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石樽千亦という歌人が多く詠んでいる。
やつやつに沈み沈みて利尻嶺は頂のみぞ海に残れる
利尻嶺の後ろあかるくかがやきぬかなたの空の朝はやみかも
島にても見かてにしつる利尻嶺の巓(いただき)高く波の秀にみゆ
斉藤茂吉
ようやくに遠ざかるなり稚内の船出して見る青陸(あおくが)の山
下村海南
利尻富士さびしらに立てり宗谷野の真黒に焦げしむら山の上に
利尻岳は深田久弥の日本百名山の最初に紹介されている山である。
<こんな見事な海上の山は利尻岳だけである>と評している。まさにそのとおりだ。礼文島から見る姿がいいようだ。
石樽千亦は船員で、海上から利尻を眺め、その姿を詠んでいる。
「やつやつに」の歌は夕暮れていただきだけがほのかに明るい様だと思う。二首目は明けきらぬ朝の景色だろう。3首目は海の荒れているときの歌だと思う。
斉藤茂吉の歌は、まさにそのままだ。<青陸(あおくが)の山>などと言う表現は今の時代にはできないな。でも私が見た利尻はまさにその通りであった。
下村の歌は宗谷野とあるから海を隔ててみているのだがどこから見渡したのかは不明。
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