山頂ではしばし360度の絶景を楽しんだ。穂高連峰の先には槍も見えた。薬師岳方面から縦走してきた強者や、槍見温泉からクリヤ谷を登ってきた人などと歓談した。深田久弥は笠ヶ岳に登るのに、湯俣温泉から竹村新道を登り、三俣山荘、双六小屋を経て登頂し、槍見温泉に下っている。それに比べれば自分の登山はお手軽かもしれない。12時17分下山開始。笠新道分岐を過ぎ、順調に下っていたところ、15時過ぎに正面に見える穂高連峰の上空でヘリコプターがウロウロしている。そのうちヘリが増えた。訳が分からずそのまま下山して、17時9分新穂高温泉に着いてから訊いてみたら、ジャンダルムに救助に向かった岐阜県警の防災ヘリが墜落し、隊員3人が死亡したという。帰途、カーラジオのニュースで何度も聴いた。増えたヘリは救援の防災ヘリや報道ヘリだったようだ。レスキューもまさに命懸けだということを痛感した。お世話にならないようにしなくては、と思いながら帰路を走った。
百名山完登後は二百・三百名山と百高山もフォローするようになったのだが、百高山に抜戸岳も入っている。笠ヶ岳初登頂の折り、寄らなかったばかりにわざわざ登りなおすことにした。2015年10月に同じコースで笠ヶ岳に再登頂した後、帰り道に抜戸岳に登った。我ながらご苦労なことだと呆れている。それにしても笠ヶ岳は深田久弥が書いているように、槍と同様、どこから見ても笠ヶ岳と分かるその端正のとれた山容が素晴らしい。見てよし、登ってよしの名山である。いずれは槍見温泉から双六岳、三俣蓮華岳、その先をつなぐ縦走もしてみたい。
写真左:笠ヶ岳山頂
写真中:ヘリの落ちた北穂〜ジャンダルムの稜線
写真右:ジャンダルムから望む笠ヶ岳
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