山頂はガスっていて、期待していた大展望はなかった。僅かな雲の合間から駒ヶ根の街が見えた。証拠写真を撮ってもらったMさんと話をした。明日木曽駒ケ岳に登るという。自分もその予定なので、じゃあ一緒に登りましょうということになり、以後は一緒に行動した。
パンとオニギリの昼食の後、11時33分に下山開始。来た道を戻った。空木避難小屋への分岐で小柄なおばあさんが休憩していた。登山ツアーに参加したかったが、年齢制限で断られたので単独で来たという。70代後半に見えたが元気な話しぶりや足取りだった。自分は年を取ったらどんな登山をするのだろうか。15時6分に登山口に戻った。
下山後、こまくさの湯で汗を流した。駒ヶ根といえばソースかつ丼。Mさんが美味しい店を知っているという。行列のできる店らしいので17時開店の1時間前から最前列に並んだ。開店時には大行列ができていた。ボリューム満点、味も抜群だった。Mさんとはその後、いくつも山行をするようになったのだが、岩登りも雪山もやる大ベテランで、いろいろ教えてもらうことが多かった。剱岳で知り合った富山のMさんと紛らわしいので、以後は敬意を込めて師匠と呼ぶことにする。
2015年8月、日本横断の途中、檜尾避難小屋から縦走してきて空木岳を再訪し、駒峰ヒュッテに泊まった。当番の小屋番さんがいい人で、おつまみや焼酎を振舞ってもらい、3人の宿泊者と登山談義に話が弾んだ。翌日南駒ヶ岳から越百山まで歩き、その先の飯島への分岐まで行ったのだが、なんと飯島へ降りる古い登山道が通行止めになっていた。さすがに特攻する勇気はなかったので重い気持ちで仙涯嶺、南駒ヶ岳、空木岳を登り返し、また駒峰ヒュッテに泊まった。小屋番さんは別な人で、残念ながら特別サービスはなかった。翌日は池山に降りた、という苦い思い出もある。とはいえ、木曽駒ケ岳〜空木岳〜越百山の中央アルプス主稜線は、派手さはないが変化に富んだ歩き甲斐のある縦走路だった。深田久弥は越百山から空木岳〜木曽駒ヶ岳と縦走した。機会があればこのコースをもう一度歩いてみたものだ。
写真左:空木岳山頂
写真中:南駒ヶ岳から
写真右:ソースかつ丼
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