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初狩駅から車道(県道大幡初狩線)を歩いて行くと、アンパンマンの公園の手前で右手に鶴ヶ鳥屋山が見えるが、その手前の稜線に高い送電線鉄塔が何本も聳えている。(おそらく鉄塔工事のために)舗装された林道?を経て、急傾斜の登山道を30分ほど登ると、その一つの下に出た。
鉄塔はかなりの傾斜地に立っている。鉄塔の下には鹿よけの白い袋を被せた植樹が林立しており、これは下の林道まで細長く続いている。工事資材を下からモノレールで運んだらしいので、その跡に植えたのだろう。ここから県営林道黒野田線までは、プラスチックのステップが多数設置されていた。これは工事作業員の通路であり、今後の巡視路なのだろう。林道の手前に鉄塔がもう一本立っていた。
以下は、下山後に調べたことである。この辺りのグーグルの航空写真(図1)を見ると、少し古い国土地理院の航空写真にはない裸地が点々とある。私が歩いた登山道沿い以外にも、多数の送電線鉄塔が新設され、送電線が架設されていることが分かる。
鶴ヶ鳥屋山の西約4キロ、笹子から清八峠に至る奥野沢川沿いに、東京電力東山梨変電所というものがある。これは東京電力の西群馬幹線の経由地である(図2)。柏崎と福島の原発から多数の500kV幹線送電線が東京に向かって建設されており、西群馬幹線はそのうち最も西側の線である。東山梨変電所からは、西群馬幹線が南の新富士変電所まで続くとともに、東の橋本変電所に向かう都留線と西の甲府変電所に向かう御坂線が派生している。また、葛野水力発電所からも500kVの送電線が東山梨変電所につながっている。このため、笹子川の上流域は元々送電線の密度が高く、多数の送電鉄塔が立つ地域だった。これにリニア新幹線用の送電線が加わったことで、一種異様な光景になっている(図3)。
このような光景はリニアの沿線至る所で見られるのだろう。前世紀の亡霊が、トンネルを掘りまくり、残土を積み上げ、送電線を張り巡らせて、老いた日本を傷つけて行く。
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