第一発電所〜広河内岳、農鳥岳、間ノ岳、北岳、三峰岳、蝙蝠岳〜伝付峠〜田代口
- GPS
- 120:10
- 距離
- 54.2km
- 登り
- 4,754m
- 下り
- 5,092m
コースタイム
3日 大門沢小屋6:29-分岐10:30-広河内岳10:52〜11:11-分岐11:30〜12:05-農鳥岳13:05-農鳥小屋14:49
4日 農鳥小屋6:11-間ノ岳7:52〜8:11-北岳山荘8:52〜9:00-北岳9:52〜10:46-北岳山荘11:22〜11:27-間ノ岳12:41〜13:13-三ツ峰13:40〜13:50-熊の平小屋14:55
5日 熊の平小屋6:33-北荒川岳9:46〜10:00-北俣岳分岐12:19〜12:40-蝙蝠岳15:00
6日 蝙蝠岳7:15-徳右衛門岳9:09-水場9:15〜9:45-中電施設11:56-登山口12:45-河原12:50〜13:55-二軒小屋ロッジ14:25
7日 二軒小屋ロッジ6:45-伝付峠8:24-水場8:40-大滝10:54-堰堤工事現場11:26-田代口バス停12:40
天候 | 2日 晴れ 3日 晴れ 4日 晴れ 5日 晴れ時々曇り 6日 晴れ 7日 晴れのち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2010年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
田代口→奈良田(\600)→広河原(\1,100)→芦安(\1,100)→甲府(\1,120) |
コース状況/ 危険箇所等 |
大門沢小屋テン場 \500 水場 0分 農鳥小屋テン場 \500 水場往復30分 熊の平小屋テン場 \600 水場 0分 二軒小屋ロッジテン場 \600 水場 0分 蝙蝠岳前後のハイ松が、ザックに引っかかり、松脂も付着してとても厄介です。 田代口バス停はトンネル入り口前の旧道にあり、目立たないです。奈良田行き側にはありません。 堰堤工事現場の仮登山道は、とても遠回り。 田代口までダンプの往来が激しく砂埃が凄いです。 田代口最寄「ヘルシー美里」火曜日は日帰り入浴不可。 芦安白峰温泉¥550円 券売機があり、食事もできます。 |
写真
感想
2日 暑い。第一発電所でバスを下りると反対側がルート。登山パトローラがいた。「今年は、ヘリが3回も出動している。困ったもんだ。それがすべてガイド付きのツアー登山。へりは飛んだら50万単位だから、お金掛るのよ。すべて、税金だからね。三件とも分岐からの下りで起きている。まったくねえ〜。本人はともかくガイドから一度もお詫びの連絡ないんだよね。プロならさ、責任あるんだから、そのへんはきちんとしてもらいたいよね。それとも、望むほうが間違ってるんかね。」スタートから愚痴をきいてしまい、大幅にタイムロス。
ゲイト前に車が2台停まっている。釣り人だ。声を掛けると、獲物を見せてくれた。アマゴとヤマメの放流ものだ。ヤマメの放流はいただけない。
黄色い蝶が沢山舞っている。
兎に角、暑い。沢の水も冷たく感じられない。やっとの思いで大門沢小屋到着。
思っていたより、宿泊者が多い。
テン場の水はもの凄く冷たい。すぐさま、体を拭いて、持参した缶ビールを冷やす。テントを設営し、汗で濡れたシャツ、パンツ、タオルを水洗いし、テントに掛け干す。
30〜35Lのザックを背負った女性が現れ、テント設営場所を物色し始めた。とても身軽な彼女は滋賀県から来たという。今朝、広河原を4時半に発ち、北岳を登り、ここまで来たのだ。ちょうど12時間だ。凄い!
軟弱なオイラは、冷えた缶ビールを飲みながらえらく反省した。しかし、よ〜く冷えたビールは実に美味い!満足満足2本飲んじゃった。
3日 彼女は夜明けとともに去って行った。今日も天気がいい。小屋泊りの登山者も誰ひとりといない。最後の一人は自分だ。出発するが、今日も暑い。。バテバテだ。沢を横切る度に頭から水を浴びる。単独者3人、2人組が2組、4人組が1組とすれ違う。分岐に着くや否やザックをデポして広河内岳へ。眺めが最高。目的の蝙蝠岳もよく見える。気分爽快。分岐点に戻り昼食休憩後、農鳥岳を目指す。途中、ツアー登山2組とすれ違う。8〜10人はいた。結構な年齢の方々だった。
どうにかこうにか頂上に辿り着く。休む間もなく進む。がしかし、バテバテで、西農鳥岳の登りは大幅にタイムオーバー。農鳥小屋へ慎重に下り、テントを設営した。一休みして、水場へ行き缶ビールを冷やしながら、頭から水を浴び、全身を拭いてリフレッシュ。テントへ戻り、プシュっとご満悦タイム。ああ、幸せ。
4日 出発最後の人となる。今日も、好天。暑い。間ノ岳の登りで昨日の農鳥から一緒の荒川区から来られた御夫婦に追いつく。このお二人は三伏峠から塩見岳、熊の平、農鳥岳、間ノ岳、北岳の4泊5日テント縦走。還暦越えパワーに感服。凄いな。
間ノ岳頂上には沢山の人がいた。北岳山荘から来たらしく、殆どの人がほぼ手ぶら。眺望は最高状態。ここで、サブザックに必需品を入れ北岳をピストンしようと思い取り出してみるとなんと、出てきたのが献血で戴いたエコバック。大失敗。それを片手にGO!急に身軽になったのでトレラン状態。北岳山荘まで40分で到着。がしかし、パワーはここまで。北岳の登りは50分以上掛かってしまった。でも、予想以上に早く着いたので頂上に1時間近くいられた。
目の前に仙丈ヶ岳から始まり、鋸岳、甲斐駒ケ岳、鳳凰三山、白峰三山、北アルプス、中央アルプス、他も見渡せるスカッ晴れ。絶景かなあぁ絶景か〜なって感じ。
間ノ岳に戻ってきたら、スニーカーに作業服の男性が休憩していた。北岳山荘の工事現場監督の方で今日はお休みなのだそうだ。さっき見た山荘の工事は循環式トイレを設置している最中だったのだ。納得。
三峰岳を越えて、熊の平にもうすぐという下りでスリップし、転倒する。気の緩みだ。小屋へ行きテントの受付をする。新しい管理人さんに変わっていた。実は、以前来た時に管理人Tさんと一緒に撮った写真を持ってきたのだが残念。トイレ脇の水場で頭から水を浴び、全身を拭う。気分爽快。
テントはずっと北岳から一緒だった千葉県のSさんの隣に設営させていただく。すぐ脇の水場で最後の缶ビールを冷やす。Sさんは凄い健脚の持ち主で、今朝、広河原から来たのだ。明日は三伏峠に幕営し、明後日鳥倉林道を下って行くのだ。しかも、林道口からバス停までの15キロも歩くそうだ。休日は全て登山に費やす兵だ。ここは、虫が多い。サンダルでSさんと話しているうちに甲と踝辺りを何か所も刺されてしまった。痒みと痛みが交互に繰り返す。大失敗!でも、ビールはよく冷えていて、最高にウマイ!文句なし。
5日 今日も好天。Sさんは少し先に出発。オイラは管理人さんに挨拶をしてゆっくりと発つ。最初の登りでダメダメ状態。疲労蓄積。直ぐに息が上がってしまう。北荒川岳の登りもぜぇぜぇしまくり。二日分の水5リットルはずっしりと重い。
旧キャンプ地の平坦な道で還暦越え四人組男女とすれ違う。三伏峠からだというが皆さん足がめっちゃ軽やかですいすいと去っていった。北俣の取り付きから塩見岳を見上げると頂上に人影が見えた。多分、Sさんだ。一時間以上も離された。ここからの登りは荒れているので最高にキツイ。ぜぇぜぇしながら、一歩一歩登る。三分の二位を登りつめたところで、上からの登山者と立ち話休憩。(休むきっかけと気分転換になった)光岳からの57歳縦走者「もう、膝にきてしまって、歳には勝てないですよね、やっとですよ。長い縦走は今年が最後で、来年は無理でしょう」満身創痍状態を物語る言葉だった。
北俣岳の分岐にやっとこさ到着し、昼休憩をとる。靴ひもをほどき、靴下を脱ぎ、生足に風を当てると、とても気持ちいい。リセット完了再出発。痩せた岩尾根が続き慎重に進む。その後ゆるやかなアップダウンを繰り返しながら徐々に蝙蝠岳に近づく。ハイ松が前を塞ぎとても厄介だ。
どうにかこうにか頂上に辿り着いたが眺望は雲の為、残念賞。ザックを置いて、本日の幕営地候補を探しに行く。すると、雷鳥に遭遇する。最初に三羽、別の場所で一羽の計四羽を目撃。写真を撮るが保護色で分かりずらい。しかも、デジカメはバッテリーが切れ、携帯での撮影だから尚更不明瞭だ。でも、心がやすらぎ、疲れを癒してくれるには十分だった。
今晩はビールがないので、スコッチの水割りだ。静けさや胃に滲み渡るスコッチかな状態。食後、寒くなってきたので、寝袋に入り、テントから星空を眺める。ラジオを点けるとNHK・FMで東京JAZZを生中継していた。渡辺香津美TOCHIKA2010が聞けたのはラッキーだった。演奏後のインタビューでは、マーカス・ミラー、マイク・マイニエリの生声も聞けた。その後もクルセイダースの演奏、ジョーサンプルの声も聞けて、とてもいい時間を過ごすことができた。最後まで聴いてしまったので、23時を回ってしまった。あわてて、寝ることにした。
すると、突然、雷鳥が鳴き出した。ピービーとうるさい。何の騒ぎと思いきやテントの中にいても外が時々明るくなっているのが分かった。雷だ。慌てて外に出ると、北西方面の北アルプス一帯に大規模な稲妻が走っているではないか。暫く観察していると北東に移動しているのが分かった。方角的には安心なので、ほっとした。雷鳥たちはエライ!
6日 無事に朝を迎えた。今日も天気がいい。悪沢岳がくっきり見える。とても、すがすがしい気分で朝食をとる。今日は二軒小屋までなのでゆっくりし、景色を楽しむ。朝陽が気持ちいい。
徳右衛門岳へ向かう道は殆ど下りだ。最初のハイ松帯では朝露と松脂でパンツが汚れる。その他は、樹林の中を歩くので日差しも遮られ、とても静かに気持ち良く歩ける。苔むす森は美しい。しかし、途中何か所も落雷の跡があり、黒くなっている樹が目立った。
水場目印に到着。身軽になって水場へ下る。急斜面にある水場はお花畑でもあった。水量は少ないが冷たくて美味しい。500mlペットボトルに水を入れ、それを頭から浴びる。スッキリ!
中電施設先はちょっと荒れてるところが目立ちはじめた。中電の職員は専用のコースターがあり楽ちんできる。標高が下がった分暑くなってきた。登山口からそのまま沢へ直行し、着衣のまま、ドボン!全身の汗、汚れを流す。サッパリ、サッパリ、別人28号。その後、ズボンの松脂などを落とすために砂を使って洗濯する。乾くまで河原でのんびり、まったりタイム。
二軒小屋へは程なく到着した。受付に誰もいない。呼び鈴を鳴らすが誰も出てこない。暫く待つとやっと一人の女性が現れた。受付を済ませ、テントを張る。宿泊者ゼロ、幕営者はオイラだけの昨日に続き、独占。ここは、水、トイレ、自販機(ビール)有りで入浴できれば満点施設だ。
7日 テントを撤収していると、ロッジのKさんが挨拶に来られた。実は昨日、受け付けの際、彼女に前の熊の平小屋の管理人Tさんへ写真を渡していただけるように依頼しておいたのだ。その旨の確認をわざわざ知らせにきて下さったのだ。彼女は、バスの時刻、下山後の日帰り温泉の営業日も電話での確認と本当に親切にして下さった。今日は予約がなく、彼女は、今から下山するとのこと。色々ありがとうございました。
伝付峠はとても登りやすい道だった。風も気持ちいい峠らしい峠だ。山梨県側の下りは景色がガラリと変わる。今日も富士山が見えた。水場は二か所並んでいた。顔を洗って先へ進む。沢に出る。ここが少々分かりずらかった。中央を行く。その後、沢を幾度となく横切りながら下って行く。保利水小屋から田代川発電所までは紅葉シーズンは絶景に違いない。ただ、堰堤工事がいただけなかった。これから先は、舗装道路を歩いたのだが、工事車両のダンプが砂埃をあげて仕切りなしに往来していたので辟易、不快状態。しかも、直射日光をもろに浴びて暑い。田代口入口に水場があり、プール状になっていたので、そこで、頭、腕の埃を流す。すぐ行くとトンネルの間にでる。どこにバス停があるか分からない。取り敢えず、身延方面へ行くことにする。旧道との交差部分の反対側にバス停があった。バスは定刻通り来てくれた。奈良田、広河原、芦安温泉と乗り継ぎここでお風呂に入った。バス亭と直結しているのでゆっくりでき、湯上がりにビールも飲めた。甲府駅に着くと運よく高尾行きが来たので待つことなく乗車する。携帯の電源をオンするとメールが数件届いていた。その一件が小金井のIさからだったので、西国分寺で待ち合わせをし、「庄や」で焼き鳥、鯵のたたき、冷やしトマト、サラダを肴に生ビールを飲んでご機嫌状態で無事帰宅したのであった。
めでたしめでたし。
Fine!
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