前に拾った枝で不具合はないので、たいして真剣に探しているわけでもない。
ついでの楽しみといったところだ。
この夏の暑い最中に、人が入らないような沢筋で鹿の角を見つけた。
立派な角が一対、頭蓋骨の上半分ほどにくっついている。
一度手に取り、立派だなと感心して、また元の位置に置いて来た。
今日も枝の収穫は無かったなぁと思いながら家路に着いたが、ふと閃いた。
沢で見つけた鹿の角、ポーちゃんの止まり木にちょうど良いんじゃないかと。
一週間後、まだまだ暑い最中、同じ沢を下りて鹿の角を再び手にした。
良く見るとかなり古そうで、角先は欠けているし、茶色の汚れや緑のコケがいたる所に付いている。
頭蓋骨の下半分くらいは欠損しているのだが、見通せない空間がある。
小さな沢の小さな水溜りで頭蓋骨部分をしゃかしゃかすすいだ。
空間にも小枝を差し込んでぐりぐりし、さらにすすいだ
用意してきた大きい手提げ袋に収納し、手に提げたまま沢を下りた。
こんなの拾って持って帰っちゃって良かったのかなと、先週の意気込みは消沈していた。
次の登り返し手前で、鹿の角をザックにゴムバンドで夫にくくり付けてもらった。
その作業中、首の辺りがチクチクすると夫が言う。
ん、どれどれと見てみると、体長20センチもあるムカデがシャツの襟元に張り付いているではないか。
あまりの大きさと派手な色に一瞬ひるんだが、幸いにも軍手をはめていたので手で払い除けようと頑張った。
ムカデも落とされまいと頑張った。
3〜4回目でやっと地面に落ち、草むらに入っていった。
ああ、この頭蓋骨の空間はムカデの住処だったのだ。
それを取り上げてしまい、可哀そうなことをしたな。
家まで持ち帰った鹿の角は、風呂場にてタワシでゴシゴシ洗った。
コケはある程度落ちたものの茶色の汚れはなかなか落ちない。
何よりもムカデの家族がまだ残っていないかと、それが恐怖だった。
数日間放置して乾かした。
そのままではあまりにもグロテスクな景色なので、頭蓋骨部分は木箱に納め、重石代わりに石膏を流し、一対の角だけが見えるようにしつらえてみた。
こうして完成した鹿の角の止まり木を、ポーちゃんは怖がることなく、たまによじ登っては角先をかじっている。
鹿の角は毎年抜け替わると、以前何かで読んだことがある。
どこの山にも鹿はたくさん居るのだろうから、そのたくさんの鹿の角が毎年抜け替わるというのなら、たくさんの鹿の角が山に落ちているはずだと思った。
でも、そんな鹿の角を私は一度も見たことが無い。
木の枝に紛れて気が付かないだけなのだろうか。
それにしても今回拾ってきた鹿の角、頭蓋骨にしっかりとくっついている。
これがどうして毎年抜け替わるのか、とても不思議だ。
蛇足だが、頭蓋骨=ドクロといえば、毒虫が這いずり出てきそうなイメージがある。
果たしてそれは本当だった。
こんにちは!
鹿角うらやましいです!私でしたら間違いなくヘルメットの左右に取り付けるところです!(笑)
それにしても、そんな大ムカデに噛まれなくて良かったですね!病院送りにされてしまうところです。
あと、ムカデの駆除時に調べたんですけど、大ムカデの類は、夫婦仲がすこぶるよろしいようなので、ツガイでいる確率が非常に高いそうです‥実際ウチの庭でも同じところに同じサイズの者が二匹仲良くいたので、近くの神社の森に放逐した経緯がありました‥いえいえ、驚かすつもりはまったくないのですが、参考までにご注意下さい!
ではでは。
こんにちは、コメントありがとうございます。
そうですか、大ムカデって夫婦仲良しなのですか。
その後は誰もはい出た形跡がなさそうなので、相棒は早くに逃げ出したか、あるいは独身だったのでしょうか。
もしかすると石膏の中に生き埋めになってしまったかも・・・いえ、それはあり得ません。
事故には至らず本当に良かったですが、かまれたら痛いのでしょうね。
ヘルメットにつけるなんてこと、思いつきませんでした。
Stroheimさん鹿角見つけたら是非やってください。
どっかの武将みたいで、カッコイイと思います。
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