幌尻岳下山が遅くなったので、トムラウシ山登山口近くの宿泊地に着いたのはかなり夜が更けてからだった。翌朝、短縮登山口に移動し、4時20分に出発した。カムイ天上を過ぎると色とりどりの花々が出迎えてくれた。コマドリ沢出合を過ぎると急登になり雪渓が出てきたが、かろうじて夏道を歩けた。前トム平付近からゴロゴロ石が続く。そこを過ぎると岩・水・花の別天地、トムラウシ公園に出た。庭園があまりにも素晴らしく、これが本当に自然にできたものだろうか、と思うくらいの絶景だった。公園の余韻に浸りながら歩き、十勝岳との分岐を過ぎて巨岩帯を登った先に山頂があった。10時2分到着。
山頂で、お互い花に詳しくないYさんと花の名前が分からずにいたら、近くにいたベテランさんがチシマギキョウだと教えてくれた。無知な会話に思わず口をはさみたくなったのだろう。早めの昼食を取り、10時35分に下山開始。遭難者の出た山頂直下の南沼キャンプ指定地に寄ってみた。事故パーティの残置物なのかブルーシートが残されていた。たしかに盆地のようになっていて、風雨をしのげる地形ではないかもしれない。我々は天気に恵まれ、幸運だった。悪天候下の縦走は怖いということを改めて心に刻み、合掌して先を急いだ。ゴロゴロ石を下り、花に囲まれた下山路を一路下り、15時33分に登山口に戻った。近くの東大雪荘で温泉に入り疲れを癒した後、次の登山口旭岳温泉へ向かった。
百名山完登後、縦走登山の魅力にはまった。トムラウシ山も次に登った旭岳も日帰りピストンだったこともあり、次は旭岳〜間宮岳〜白雲岳〜忠別岳〜五色岳〜化雲岳〜トムラウシ山〜オプタテシケ山〜十勝岳〜富良野岳の大縦走をやってみたいと思っている。深田久弥はトムラウシ山から化雲岳に抜けている。もっとも北海道は自分にとって鬼門のようで、すでに三回蹴られているのでいつ実現できるか自信はない。
写真左:トムラウシ公園
写真中:トムラウシ山山頂
写真右:大勢が亡くなった南沼キャンプ地
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