百名山の思い出−26座目：那須岳 2008年5月18日

早朝、韓国居酒屋のおばちゃんをピックアップして那須岳登山口に向かった。峠の茶屋駐車場を7時1分にスタート。峰の茶屋跡までは順調にきた。ここは風の通り道といわれるが風は強くなかった。季節柄、日陰や谷筋以外は残雪はないのだが、剣ヶ峰の東斜面は一面雪で覆われたままで、トラバースを渡らなければならない。おばちゃんはアイゼンなど持っていないし、自分も持ってきていなかった。一応踏み跡はあるものの、急傾斜の斜面を覗くと恐怖心がハンパない。まして雪山など初めてのおばちゃんはビビりまくっている。それでもおそるおそる一歩づつ歩を進めてなんとか渡り切った。帰りもここを通るのかと思うと気が重い。

朝日岳はパスして、まず最高峰の三本槍に向かった。稜線にはまったく雪はなかったからすいすい歩けた。9時16分に三本槍到着。雲が低く、遠くまでは見えなかったが、旭岳、甲子山や大倉山、赤面山など周囲の山はよく見えた。9時23分に引き返し、朝日岳に10時26分に到着。それから再び恐怖のトラバースを渡って峰の茶屋跡に戻り、茶臼岳に11時58分に登頂。深田久弥のいう百名山那須岳を構成する3座に登ったことになる。山頂付近はガスっていて残念ながら展望は得られなかった。

茶臼岳から峰の茶屋跡に戻るつもりだったが、道を間違えロープウェイ山頂駅へのルートに入ったので、そのままロープウェイに乗って下山し、駐車場には12時38分に戻った。帰りに大丸温泉に浸かり、疲れを癒した。それにしても急斜面のトラバースには参った。リスクを考えるとアイゼン、ピッケルがない場合は撤退すべき事態だったのかもしれない。まして初心者のおばちゃん連れであれば尚更だった。

那須連峰のうち、茶臼岳は2000年頃、家族で登ったことがある。その後、2015年に那須岳に近い福島県に単身赴任したこともあり、那須岳3座には厳冬期、残雪期を含め10回以上登った。周囲の山も含めた那須連峰には都合20回ほど登っており、自分の登山歴の中では八ヶ岳と並ぶホームグラウンドである。宿題は三斗小屋温泉に泊まっていないこと。なんとか機会を作って実現したいものだ。

写真左：三本槍
写真中：茶臼岳
写真右：恐怖のトラバースを渡るおばちゃん