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2019年08月23日 08:58独り言全体に公開

百名山の思い出−37座目:鳳凰三山 2008年11月15日

近場で日帰り登山できそうな百名山はだいたい登ってしまって、遠い山しか残っていなかった。この時期、雪のない百名山といえば鳳凰三山か安達太良山くらいだった。なぜ安達太良山を選ばなかったのか記憶にないが、もしかしたらすでに雪が積もっていたのかもしれない。いずれにせよ、鳳凰三山を一泊二日で登ると決めて薬師岳小屋を予約した。たしか小屋仕舞いの日だった。予報は曇り。雪マークはなかった。

金曜日の夕方、いつものように東北道−首都高−中央道を走り、すでに営業が終わっていた青木鉱泉の駐車場で車中泊した。夏物のシュラフだけでは寒いだろうと敷布団と毛布も使ったら寒くはなく、よく眠れた。翌朝6時21分、ドンドコ沢コースを登り始めた。視界が開けると朝日が鳳凰山の山肌に当たって黄金色に輝いていた。さらに登ると大小の滝が現れ、目を楽しませてくれた。今だったら写真撮影に時間をかけただろうが、このときは記録写真だけ撮ってさっさと登っていった。鳳凰小屋10時57分。地蔵岳手前のザレ場は足がずるずる滑ってなかなか進めなかった。ようやく12時2分に地蔵岳到着。残念ながらガスってきてオベリスクも向かいの北岳、仙丈ヶ岳もよく見えなかった。オベリスクを見上げて素人では無理と登るのを諦めた。

昼食の後、12時20分に観音岳に向けて出発。賽ノ河原を過ぎ、観音岳への登りにさしかかったとき、太腿がけいれんし始めた。あわてて痛み止めスプレーをかけたらなんとか治まった。谷川岳での教訓からスプレーを持参したのがよかった。観音岳へは14時2分到着。雲が低いので期待していた北岳、富士山は見えなかった。南アルプスデビュー山行だったが、展望には恵まれなかった。14時8分に出て先を急ぐ。薬師岳14時38分、薬師岳小屋には14時47分に到着した。

小屋は小屋番一人だけで客はいなかった。そのうち神奈川からのベテラン夫婦と横浜の若い単独行女性が南御室小屋から上がってきて素泊まりで泊まった。素泊まり組が食堂で食事を作って食べるのを見て、自分も早く自炊できるようになりたいと思った。夜半、屋外トイレに出たら小雪が降っていて、翌朝にはうっすら積もっていた。最新の予報ではこの日降雪で、出発するころも降り続いていた。夫婦は地蔵岳は止めて夜叉神峠に戻るそうだ。ソロ女性は地蔵岳からドンドコ沢を青木鉱泉に降りるという。雪が降っていて危ないから止めなさいと夫婦が説得していた。結局、中道を下る自分と一緒に下山することになった。

6時40分下山開始。樹林帯に入ると木の根っこがはびこっていて、何度か滑って転んだ。最後は少し捻挫気味になり、足が痛かった。そのせいもあり、中道は展望もなくだらだらと長くて嫌になった。ようやく10時15分に青木鉱泉に到着。女性は青木鉱泉にタクシーを予約していたが、途中で自分が乗せてあげるからと言い、タクシーはキャンセルした。はじめは最寄りの中央線の駅まで送るつもりだったが、成り行きで横浜まで送ることになった。中央道を走り、厚木あたりで降りて最寄りの私鉄の駅で降ろした。

彼女はK大農学部出身。探検部に所属し、学生時代は山はもちろん国内外の危ないところにも行った経験があるらしい。卒業後は大手居酒屋チェーンの本部に勤めているという。彼女とはその後もメールでの付き合いが続いたのだが、数年後、メジャーではないものの自作の曲でCDデビューし、たまにライブもやるようになった。シンガーソングライターになる夢を叶えたのだった。今も活動しているのだろうか。

2012年1月、師匠と夜叉神峠から南御室小屋で一泊してから鳳凰三山を歩いた。稜線の雪は少なく、歩くのに苦労はしなかった。素晴らしい快晴で、雪をまとった北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳が目の前にドーンと迫り、反対側の富士山は雲海の上に悠然と聳えていた。鳳凰山人気の理由が少しだけわかったような気がした。2016年9月に広河原〜白鳳峠から百高山の高嶺に登り、その後甲斐駒ヶ岳まで縦走したのだが、地蔵岳と高嶺の間はまだ歩いていない。いつか夜叉神峠〜甲斐駒ヶ岳を縦走してみたいものだ。

写真左:観音岳
写真中:地蔵岳
写真右:薬師岳
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