伊豆ヶ岳▲850.9m東尾根2010.4.11.

西吾野駅(9:20-9:30)→森坂峠(10:05)→琴平神社(10:30)→

伊豆ヶ岳▲850.9m(12:30-13:10)→正丸駅(14:35-15:25)

今回行ったのは、一年半前に会の先輩が地元の方から案内さ
れ登った地図に無いルート。
現在地図上で通行止めとなっている鎖場のある男坂ルートと
も違う道。
先ず西吾野駅から森坂峠を経て下久通(しもくづう)という集
落に出る破線ルートを辿る。
小さな川を渡り折り返して岸辺を歩き右手に見えて来る琴平
神社の鳥居を潜って東尾根に取り付く。伊豆ヶ岳頂上に続く
長い東尾根伝いを辿る急勾配な山道である。

30数年振りに会の山行に参加されるというお一人を含むメン
バー11名が西吾野駅に勢揃いした。
今回の山行は大病を経て回復した別メンバーの快気祝いを兼
ねて企画された山行である。
その方も元気に参加され、皆と談笑されていた。
各自準備運動の後集合写真を撮りいざ出発。
国道299号線に出て15分程吾野駅方面に戻るように歩く。
程なく右手に山腹に続く橋を渡り車止めの鉄柵横を進む。
今はあまり歩く人も居ないらしく、山道としては整備が必要
であろう。歩き難い。
樹林帯に入ると急坂となり15分程で指道標のある森坂峠のあ
る尾根へ出る。指道標は手製らしく簡素なもの。右へ行くと
本陣山、左はイモリ山、下久通へは直進となっている。
遥か先の古御岳・高畑山へと通じる伊豆ヶ岳からの尾根伝い
の縦走路に出るまで、指道標らしきものは見当たらなかった。
折角登ったのに集落までの道は急な下り坂で、時々滑りそう
になりながら気をつけて下る。10分程で樹林帯からあぜ道に
通じる細道に出る。里山は花盛りで所々に色とりどりに咲き
誇っていた。流石に蕗の薹や土筆は開き切っていて食する時
期はとうに過ぎているようだった。
小さな川を渡り折り返すように反対側の岸辺を歩く。
右手上方に鳥居が見えて来た。琴平神社である。
ここを潜り、いよいよ東尾根を辿るルートに取り付く。
踏み跡は微かで、一度でも来た事のある人が一緒でないと迷
い易いだろう。

昭文社の山と高原地図「奥武蔵・秩父」を参考にすると、同
じ駅を基点とした通常ルートと考えられるのは、西吾野駅か
ら299号線を北上しGS前の分岐を左に、小鍾乳洞近くの分岐を
右へ行けば男坂方面、左に行けば下久通・八坂神社・上久通
を経て古御岳への縦走路との分岐へと続く。

今回のルートは、八坂神社手前の琴平神社から地図上の長い
尾根伝いに行くルートとなる。
地図には破線すら記載されていない。岩場はほんの少しだが、
ヤセ尾根で四つん這いになりながらよじ登るような場所もあ
る変化に富んだ楽しい道であった。
鳥居を潜り最初の樹林帯へ。時々アップダウンしながらも少
しずつ高度を上げて行く。人があまり入らないからか大潅木
が幾つも行く手に現れ心和む。
針葉樹林帯では、所々手入れされているようなので元々は林
業従事者の作業道なのではないだろうか。
先月の大風で倒れたと思われる新しい倒木が幾つもあった。
大きな木々に自生するサルノコシカケも大きなものが目に付
いた。空気も清々しく感じる。
小高いピークを越える度に少し下るのでその分行程が長くな
るようだ。歩行時間は推定で2時間半〜3時間位と考えていた。
標高差も実に848mもあった。殆ど地上3mから一気に山頂まで
登り続けるようなものである。しかもアップダウンが続くの
で、結構な時間が掛かるのだろう。頂上まではたっぷり3時
間掛かった。
中間地点を過ぎた尾根上でイワウチワが可憐に数輪咲いてい
たのでパチリ！自身あまり見る機会が無かった花だが、葉が
小さい割に花がやたら大きい印象を受けた。
近くに花の時期も終わりに近いカタクリが2輪だけあった。
急な斜面を慎重に2m程下りこちらもパチリ！

山頂まで、50分毎に計3回の休憩を挟みその都度エネルギー
を充てんするようにお湯と共に何かしら口に入れる。
春のこの時期はいつも迷うのだが、水を持参するかお湯にす
るかいつも考える。今回はお湯にした。気温は温かかったが
午後から雨になる予報が出ていたことで大事をとった次第。

最後の急登は岩登りとなる。…と、ここで先頭を行くメンバ
ーが左手に僅かに残る踏み跡を辿って右手に山頂を見ながら
急斜面のトラバースを進む。落ち葉が堆積し腐り、フカフカ
になった細いルートでしかも枯葉の下の土はやたら滑り易い。
慎重に通過する。
もしかするとここが一番神経を使ったと思う。
程なく古御岳と伊豆ヶ岳を結ぶ尾根道に出る。
右に折れ10分程ロープの張られた急坂の最後の登りを頑張る。
山頂手前の大岩に迎えられ、気持ち少しばかり広くなった伊
豆ヶ岳山頂に到着した。

少し下がった広場のような場所にザックを下ろし昼食タイム。
山頂から西方には、木の間越しに削り取られた武甲山や稜線
を左に辿ると子持山・大持山と臨める。反対の東側には、登
って来た長い東尾根が随分先まで続いていた。
こんな長丁場だったのか。
1時間程で下山開始。下りは女坂を使い正丸峠方面へ。
階段状の坂を下り切ると男坂との分岐に。岩壁のある男坂は
ロープが張られ現在は通行禁止となっている。記念に(？)写
真だけ撮って来た。

正丸峠まではまだ随分時間が掛かりそうだというので途中右
に折れ直接正丸駅へと下るルートを取る。
途中、大きな岩盤の点在する箇所があったので再訪してみて
も良いかも…。傾斜が少しあるのでフィールドとしては不十
分だがちょっと挑戦してみたい。
岩登りは登山には必要なバランス感覚を養ってくれるのでロ
ープワークを忘れない程度に時々は行った方が良いのだろう
と改めて思う。
程なく、正丸駅へと続く舗装路に出て最後の小休止。
大倉山集落には所々桜が満開で小高い丘の上の枝垂れ桜は見
事であった。
正丸駅前で集合し解散式の後、茶屋にて一杯。
ビールと地酒で喉を潤す。
歩き甲斐のある楽しいハイキングであった。