室堂〜立山〜劔岳〜室堂
- GPS
- 15:05
- 距離
- 18.8km
- 登り
- 2,105m
- 下り
- 2,140m
コースタイム
29日: 劔沢0500-0530剣山荘-0745劔岳山頂0810-1040劔沢
30日: 劔沢0600-0650別山乗越-0720別山0800-0830別山乗越-0940みくりが池温泉
天候 | 28日: 雨 夜雷雨 29日: 曇のち雨 30日: 曇のち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2008年08月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
劔岳への別山尾根登山道は危険箇所が多数あるが道は良く整備されている。 室堂近くには温泉や飲食施設が多数ある。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
室堂を出て10分も経たないうちに雨が降り出した。しばらくして雨具を装着し,カメラもしまい込んだ。小学生の団体を追い越して雄山の頂上に至ると思いの外寒い。神社でしばらく暖をとってから縦走路に向かった。
大汝山を越えて雨は本降りに。何も見えない。雷鳥沢に下って温泉にでも入りたくなる気持ちを抑え,とりあえず内蔵助山荘に避難した。ここに泊まってしまおうかという誘惑を振り切って再び雨の縦走路へ。次第に室堂側が見渡せるようになってきた。雨も止み,別山山頂からは一瞬だけ劔が見えた。希望が湧いてきた。
劔沢へ下ってテントを張っていると再び雨が降ってきた。いきなりテントの内側まで湿る。やや気分が萎えた。とりあえず腹を満たしてまどろんでいると劔がその全貌を現した。峻厳,雄大,明日はなんとしても登りたいと思った。
雷鳴に目を覚ました。フライシートを横殴りにたたく雨音。テントの中まで照らし出す稲光。明日は温泉に入って下山かなと半ば諦めた。靴下が少し濡れていたため下半身が異様に寒い。眠ることを放棄して新田次郎の劔岳・点の記を読んでいた。当時に比べればこれくらい何でもない。次第に雨足が弱まった。行けるところまで行ってみよう。アタックザックに必要なものを詰め込みテントを後にした。
視界はよく,頂上まで見通せた。一服劔あたりでは小雨。やばくなったら必ず引き返すと心に決めて先へ進む。岩は濡れているが登りはわりと平気。下るときには乾いていて欲しい。“長次郎と天狗しか通れな”かったと思われるトラバースにも現在は足場が刻まれ鎖が廻らせてあるのでだいじょうぶ。そうこうするうちに前劔を越えてカニのタテバイへ。角度は急だがホールドは明確だ。心地よい緊張感と共に登り詰めた。さらに鎖場を越えていざ頂上へ。360度遮るものなくまさに“日本中の山を見渡せるような”光景が広がっていた。
気が済むまで写真を撮って下山開始。ところどころ緊張する箇所はあったものの,岩も程良く乾いてきており快調に下る。日が照ってきて暑ささえ感じたが下りきったあたりで再び雨が降ってきた。
登るのは無理かもしれないと思っていたが,最高の見晴らしというおまけまで付いてきた。幸運だった。テントで雷雨に耐えた甲斐があったというものだ。
翌日は再び別山に登り,劔を撮ろうと試みた。ずっとガスの中だったが,5分間だけ緞帳が上がった。夢中でシャッターを切った。最高のショーだった。
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