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山歩きに関する面白い本に出会った。
本書は、埼玉県西部の奥武蔵や秩父の峠歩きについてまとめられたものである。
私はランニングやロードバイクで奥武蔵の丘陵地帯をよく訪れるので、この地域に峠と呼ばれる場所が密集して連なっていることはよく知っている。
この地域には丘陵や低山が広がっているが、東部の関東平野や西部の秩父盆地に近く、古くから幾つもの集落が発達して交易が盛んに行われていた。
本書を読むと、峠とは稜線上の単なる1地点ではないことに気付かされる。
峠は、ある集落から別の集落までを繋ぐ道の途中にある稜線上に生まれるものである。
つまり、峠が1つあれば、そこを跨いで繋がる2つの集落があるということである。
単なるピークハント趣向では、峠は通過点に過ぎないか、そもそも通ることもないかも知れない。
しかし、峠に辿り着く度に、この峠は何処と何処の集落を結び付けてきたものなのか、そしてどのような人や物資が行き交っていたのかを考えてみるのも面白いと思う。
そんなかつての歴史を想像させてくれたり、実際に現地までの道筋を案内してくれたりする興味深い一冊である。
<出版社ウェブページ>
http://sakitama-s.com/books/classification/nature/entry_280/
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