半月ほど前に甲斐駒ケ岳へ登っていた時のこと。数年ぶりにアイゼンピッケルを使って登高していて、結構体力が落ちていることを認識。週なかにはいくらかのトレーニングをジムで行っているものの、体力を向上するよりは現状を維持するのがやっとのようである。年齢が上がってくると、トレーニングをしても若かった時のようにはなかなか結果に反映してこない。
10年以上前になるが、アンナプルナ1峰を目指していた知人(当時48歳)がいたのだが、その人を前にして私は、どうせヒマラヤの高峰を目指すのなら無酸素やバリエーションルートでアルパインスタイルを狙う時代だよという話を恥ずかしくもしていたものだ。当時私は40歳前でまだ体力はあったしクライミングも充実していいた頃だったので、結構いきがっていたように思う。
現在、その私自身が同じような年齢を迎え、この歳にして体力を維持向上させていくことがいかに大変なのかを、甲斐駒の登りで痛切に感じた。一歩一歩、昔の言葉をかみしめながら、恥ずかしい自分がいた。目頭が熱くなった。あんなこと言うのではなかったな。なかなか人の立場には立てないものだと思う。
もうその知人はこの世にはいない。後年、私があの世へ行ったら謝っておかなくては。いい人だった。
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