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七ツ石山までの尾根道を歩くという目的は、何とか果
たせた。
鷹ノ巣山にはこれまでいつも日帰りで臨んで来たが、
今回はあの綺麗な避難小屋に泊まって千本ツツジ辺り
まで尾根伝いに歩き、峰谷の集落へ下る。
春の山らしく、山頂を繋ぐ尾根伝いに歩くと、待ちわ
びたように山菜が顔を出し始めていた。
ワラビ、モミジガサ、ヤブレガサ、コシアブラ、スカ
ンポ(イタドリ)、ウド、ノビル、ユキノシタと沢山観
ることが出来た。
嵩が増してしまったので、ワラビとノビルを中心に摘
んで来たが、他の山菜は同じ歩調で歩いていた別のハ
イカーに譲る。
その方には色々と食べ方や見分け方など教えて頂けた
ので良かった。次回の山菜採りで活かしたい。
5月9日(土)
奥多摩･･･東日原(10:40)→森林館斜め前／分岐��(10:50)
→巳ノ戸橋(11:00〜11:05)→稲村岩(12:00〜12:20)→
ヒルメシノタワ(15:00〜15:10)→鷹ノ巣山▲1,736.6m
(15:40〜15:55)→鷹ノ巣山避難小屋(16:15)／泊
5月10日(日)
避難小屋前(8:00)→巳ノ戸ノ大クビレ(8:05〜8:15)→
日陰名栗峰▲1,725m(8:45〜8:55)→高丸山▲1,733m
(9:20〜9:30)→千本ツツジ(9:50〜10:25)／分岐�茴�
(赤指尾根)→赤指山▲1,332.5m(10:50〜11:00)→
林道を跨ぐ(12:30)→林道に再び出る��(12:50)→
峰林道／所々で旧道を下る→峰谷(13:15〜13:30)･･･
奥多摩
ちょっと遅めの出発だったので、奥多摩駅から石尾
根伝いに歩いて登るのをやめ、いつも日帰りで登る
稲村岩尾根を登る。時間的にこちらの方が丁度良い
と判断した。
ここは、最初の50分程を一気に稲村岩の上まで回り
込むように急勾配の細い道を登る。
この急坂を休みナシで登るまでに過去2回の日帰りを
した。目を右下の谷側に移すと、山葵田跡らしき囲
いがされてる場所が見下ろせる。上に目を移すとや
たら陽を浴びた新緑が明るい。
稲村岩の上までよじ登り、木々の間から見える対岸
の山並を望む。風が通り眺めも最高だ。
下に目をやると登って来た山道上の新緑が眩しいく
らいだ。
小休止の後、再び尾根伝いに歩き始める。
ここの特徴は、やたら急な登りばかりが延々2時間10
分程続くことだ。
アルプスや縦走前のトレーニングに使う人も多い。
急な登りが3時間以上続くので、3本以上挟んでも充分
トレーニングになると思う。
ウチラは少し余裕を観て4本入れた。50分歩いて1本の
割合。休憩を入れて4時間弱というところ。
ヒルメシノタワという一息入れるには持って来いの唯
一平坦なヤセ尾根での最後の小休止で活力を入れ直す。
あと40分程で目指す鷹ノ巣山山頂だ。
進む毎に目の前の木々の間が明るくなって来る。
程なく山頂に到着！
山道から山頂広場に出ると同時に、山頂脇の左隅に幕
営している単独行者が笑顔で迎えてくれた。
ピークハント目的というより、温かい陽を浴びに尾根
伝いに登って来たのだという。停滞して翌日には山を
降りるという。そういう山の楽しみ方もいいなと思う。
二人でゼエゼエ言ってると、写しましょうか？と声を
掛けて頂く。
記念に山頂でスナップ！有難うございました。
避難小屋までの下りを20分程行く。途中、鹿に会う。
奥多摩の鹿も増えたものだ。やたら目に付く所に出て
来るようになった。会うと嬉しいけど、環境にとって
は決して良い状態にはないのだろう。
避難小屋に到着。ここはいつも素通りで、休憩でしか
使ったことが無い。今夜はここに泊まる。
収容人数10名だったので、多い場合は外でツェルトで
寝るしかない。温かいからそれでも良いかなと楽観的
に考えていたが、小屋の中には4人分のシュラフ＆マッ
トで場所が確保されているだけだった。(助かった！)
外のテーブルでは男性の二人組と単独行の男女。
ご一緒させて頂くご挨拶をして荷と寝具を置いて場所
の確保を済ます。
外のテーブルが3台固まった場所の脇にツェルトが一つ。
単独行の別の方が外で寝るのだそうだ。
その方、ツェルトのスペースを広げるための中に取り
付けるワイヤーのような細いポールを使い、結構広い
空間にして使っていた。
アレならこれからの季節、風さえなければ快適な夜を
過ごせそう。
ちょうど二人用テントのポールが破損していることも
あって、今回は避難小屋泊まりにしたが、こういう方
法も有りなんだな。一つ勉強になった。
荷物を整理して寝床を作る。冬用シュラフにシュラフ
カバーでは相当暑いかも知れないが、加えて一応念の
ため防寒衣も持参した。
水は多めに担いで来たので、水汲みは明朝にするとし
て周辺の散策。山道に少し出て、林の中に分け入って
少し歩いてみる。すぐにまた鹿が数頭の群れで現れた。
何だか野生動物と言う気がしない。
地面を見つめながら歩くと、出てる出てる！ワラビの
群生だ。まだ頭が丸まったままの生まれたてという感
じの小さなものが多かった。ツェルトで来ていた方も
ワラビ摘みを楽しんでいて話してみると、コレ位の大
きさなら一度サッと湯がいてタタキにすれば、粘りが
出て最高に旨いですよ。とのこと。
全てアク抜きが必要なのかと思ってた。目から鱗！
一度小屋まで戻り、夕飯に。いつも定番になっている
ラーメンとご飯のセットは今回は止め、パン焼器でい
つも焼いているパンを厚切りで持参し、最近CMで観て
気になっていたちょい食べカレーを持参。コンロで焼
いたパンに乗っけて食べてみる。案外イケル♪山には
カレーはつきものだと思う。それに家でざく切りにし
て来たキャベツとほうれん草を鍋に入れ、ラーメンを
作る。普段だと乾燥野菜を持参するかカップヌードル
で済ませてしまっていたが、全然美味しさが違う。
それにコンビーフとキャベツの炒め。コッヘルとセッ
トのフライパン、久々に使ったなあ。
大したものは持って行かなかったが意外に充実した夕
食になった。如何せん、一つ忘れ物があったのだ。
山上で飲む発泡酒、旨いんだよなあ。コレが無かった
ことで、グレードがガタッと落ちてしまった。
私は高度に弱い体質なので、アルコールを摂取出来る
標高は2,500m前後まで。それを越えると相当酷いこと
になるので、山上での飲酒はなるべく避けるようにし
ているが、ツマミだけあって飲むものが無いという状
態はちょっと辛かった。個人的には、アレは重さをあ
まり感じずに運べる数少ない代物だと思う。
18:00、小屋に泊まる人たちの姿が表に無い。皆既に
シュラフに潜り込んだ後だった。早出するにしても早
過ぎでは？と思うが、何もすることがないのでこちら
も就寝準備。カミさんの隣で寝ていた女性単独行者が
何だか困っていらしたので伺ってみると、朝5時頃って
明るいですか？という。ヘッドランプを忘れたのだと
判る。トイレへ行く時も必要だろうと自由に使って頂
くためカミさんとその方の中間にランプを置いた。
すぐに眠りに落ちたのだが、深夜0時過ぎに目覚める。
それから3時過ぎ頃まで寝られず、起き出して暗闇の外
へと出てみたら、30頭程の鹿の大群が一斉にこちらへ
振り返った。超吃驚！ヘッドランプの灯りに照らされ
た目がピカピカ光っていて、一斉にこちらを振り返っ
たからだ。ヘッドランプを消してみる。月明かりで結
構明るかった。トイレの中だけは真っ暗だったのでラ
ンプは必携だった。
再びシュラフに潜り込んで気が付くと、4:30過ぎ。
皆荷の整理と朝食準備で一斉に起き上がった。
私達はもう一眠り。5:00に起き出し朝食準備を始める。
私の隣に居た男性の二人組は、昨日の内に三峰神社か
ら登り始め雲取山のピークを踏んで、一日で避難小屋
まで下って来たのだと言った。凄いパワー！今日は石
尾根を下るという。若さとはいえ凄いと思う。同行者
は明らかに中高年。いやはやたまげた。
カミさんのお隣だった方は、これまで数回雲取山にテ
ントを担いで挑戦するも撤退に終わって来たのだとい
う。今日はイケルでしょう。頑張ってください！
皆が其々出発する中で、尾根歩きが主目的の私達とツ
ェルト泊の男性一人が温かい陽の許、ゆったりと朝食
を摂りながら談笑させて頂いた。
目的を決めずに宿泊準備だけして出て来るのだと仰っ
た。それも中々優雅な山歩きの方法だと思う。
この時期は山菜が豊富なので、出かけるのが楽しみな
のだと言われたが、そこは同感である。
8:00一足先に荷造りし出発。
先ずは目の前に見える日陰名栗峰▲1,725mを目指す。
ここは、山頂がやや広く見渡す景色もイイので歩く人
が多いと聞く。確かに登りもそれ程キツくなく、富士
山も裾野まで綺麗に観える。この日は生憎上半分のみ
薄っすらと見えていた。
そこから尾根伝いに目をやると、右にこれから行く高
丸山がやや尖って観える。左に目を移すと千本ツツジ
という分岐点、少し小高い丘といった場所だ。
今回の尾根歩きで楽しみだったのがヤマツツジの群生。
でも開花まであと二週間は必要だろう。まだ蕾も固く
開く気配すらなかった。唯一高丸山手前の鞍部で1本だ
け5分咲きのツツジが見れただけ。
そのツツジのある場所も足許はワラビがびっしり絨毯
のように生え広がっていた。
一人の女性が一心不乱にワラビを摘んでいたので声を
掛けると、この方も登山よりワラビ摂りが目的なのだ
と仰った。七ツ石山まで登ったら鴨沢へ降りるだけだ
とのこと。季節だねえ。
女性単独行の雲取山を目指していた方は、7:30頃そこ
を通過したそうだ。大丈夫！今回は行けたでしょう。
高丸山への急登を頑張ろうと歩き出す。
傾斜だけでいえば、東日原から稲村岩への登りと同等
かそれ以上の傾斜だと思う。但し距離は断然短い。
20分掛ければ難なく登り詰めることが可能だ。ただ、
滑り易いのでこの登りは注意が必要だと思う。
山頂に到着。頑張ったからかカミさんが珍しくへばり
気味だった。記念にザックを写真に収める。余程のこ
とが無い限り、ここに来ることはもう無いと思うので。
一旦下った後、千本ツツジ分岐まで少し登る。
後を歩いていたはずのツェルト君、先に到着して寛い
でいた。何で後から来たの？という不思議そうな顔を
されてしまった(笑)。
暫し長めの休憩。後は峰谷の集落へ下るのみ。
13:30のバスの時間まで3時間以上ある。ゆっくり下り
始めるには良い時刻だ。
聞いてみると、ツェルトの方も同じ道だという。
時々先になり後になりながら、会う度に山菜の話をし
て頂く。タメに成った。次の山菜採りの時には実践し
たいものだ。峰谷集落近くの峰林道に降り立つ頃、ヤ
ブレガサやモミジガサが結構出て来て、実物を観なが
ら少し教えて頂いた。
集落の旧道を下り始めると、やたら山菜が溢れて来た。
道端のユキノシタやノビルを夢中で摘みながら、バス
停までの長い林道を横断しながら下って行く。
発車時刻の15分前に到着。のんびり春を満喫した山歩
きであった。
※写真は左から、稲村岩／鷹ノ巣山避難小屋／摘んで
来た大量のワラビ
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