![]() |
![]() |
![]() |
二日目は七ツ石山を経て雲取山を目指す。山頂でゆっくり寛
いでから、以前通った三条の湯までの長い急坂を下って行く。
七ツ石山にはこれまで一度も寄ることなく過ごして来た。
何故だかまだ行ってなかったのだ。
名前の通り、大岩が七つかそれ以上ごつごつと山上附近に集ま
っている小高い尾根という感じの場所だった。
山頂からは、これから歩く雲取山までの尾根伝いの道がくっき
りと続いていた。近いなあと錯覚するが、ここからコースタイ
ムで2時間弱。一旦一気に下ってだらだらと奥多摩小屋まで登り、
また一気に小雲取山まで登ってから更に30分の距離だ。
私の足では3時間弱位だろう。案の定休憩を入れてだが、2時間
45分かかった。
山岳会で常日頃から言われているのは「苦しいかも知れないけ
ど、どんなにゆっくりでもいいから自分のペースで途中で止ま
らずに、せめて30分は休まず歩きなさい」というもの。
これまで何度と無く山岳会で色んな人と歩いて来て、そのこと
だけは守ろうと実践して来た。
未だに他人より歩行速度は若干遅い方だと思うが、30分〜40分
歩いて休憩5分のペースが守られれば、ある程度長い距離でも
歩き通せるようになって来たと思う。
手前味噌だが、30代から持病持ちで登山を始めても、充分楽し
めるようになるという証明になった。
奥多摩小屋から小雲取山までと途中から見通しの良い尾根道か
ら雲取山避難小屋までは一気にジグザグに急登をやっつける。
何とか登りきり、一日目から続く快晴の青空で遠くまで見渡せ
る山並を見やる。勿論富士山も美しい姿を現してくれた。
雲取山山頂で昼食をとゆったり1時間使う。山頂の道標の立つ
雲取山荘へと続く下り坂手前で記念撮影。その後、避難小屋の
ある場所へ移動し、岩陰で食事。最近横着して、ドリッパーを
使わずにカップに直接セットするタイプにしているが、持参し
た自家製パンのサンドウィッチとコーヒーで生き返る。
今回の食事は、最初の七ツ石小屋での夕食のみフリーズドライ
のライスとリゾットにスープだったが、他の3日分の食事の内、
2日目の山頂での食事までの4回分は全て全粒粉パンにクリーム
チーズを挟んだサンドウィッチで済ませた。最終日の昼食は、
雨の確率が高かったのでカロリーメイトと行動食の残りで誤魔
化したが、丁度良い量だったようだ。
初めて宿泊する三条の湯への急勾配の下り坂を滑らないように
慎重に下って行く。三条ダルミまで降り立つと、そこからは暫
らく山肌を撒くようにダラダラのこれまた長い下り坂を行く。
所々、切れ落ちそうな崖を通過しながら高度を下げて行く。
と、目の前を歩いていたカミさんがハタと立ち止まった。
何かと山道の先に目をやると、鹿が道の真ん中に一頭立ち止ま
ってこちらを伺いながらじりじりと近付いて来るではないか。
すぐに携帯を向けパシャリ!結構目の前まで来て、こちらが一
歩足を踏み出した時、傍らの茂みにピョンっと飛び出して、私
達を伺いながら回り込むように歩を進めて、私達が通って来た
道の後の山道を歩いて行った。
山に入ると最近鹿がやたらと目に付くようになった。
可愛いけど、山里では被害も多くなったという。
最近では、3,000m級の山岳地域でも頂上付近の山小屋近くまで
鹿が上がって来ているという。駆除しなければならなくなった
現実を観る度に悲しくなってしまう。
三条の湯でも、必ず鹿肉が食卓に上るくらいだから多過ぎるの
だろう。小屋までの道すがら、登山道のはずれで休憩中の小屋
主人と見習いの方が、ちょうど鉄砲を持って鹿を撃ちに来てい
た。
「今日は獲れなかったけど、毎食必ず何かしらに入ってますの
でお楽しみに!」とのことだったが、鹿との楽しい出会いの後
だったからか何だか複雑だった。
[part.3]へ続く↓
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する