憧れの冬の西穂高岳登頂−単独日帰り−
- GPS
- 05:36
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 979m
- 下り
- 982m
コースタイム
- 山行
- 4:26
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 5:33
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
※注:2月7日現在、新穂高ロープウェイ第1ロープウェイが運休中のため、臨時で鍋平駐車場が開放されている。普段、冬季は鍋平駐車場は閉鎖されているので、第1ロープウェイの新穂高温泉駅隣接の駐車場に駐車して第1ロープウェイから乗ることとなる。 ・ロープウェイ料金 第1・第2ロープウェイ連絡(新穂高温泉〜西穂高口)2,900円 第2ロープウェイ(しらかば平〜西穂高口)2,800円 ※往復はモンベルカード提示で300円割引あり。 ・荷物料 6kg以上 200円(片道) |
コース状況/ 危険箇所等 |
<この時期の単独日帰り登山の観点から> ・まず第一に天候を十分チェックして登山の判断をする。晴れの日でも強風の場合、立っていられないぐらいの風が吹くので要注意。 ・日帰りするためにはタイムマネジメントが重要。引き返すリミットをしっかり決めておく。ただし、いざとなれば山荘泊するぐらいの気持ちを持って臨んだ方が良いかも。いずれにしても最悪の場合(下山時のロープウェイ運休など)も考えて予備日は設けておく。 ・いきなり冬の西穂高山頂を目指すのではなく、冬の西穂独標までの経験を積むと良い。独標直下の登り、下りが問題なくこなせるようになってからが良いかと思う。 ・ルートについては先行者がいる場合はそのルートを眺めて問題なさそうならついていけば良いが、必ず正しいルートとは限らないので自分でも確かめながら登らないといけない。先行者がいない場合は自分でルートファインディング、場合によってはラッセルしなければならなくなるので日帰りは難しいかも。 ・ただ、下山時の独標直下はプチ渋滞だった。土日の場合は気を付けた方が良い。 |
その他周辺情報 | 奥飛騨温泉郷であり入浴施設は多数あり。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
ライター
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
携帯
時計
サングラス
カメラ
ポール
|
---|
感想
思えば5年前。友人に焼岳に連れて行ってもらい、山登りに興味を持った。
そして、その1カ月後に西穂高岳へ単独で登山。穂高の美しい山並みと、険しい道を登り切った達成感で山登りの魅力に虜となった。
下山のロープウェイ待ちの間に見た、冬の西穂高の写真。いつかは自分も、との思いを心に秘めていた。
それから、毎冬、地元の名山・大日ヶ岳(日本二百名山)に登り、西穂高も丸山まで1回、西穂独標までを2回登った。
最初に冬の西穂独標を登った時は、西穂高岳山頂へと続く、その先の稜線は自分が足を入れるべき所ではないと感じた。
昨年、二回目に登った時は、もしかしたら自分にでも行けるかも、という思いが脳裏に駆け巡った。
そして、今シーズン。自分が一日自由に使える日が来るたびに、天気予報とにらめっこ。12月後半、絶好の日が到来したが、自分が少し風邪気味だったため中止。
そして、2月に入ってから、天気と自分の都合がピッタリ合う日がようやくやってきた。
天気は快晴。ロープウェイを降りると快晴の空の下に笠ヶ岳が見える。自分のお気に入りの山だ。いつも、ここを登るときは笠ヶ岳がずっと見守ってくれているように感じてうれしい。
笠ヶ岳に今日もありがとうと心の中で話しかけて出発。
西穂高口から西穂山荘までは良く知った道。樹林帯を歩く。雪はサラサラだが、先行者のトレースがあって歩きやすい。しかし、やはり最後の登りはきつく汗がじわじわと湧き出てきた。息も上がる。
西穂山荘で名物の巨大雪だるまの前でアイゼンを装着しながら息を整える。
冬の西穂高の稜線は風が強い。今日は風が弱いという予報だったが、念のためハードシェルを羽織り、サングラスをゴーグルに替え、バラクラバ代わりのネックウォーマーをかぶって再出発。
稜線に出るとやはり風はいくぶん強い。バラクラバを付けていないのでハードシェルのフードをかぶる。しかし、そうすると視界が遮られ、せっかくの景色が見れない。
結局、フードをはずし景色を眺めながら歩くことにする。
稜線上の雪は基本的には締まっていて歩きやすい。キュッキュというアイゼンの音が規則正しく鳴って心地よい。
西穂山荘を見下ろすところまで登ると、山荘の遠く後ろに加賀の霊峰・白山が美しく浮かんでいる。あれほど白く嫋やかで独立している美しい山はないのではないか。信仰の山にふさわしい。
西穂丸山までは緩やかな稜線歩きだ。前方には快晴の空の下にどっしりと西穂高の稜線が見える。空が青い。穂高ブルーと命名したいぐらい白い峰とのコントラストが美しい。
西穂丸山までくると、手前に巨大な尾根が聳える。尾根の斜面に豆粒のように見える先行者たち。彼らはなんのためにこんな場所にいるのか、自分と同じでただ登りたいからここにいるのだろう。ゆっくりと一歩一歩尾根を登っていく。
尾根を登りきると辺りの峰とはあきらかに違う黒い岩峰があらわれる。西穂独標だ。ここからは岩と雪と氷がミックスするルートとなる。ストックをザックに取り付け、逆にピッケルを手に持つ。ピッケルの金属的な冷たさが手袋を通して指に伝わってくる。さぁここからだ。
西穂独標への登りは過去2回の経験もあり、それほど難しさを感じない。サラサラの雪が溜まっている場所もあり、キックステップで足場を確保しながら登る。あっという間に独標へとたどり着いた。
独標でカロリーメイトをかじりながら思う。今回の自分の挑戦はここからだ。その先の白いピラミッドピークの頂を見つめながら、これまで首にぶらさげていた一眼レフをザックの中にしまう。これからは写真を撮るなんて余裕はないだろう。
風は弱い。絶好のコンディションだ。意を決して独標から西穂山頂側へとくだった。
夏山に登った時に感じた印象で、ひょっとしたらこの下りが一番難しいのでは、と思った場所であったが、難なく降りることができた。自分の経験値があがったせいなのだろうか。
そう思ったのもつかの間、そこからピラミッドピークまで、岩や雪や氷が手を替え品を替え襲ってくる。これまでの経験にないものばかり。ただ、幸いにも先行者がいてくれたおかげでトレースをたどりながら乗り越えることができる。これも新たな勉強となった。
夏山では独標から西穂高岳までおおよそ1時間であったことから、自分の中ではタイムリミットまでに山頂は難しいのではないかと考えていたが、ピラミッドピークで時間を確認すると思いのほか早く到着していた。
もしかして行けるかも、とその先の見ると、山頂はまだ遥か遠く。心が折れそうになるが、とにかくリミットまでがんばってみようと気持ちを奮い立たせる。
ピラミッドピークから山頂まではピークをいくつも超え、時にはトラバースしながらであったが、常に4名ほどの先行者の姿が見えていたので心細さは感じなかった。
山頂のピークが近づくにつれ、自分の気持ちが「ひょっとしたらいけるかも」が「いけそうだ!」に変わっていく。もう、無我夢中で登る。
山頂までの最後の登り。すでに山頂では先行者が休憩しているようだ。息を切らしながらの最後の登り。そして登頂。
言葉が出ない。本当の感動では言葉は出ないのだろうか。
5年前の夏に出会った西穂高岳の標識である。向こうには大迫力の雪の奥穂高岳。奥に佇む黒く尖る槍ヶ岳。そして、横にはいつも見守ってくれる白く美しい笠ヶ岳。
後ろを振り返れば歩んできた数々のピーク。その後ろには荒々しい焼岳、そして優しく輝く乗鞍岳。
先行者の方たちは、おそらく日帰りなのであろうすぐさま降りていった。入れ違いに年配の登山者が登ってきた。登頂するなり、私と目を合わせて「ワハハハ」と笑った。私も「ハハハ」と笑った。アイコンタクトと笑顔だけで感動は共有できるのだ。
山頂で一眼レフをザックから取り出して写真をたくさん撮った。
家に帰ってから撮った写真を見たものの、家族にあの感動が伝わるような写真はなかった。
私の撮影スキルのせいもあると思うが、本当の感動というものはモノとしては残すことが難しいのだろうか。
自分の手や足、耳や目で感じたこの感動。
できうるならば自分の子供たちにも、そんな感動を味わう機会を作ってあげたい。
冬山に限らず、きっと登山は感動を与えてくれる。
今年も子供たちを山に連れて行こう。
(Sanchan33さんのレコをコピー。当日にソロ日帰りの人達がヤマレコユーザー。なかなかないことなのでアップします)
2月11日追記-------------------------------
2015西穂ゴレンジャーがそろったので記念に(想い出に)メンバーを書きとめておきます。
青レンジャー vino_rossoさん
青レンジャー nao_soma
青レンジャー yamanokamijrさん
赤レンジャー SHIBAWANさん
赤レンジャー Sanchan33さん
緑レンジャー yamanokamiさん
あの時に山頂にいた人たちです。本当に奇跡的。
こんばんは。
山頂で一緒になったものです。
(自分のレコでは勝手にゴレンジャーと呼ばせていただいております)
今回は皆さん初登頂の方が多かったようで、山頂が喜びと幸せの空気で満ち溢れていましたね。
自分は3回目となるので、残念ながら少しずつ感動が薄れてきてしまった感がありますが、最初の登頂の時には同じように感動したことを覚えています。
感動を写真で残す・・・これは難しいですね。
ただ、登った本人だけはその写真をきっかけにその時々の感情や空気を思い出すことができます。
同じ写真を見ても他人が見たらただの山にしか見えないでしょう。
自分もいつも思ったとおりの写真は撮れませんが、最近はそれでいいと思っていまよ。
では、またどこかで。
(多分大日ヶ岳あたりでお会いするかもしれませんね・・・白山展望台としてよい山だしスキーも楽しいので)
Sanchan33さん、コメントありがとうございます。
山頂で軽く会釈させていただきましたね。言葉が出なかったもので(笑)
レコ読まさせていただきました。
確かにゴレンジャー。ザックが赤ならハードシェルも赤、という感じで同系色にしている人が多くて、みんな好きな色買うんだろうなー。と変なこと考えながら登ってました。
ゴレンジャーのトラバースして登っている写真に小さく私が映ってましたので記念に勝手に保存させていただきます。
ソロだと自分の写真は撮れないので貴重です(笑)
また、どこかでお会いできることを楽しみにしております。
青レンジャーの一人のvino_rossoです
本当に天候と弱風に恵まれた山行でしたね
私は西穂自体初めてだったので、主峰まで行ける自信も予定も無かった
のですけど、行けちゃいました
今後もお互い安全に雪山を楽しみましょう。
いつかまたどこかでお会いできると良いですね〜
vino_rossoさん、コメントありがとうございます。
本当に良い天気でしたね!
ゴレンジャーの皆さん、日帰りのため早々に山頂を立ち去らなくてはならなかったのが少し残念だったでしょうか(笑)
お互いこれからも山を楽しみましょう!
nao_somaさん、こんばんは。
とうとう5人目のyamanokamijrさんがヤマレコに参加されました!
滅多にないことなので記念に自分のレコに全員のお名前を書き連ねさせていただきました。
Sanchan33さん!
本当にこれって奇跡的ですね!
ソロで日帰りであの日に登り、ヤマレコにというのは本当に縁を感じますね!
ちょっと感動的です・・・。
5人目 青 ヤマレコ初心者の yamanokamijrです。
この縁を大切に今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
yamanokamijrさん、本当にご縁ですね!
こちらこそよろしくお願いいたします!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する