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春スキーではいつも快適な締まったザラメに出会うわけではない。アイス、クラスト(もなか)、ストップ雪(湿雪)が出てくると苦労するスキーヤーも多いのではないだろうか。いわゆる悪雪は、若い頃に北海道でパウダースキーばかりをやっていた私も乗り越えなければならない壁だった。転機が訪れたのはTignesで休暇をとっていた時のこと。連日の晴天で景色はいいが斜面は荒れていた。その時に付いていたガイドが実にいい中回りをする。フレンチアルプスの長い斜面を一気に降りていく彼は全く疲れた様子がない。アイスとコブの処理で私の脚はいつもパンパンだった。フランス人だが英語でアドバイスをくれる。”Stay low” 姿勢を低くしろと。言われた通りにすると、なんだろう気持ちにハリが出て、滑りに積極性が生まれてきた。板によく乗っていけるので荒れた斜面でもいいスピードでどんどん落ちていける。そして疲れない。
ここから先は勝手な推論だが、足首、膝、股関節をよく曲げて視線が下がると斜度が緩く見える。子供の初心者は斜面を怖がらないが、大人の初心者が斜面に恐怖を感じてしまうのは、視線の高さの違いだと思っている。スキーではお尻が引けたり、山側に逃げて重心が板から外れたら負け。身体全体を雪面に近づけ視線を低くすると心理的余裕が生まれる。上下左右前後の身体の動きがダイナミックになり体重の倍の圧を板に載せていけるようになる。クラストやアイスに板が食い込んでいく。ターンが切れてくる。スピードに乗って落差の大きいターンになる。そして疲れない。(写真:鳥海山のクラスト斜面を低重心でかっ飛び中のSchweitzer)
そんなことを再認識したシーズンも来週の立山でフィナーレ。そしてまた来シーズンの計画が始まる。
https://tokyo-nbr.jp/
へたっぴな私がコメントするのも変ですけど、非常に共感できる内容でしたので、お目汚し失礼いたします。
私は強い山屋ではなく、メンタルも弱々なので、滑りはじめの時に不安要素があったりすると(視界不良、悪雪、疲れなど)まったく滑ることができません。
が…斜面を滑る気持ちを忘れない(自然に斜面に正対できて、ターンが楽になる気がする)、疲れている時には特に意識して、膝などの関節を柔らかく使うよう心がける。すると、割とうまく最後までキープできる事がわかってきました。
具体的にどうなのかはわかっていませんでしたが、おそらく自然に体が低くなって、リラックスして筋肉を使えることができていたのかもしれないですね。
目からウロコです。よい日記を読ませていただきました。ありがとうございます。
北海道の雪山たくさん滑っていらっしゃるんですね〜羨ましいです。
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