

「明日はまったく違う山容を歩きたい!!」との強い欲望から3時間以上も車を飛ばし、なんと富士山に向かうという疲れ知らずの中年ソロハイカーであった。

その後結局のところは、
道の駅『朝霧高原』で力尽き富士宮口まではたどり着けなかった...








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コメント

なるほど…
北八の小屋巡りとは…さすがっ!…目のつけどころが違いますね
…小屋ごとに撮影休憩してたらそりゃ時間もかかりますわなぁ…

北八は冬がいいと思っていますが、苔ワールドもいいですね。
とくに雨降りなんか…写真好きにはたまらんでしょう。
ちなみに…
わたしの泊まったことがあるのは高見石小屋だけ。この春に。
(白駒荘に泊まりたかったけど、たまたまお休みだった)
あと、黒ユリで幕営したなぁ…。
北八ってロマンテックです…白駒池でテント張ったら楽しそう…。

…力つきてるのに、富士山は登れるのかなぁ…
2016/9/28 7:27
Re: なるほど…
akakiriusagi さん こんにちは

そうなんです...
道中苔の写真撮りまくり、
小屋寄る毎に室内確認したりしてたら時間かかりました
スタートも遅いし完全に舐めていましたね。

北八と言えば冬山の登竜門的なイメージありますよね。
でも、
この地域の苔は世界的にも有名らしいですよ。

akakiriusagi さんのおっしゃる通り、
北八は何となくロマンチックな感じしますよね。
せかせか歩かず、
のんびり風景に浸りながら歩くべき所なのでしょうね

高見石小屋に泊まられたようですが、
揚げパンは食べたのかなぁ
2016/9/29 5:03
ナイスプラン!
こんばんは。
この様な企画は好きです!
前回の恵那山のように中々思いつかないコースや、
今回の小屋巡りなんて発想が面白いです。
私も北八は歩いた事ないんで、苔ワールド体験してみたいな。
計画するときは、山行前に雨が降っていないことを条件にします。
次も楽しいプラン期待していますよ!
今回もログは頂きました。
2016/9/28 20:33
Re: ナイスプラン!
rupmoさん こんにちは

Onedayハイクばかりの私なので、
山小屋にちょっと憧れみたいなものを持っているのかもしれません。
特に北八の森にたたずむ山小屋には素敵なイメージを持っていました。

今回立ち寄った軒数が多すぎて、
のんびりする間がなかったのが悔やまれます。
まぁこの計画を立てた時点で分かっていたことですけど
北八はもっとゆったりと歩くべき所なのでしょうね...

拙い写真では伝わらないと思いますので、
他のフォトハイカーさんのㇾコを参考にしていただきたいです。
写真より何百倍も美しい苔ワールドですので、
是非行ってみてください
2016/9/29 5:20
いいところですね
先日NHKのにっぽん百名山という番組で八ヶ岳がやってたのですが、ここら辺も歩いていたと思いました。
ここの麦草峠とからへんはコケが凄い綺麗らしくて素晴らしいなと思っていました。
苔ワールドってホント綺麗ですね。
そして全山小屋制覇もなんか面白いですね。 
しかし 凄い距離を1日で歩かれたんですね。 しかもぬかるみや滑りそうな感じの所は怖くて歩きにくいからそれが続くと嫌になってしまいますね。
さらには、また富士山に登ろうってそういう気分になるとは恐れ入りましたw
2016/9/29 11:54
Re: いいところですね
meucoracaoさん こんにちは

「にっぽん百名山」私もいつも観てます。
八ヶ岳は何故か録画失敗していて北八ヶ岳の部分のみでした

原生林と苔は本当に神秘的で美しかったです。
森にたたずむ小屋も素敵でした。
もしよければ是非行ってみてください。
私の拙いレコよりも
meucoracaoさんの動画の方が素晴らしさも伝わると思いますしね

少々歩きづらい点を強調し過ぎましたね
もともとウェットな所だとは思いますが、
今回は台風やら長雨やらで特別酷かったのではないかと思います。
危険個所は少ないルートですのでご安心ください。
2016/9/29 15:33
北八小屋巡り!
お疲れ様です!めっちゃ楽しそうな山行ですねー!
まさかメインが山小屋になるとは思いませんでした!
でも八ヶ岳全体が山小屋多いからできる楽しい山行ですね!
わたしもこのコースは一度チャレンジしてみたいです(二日かかりそうですが。。。)
またレコ楽しみにしてますね〜(*´▽`*)
2016/9/29 21:03
Re: 北八小屋巡り!
matako0530さん こんにちは

おっしゃるとおり
北八だからこその山行だったと思います。

このルート歩かれる際には、
私のようにせかせか歩かず
ゆったり堪能されることをお勧めしますよ

こちらもmatako0530のレコ拝見してます。
当初は木曽駒も候補にありました。
一応今週末あたり木曽駒と考えていましたが、
天気も怪しいし紅葉もイマイチとのこと...
どうしようかなぁ
2016/9/30 1:16
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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