笠ヶ岳(27/100座)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 2,332m
- 下り
- 2,333m
コースタイム
【D1】
駐車場(1:30)笠新道(6:20)杓子平(3:00)抜戸岳付近ビバーク
計約11時間
【D2】
ビバーク地(2:00)笠ヶ岳(2:30)クリアの頭(4:00)登山口(0:30)駐車場
計約9時間
天候 | 【D1】晴れ(暑い) 【D2】晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雷鳥岩付近には雪渓が残っており滑落注意 クリアの頭からの下降時道迷い、滑落注意 |
写真
装備
個人装備 |
アイゼン
ピッケル
スノーシュー
|
---|---|
共同装備 |
テント
テントマット<br />忘れ物:ショベル
|
感想
2016_0514-15
笠ヶ岳(27/100座)
★概要
敗退に終わったGW山行・・・
週末の天気予報は、まあまあだ・・・
今、読んでいるのは新田次郎著「槍ヶ岳開山」だ
笠ヶ岳の再興と槍ヶ岳初登&開山を果たした播隆上人の本である
おっし!
いこーーーー!
レ〜〜ッツ!
カサーーーー!
★で感想・・・
杓子平手前から、腐った雪と格闘して泣かされて体力も精神も病みそうになった
杓子平から抜戸に上がるまでも相当しんどかった
でも朝焼けの美しさ、ブロッケン現象、雷鳥に遭遇できたので良かった
靴内部へ雪解け水が浸水してきており靴下を絞ってストーブで乾かした
翌日もクリア谷を下降してから靴下を絞るほど浸水・・・
まいった・・・
靴の買い替え時か・・・
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★行動
【D0】移動
15:00久居IC〜伊勢道〜東名阪道〜東海北陸道〜・・・
高山の「臥龍の湯」で入浴(¥600)
22:30中尾高原口の駐車場
車中泊
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【D1】戦え!腐った雪と己の限界と
03:00起床
04:00深山荘前の無料駐車場、着
駐車場はガラガラだ
04:36新穂高登山センターで登山届をポストに入れて出発
綺麗なトイレもあるので落ち着いて軽量化できる♪
04:51ゲート通過
05:42中崎橋
06:09笠新道入口
さあ、ここから急登が待っている
今日の長い長い長ぁぁ〜〜い戦いの始まりだ
06:56、1650m付近
スノーシューなんていらないのでは?
などと、この時点では思うほどの状況だ
07:52、1750m付近
日も高くなって気温上昇
更に無風で、日差しもあり暑い!
08:50、1900m付近
高度も上がり穂高の稜線が奇麗だ〜♪
せめて風だけでも欲しい〜〜
09:50、2200m付近
周囲が腐った雪で覆われ、ここでスノーシュー装着して登る
しかし目印が無く、登山道を探しながら右往左往・・・
足を止めて夏道を探しながら、推測しながら登る・・・
10:51、2350m付近
夏道を外れて右上した・・・
が!
このまま直上して杓子平を目指すか・・・
夏道へ戻って杓子平を目指すか検討・・・
その結果は、スマホのアプリ「地図ロイド」を頼りに
50mほど下って・・・
夏道に戻って、左へトラバース
左上して、やがて岩場の下に到着
相棒を待ちながら上部の岩場をルートファインディング・・・
すると・・・
「・・・あーー!」と下から聞こえる
振り返ると相棒が「ザ〜〜〜〜〜〜ッ」と雪面を20mほど
滑り落ちて・・・・止まった!
疲弊しているのに登り直しとは、御愁傷様〜〜笑
刺したピッケルも腐った雪にたいして効かずに滑落したそうだ
自分は、クレバスをまたいで露出した地面に移動
ここでスノーシューを外し、ザックを置いた
ストックをピッケルに持ち替えて偵察に登る
岩稜を登る
ピッケルが土によく決まる
細い木が数本あり、ガッシリつかんで登る
アドベンチャーーーー!
上部の岩場をトントントンと登って杓子平に出た
うひょ〜〜〜♪絶景〜〜〜♪
這い松帯を歩いて左に右に歩いて周囲を偵察する
右も左も雪庇があり、とても登れそうにない
今のラインを登ることが最大最善の妥協ポイントだろう
クライムダウンして戻って、相棒に伝え、登り返した
12:35、2400m付近
杓子平を一望しながら休憩
ルートを見積もる・・・
夏道では雪が腐っているだろうと予想し右の尾根側に沿って
登ることにした
しかし・・・
地味な登りで地味〜〜〜〜にしんどい!
気温も上がり、ほぼ無風だ
気を抜けば腐った雪に足を取られて滑ってこける
スノーシュー装備していても容易にこけてしまうのだ
心が腐った雪に負けそうだ・・・
心も腐ってしまいそうだ・・・
13:43、2600m付近
この地味な登りで精神が病みそうだ・・・
そこで30歩登っては15回呼吸調整
これを何度も何度も繰り返し、メンタルをクリアーに保った(笑)
(この方法は、自分に合っていたので今後も使うことにした)
サーティー・フィフティーメソッドとも呼ぼうか
14:58、2700m付近
夏道よりも右によって登ったが、雪庇の張り出しがあるので
最後は、左へ大きくトラバース
夏道辺りから稜線上へ出ることにした
ここも「サーティー・フィフティーメソッド」が大活躍だ
15:32雪庇の無い付近から稜線上に出る
穏やかな尾根だ
這い松が点在している
ここは緩斜面で広い
もう二人とも体力の限界が近い
最後の力を振り絞って、雪面踏んで踏んで整地
※ショベルを忘れてきてしまったが、結果的には不要だった
低いほうの斜面にスノーシューを並べて平地化の足しにした
テントをかろうじて設営できた
あと動くのは、もはやお互いクチだけだしかない(笑)
15:56テント内に潜り込んで、さっそく横になった
16:30ハイドレーションの残量を確認すると満タン2Lだったのが
1Lをきっていた・・・予想以上に水分を摂取していたようだ
相棒も同様だった
外に出て水を作る
ついでに夕飯を食べた
19:00頃
夕焼けを鑑賞し・・・
就寝・・・
*******************************
【D2】遭遇!夏の大三角形と雷鳥とブロッケン
03:00起床
テントから頭だけを出して、夜空を見上げる
焼岳〜黒部五郎岳方向に走る天の川が見える
きれいだ〜♪
白鳥座、夏の大三角形、北斗七星が見えた
自分には、それぐらいの星座しか判別できなかった
05:05抜戸岳付近、出発
朝焼けの絶景をひとしきり楽しんで撮影して
予定より遅れたが、笠ヶ岳を目指して歩きだした
笠ヶ岳がだんだん近づいてきたころ登山者が見えた
その登山者とすれ違って挨拶
昨日、中崎橋付近で自分たちを追い越していったソロの
男性だった
なんと健脚!剛脚!
鏡平経由し、9時間で笠ヶ岳山荘までたどり着いたそうだ!(驚)
互いの安全を祈願して別れた
06:40笠ヶ岳山荘通過
ここで穴毛谷から6時間で登ってきたという男性2名と挨拶
再び登りだす
06:59祠前通過
07:07笠ヶ岳(2897.5m)
西側にブロッケン現象が発生しているのを相棒が発見!
ブロッケン・ゲシュペンスト(ブロッケン山の亡霊)だーーーー!
おお!北岳以来の人生二度目の亡霊登場だ!
ひとしきり記念撮影をして祠に戻った
07:12播隆上人が再興(1823年)をした笠ヶ岳を
偲びながら、棒ラーメンとアルファ米を食べた
うまい!
08:07笠ヶ岳山頂、出発
さあ!帰ろう!
下山開始だ
進路は南!
ガレ場を下ると南西尾根と雷鳥岩方向の分岐に出る
標識は無いので西に向かわず、南に進路をとる
シリセードで一気に下る
08:51夏道にでたのでアイゼンを収納
夏道をたどって下っていく
尾根の西側は雪渓が、4箇所ほどあった
雪が緩んでいたので、アイゼン未装着の
キックステップとピッケル1本、ストック1本を交互に刺して越えた
09:44雷鳥岩手前
この付近で10m前方に雷鳥夫婦と遭遇!
ラッキーだ!
冬毛と夏毛が混じっている
カメラはスマホなのでたいしてよく写らないと思い、目に焼き付けた
相棒もようやく初対面となり喜んでいた♪
笠ヶ岳の登り付近から足跡だけだったので、期待はずれかと
思っていたが、良かった〜〜♪
10:52クリアの頭の南付近
クリヤの頭を越え、南面の岩場の下りとなり
日当りもよく、ここで休憩
休憩後、夏道を下るとやがて腐った雪面となった
グリセード、シリセードで一気に下降する
笹の上の雪はよく滑る
※西側に下降ルートをとるとガレ場があるので落下注意
正規ルートはよく分らなかったが「地図ロイド」で
確認しながらグリセードで下降していく
やがて登山道に復帰した
12:12(2140m付近)小さな沢で休憩
休憩後、下降していくと木々が増え、登山道は枯葉の絨毯に
変わっていった
空気もまったりとして暑い
13:32水場・・・と地図はあったが小さな沢だった
ここは見覚えがあった
昨年の秋に錫杖の「左方カンテ」登攀後の巻き道下降時に
通った場所だった
参考:
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-739421.html
靴を脱いで、長めの休憩とした
昨日よりひどくて、足首から下の靴下は、ぐっしょり濡れていた
防水性のある登山靴だったように思うのだが・・・
相棒も靴下をねじってしぼって水分を落としていた(笑)
14:02出発
左岸を下降する・・・渡渉・・・
岩小屋・・・
14:27錫杖沢出合
錫杖の岩場が迫る
クライマーが確認できる・・・ガンバーーーー!
穴滝上部付近で渡渉
水量が多くて緊張した
15:31登山口
やっとここまでたどり着いた〜〜
15:40バス停
ん??事前調査した時刻のバスの記載が・・・ない?!
仕方がなく、舗装路を更に歩いて駐車場を目指す
とほほほ・・・・泣
16:10深山荘前の無料駐車場
17:00水明館、佳留萱山荘
混浴露天風呂(\800)
(日本一の広さ)
女性もいるので、ちょっと緊張する
見たいけど見れない・・・
高山市内の「餃子の王将」
ここでガッツリ補給〜〜♪
2230帰宅
★参考
臥龍の湯(¥600)
http://www.garyunosato.jp/
水明館、佳留萱山荘(¥800)
http://www.karukaya.co.jp/open-air-hot-spring
【播隆上人】(1786〜1840、享年54才)
槍ヶ岳初登頂(1828年)を果たすも、凍傷のため右足指3本を失った播隆上人
その後も鎖や梯子をかけ槍ヶ岳開山(1840年夏)を果たし、その秋に没した
笠ヶ岳再興時には、山頂にて18人の村人に奇跡の御来迎を見せた念仏行者播隆・・・
自分の妻おはまを誤って刺し殺してしまった岩松さん(播隆)・・・
弥三郎・・・穂刈嘉平・・・中田又重郎・・・作次郎・・・
1番弟子、柏巌尼・・・2番弟子、徳念・・・
新田次郎著「槍ヶ岳開山」は、おもしろかった
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