幌尻山荘には5時50分到着。宿泊客が多い。小屋の陰で濡れた衣類を脱いで絞り、気を取り直して6時15分に出発。すぐ急登になる。命の泉で喉を潤し、稜線に出ると雄大な北カールの先に目指す幌尻岳が見えた。稜線はお花畑になっていていろいろな高山植物が咲き乱れていた。9時56分幌尻岳山頂到着。快晴で360度の大展望を楽しんだ。戸蔦別岳への稜線が素晴らしい。その先も稜線が延々とつながっていた。山頂には戸蔦別岳から縦走してきたという強者もいた。そのときはとても真似ができないと思っていたが、今では不可能ではないと思える自分がいる。
山頂の展望を存分に楽しんで10時30分に下山開始し、幌尻山荘に12時58分到着。13時25分に出発して再び渡渉を繰り返し、取水ダムに14時59分に着いた。今度は滑らずに済んだ。デポした荷物を回収し、15時15分にスタート。一日中歩いたせいで膝がパンクし、長い林道歩きは堪えた。足を引きずりながら17時19分に登山口に戻った。今日の行動時間は13時間超の長丁場。変則ながら日帰りで幌尻岳を登れたことは自信になった。
この数年後、第2林道ゲートへの車の乗り入れが出来なくなり、とよぬか山荘から予約したシャトルバスで第2ゲートまで行かなければならなくなったので、事実上日帰り登山は不可能になったようだ。考えようによっては無理に日帰りしようとしてリスクを高めるより、最初から一泊二日を前提に余裕のある行程を選ぶ方が安全・安心登山になってよいことだと思える。もっとも一泊二日でも他の山に比べたら格段に厳しいことには変わりはないが。おそらく幌尻岳を再訪することはないと思うが、あの素晴らしい稜線、北カール、お花畑、それに苦い思い出の渡渉は忘れることはないだろう。
写真左:北カール
写真中:幌尻岳山頂
写真右:戸蔦別岳への稜線
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