先日の山旅のついでに立寄りました。
今まであまり「山岳写真」というものに興味がなかったのですが…。
高山蝶の研究もされていた田淵さん、大きな山だけではなく、ちいさな昆虫(成虫だけではなく、幼虫も!)や植物や、拾ってきた木の実や、ふもとの里山や、そこから見える雪形や…、あらゆる「山で出会うもの・こと」の写真を撮っていました。対象を優しく見ているのが伝わってくるようです。
記念館で閲覧できる写真集がまた良くて、時間があったら全部ゆっくり見ていたかったです。
「山の意匠」という写真集の中に見つけた文章です。
「山の意匠という表題を決めるについて、私には二つのことが考えられた。一つは山自体の背負ったデザインであり、もう一つは私自身が山中で見つけるそれである。
鋭い頭峰を聳えるてる険しい山もあれば、どこが頂なのか見さかいのつかないおおらかな山もある。
(中略)一方 山のなかで目にする草や木、虫や鳥それに獣、生き物ばかりではない。岩や雪などを含めて山にあるもの総てを心して眺めれば眺めるほど私には木目こまかくその中に折り込まれ、畳みこまれているのに気づく。
(中略)私は山を歩いていて、そうした巨大で雄渾な山自体の意匠と、私が私流に山で見つける繊細で巧緻な山の意匠に瞠目し、驚嘆し、圧倒され通しであったような気がする。」
そうそう、対象が「おもしろい!」と思った瞬間に何もかもが観察の対象になっていく感じ。
「山」には自分なりの宝物を見つける喜びがあるように思います。
自然科学関係の勉強をしておけばよかったなあ、と今さら思うのですが、「山」に出会えて自然に興味を持つことが出来ているだけでもシアワセなのかもしれないなあ〜と思いました。
写真も良いのですが、写真の横につけられた自身の詩のような短文も素敵でした。
いつか私もこんな山のアルバムを作りたい!というか、こつこつ作ろうと思います。
田淵さんの名付けた「高山蝶コース」一ノ沢〜常念〜蝶ヶ岳〜大滝〜徳沢、いつか歩いてみたいです。
田淵行男記念館 JR大糸線「柏矢町」から徒歩20分 9:00〜17:00 月曜休館
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