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柳田国男の『遠野物語』第91話に、綾織(遠野市)の続石のそばでデートしていた山の神の邪魔をした男が祟りを受けて死ぬ話が紹介されている。
学生のころ、『遠野物語』を読んだとき、『続石』など実在するとも思わず、読み過ごしただけだったが、大船渡へ向かって走っている途中、ナビに名所マークのついた『続石』が表示されておどろき、『遠野物語』の記憶がよみがえってきたものだった。
純地質学的には背後の山から巨岩、土砂が転げ落ち、その後、雨水で土砂だけが流失すれば、かかる奇観も現出するといった説明はできるが、一方、人が積んだものという解釈もあって、ドルメンの多いフランス・ブルターニュからユーラシア大陸の東端の、それも遠野に伝播した、これは世界史的な視野で『続石』を考えなければいけない、とマジメに主張する学者もいるように聞く。
『続石』の大きさは、二つの石柱の高さ、幅、奥行きはともに2m、笠石は長
さ7.5m、幅4.6m、厚さ2.1mの巨大なもの(入口看板の口上)、しかも写真のように、一方の石でのみバランスよく保持されていて、しかも過年の三陸大地震はじめ、幾多の大地震にもビクともしなかったという。
だれかが何かの目的で積んだもの、なにせ『伝承の宝庫・遠野』、弁慶が積んだという話もあって、森のなかで“ドルメン”を目の前にし、何回かくぐりぬけるうち、いろいろと空想をかき立てられるような気がして、むしろこのようなな神秘的、ロマン的な説明や解釈のほうがピッタリするように思われた。
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