下るにつれ雨はいくらか小降りになったが、下界には雲が垂れ込めていた。姿見に9時39分に着き、すぐロープウェイで下った。9時47分到着。案の定、下界は雨だった。北海道の最高峰というのに手抜き登山をしてしまった思いは消えなかったし、期待していた大展望も見られなかった。旭岳だけでなく大雪山を存分に堪能するためには、トムラウシ山の項でも書いたように旭岳〜白雲岳〜トムラウシ山〜十勝岳を縦走しなければ、と思っている。後ろ髪を引かれる思いで次の後方羊蹄山の登山口に向かう途中、札幌市郊外にあるモエレ沼公園を訪ねてみた。
モエレ沼公園は世界的な彫刻家、庭園設計家イサム・ノグチによってデザインされたアートパークで、札幌市郊外にある。1995年頃、アメリカ滞在中、休日に訪れたニューヨークの近代美術館でランチしていたらアメリカ人の老婦人と相席になった。自分が日本人だと知ると「イサム・ノグチを知っているか」と訊かれた。知らないと答えたら「イサム・ノグチは素晴らしい」と、彼について滔々としゃべり、「日本人だったら是非行くべき」とニューヨーク州ロングアイランドにあるイサム・ノグチ庭園美術館を紹介してくれた。早速その足で美術館に行き展示作品を観た途端、たちまち大ファンになった。老婦人の言った通り、素晴らしい作品ばかりだった。2003年にドウス昌代著の評伝が発売されるとすぐ買ってむさぼり読んだ。日本には最後の大作品としてのモエレ沼公園と、四国にイサム・ノグチ庭園美術館がある。今回の北海道遠征の折り、どうしてもモエレ沼公園を訪ねてみるつもりだった。行ってみるとあまりのスケールの大きさに全容がつかめず戸惑いを感じたが、大小さまざまなオブジェはイサム・ノグチの作品そのものだと分かる。いずれ四国の庭園美術館も訪れてみたいと思っている。宿題は増える一方である。
写真左:旭岳前景
写真中:旭岳山頂
写真右:モエレ沼公園
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