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5月22日(土)
奥多摩駅…峰谷→三沢→奥→(浅間尾根)→鷹ノ巣山避難小屋／泊
5月23日(日)
鷹ノ巣山避難小屋→日陰名栗峰▲1,726m→高丸山手前��(撒き道へ)→
千本ツツジ分岐�茴�峰谷…奥多摩駅／「天益」にて食事
今回はカミさんが出張準備で休日返上となったためソロで出かける。
下山でしか使ったことが無かった峰谷川沿いの林道を辿り、浅間神社、浅間尾根経由で避難小屋まで直登する山道をルートとした。
峰谷バス停から進路を右に取り暫らくは林道歩きとなる。
途中、右手のつり橋を渡り暫らく歩くと巨樹に出会えるルートであるがそちらには行かず左手に進路を取る。三沢集落を経て民家の畑の間を右に折れ暗い樹林帯の一本道を辿る。程なく奥集落の一角にあるフジの花の美しい一軒家の前に出、再び林道を登って行く。
少し進むと明るい谷筋の奥集落最上部が見渡せる場所まで来た。
最上部の山道入口までジグザグに登り詰めると、がけ崩れで通行止めとなっている林道終点左手から浅間神社へ通じる樹林帯を抜けて行く急な一本道が現れる。
この時点でお昼を過ぎた辺りだったので軽く昼食を摂る。
ここから2時間位なので、ゆっくりとした歩調で休憩1回のみで避難小屋に到着。小屋手前の水場で途中採取したアサツキ、ヤブレガサを晩餐の一品にしようと綺麗に洗い、水の補給も済ませる。
水場では、単独のハイカーお二人とお会いする。一人はトレランのトレーニングで水分補給し、もうお一人は峰谷バス停へ時間に間に合うだろうかとしきりに時間を気にされていた。残り1時間半と少し危うい感じがしたが間に合っただろうか。
避難小屋から下りて来た若いカップル(ご夫婦だと思うが)に会う。
やはり今夜避難小屋に泊まるという。挨拶をし小屋へと急ぐ。
小屋前に到着すると、前回もお会いしたK氏が既に収穫された大量の山菜を小屋前のテーブルに並べて寛いでいた。
にこやかに挨拶を交わして再会を喜ぶ。
小屋内の一角に荷物を安置し再び表に出る。
こちらも途中摘んで来た少ない収穫をテーブルへ。
葉が開ききったヤブレガサは結構固いので煮込み料理や鍋の具には良いだろうとラーメンの具にすることにし、アサツキは球根の部分を生で頂きツマミにしようと話す。
K氏、改めてお会いし話してみると彼もまた都岳連の或る団体に所属されていて収穫した山菜を毎年仲間に振舞う宴会を開いている方だと知る。しかも昨年自分たちとお話した別のハイカーともお知り合いらしくどんどん話が弾む。
収穫された山菜の中に一つ、イケマがあった。
根の部分に毒性があるイモ科のツル植物のようだが、これを新芽の部分だけポキンと折ってよく茹で、茹で汁が真っ黒になるくらい火を通してからサッと引揚げると鮮やかな緑色に変化。これを塩を振るかマヨネーズで食するとシオデと同様にアスパラのような爽やかな旨みが口中に広がる。帰宅後に山菜図鑑で調べてみると、ガガイモという似た植物があるが葉の形と花の色が異なるので覚えてしまえば嬉しい逸品となると判る。
今回はコレを教えて頂いたのが何よりの収穫であったかも。
彼の収穫の中に、コレ以上無い位旨いウコギ科の二つの山菜があった。
ミツバウツギ(生で口に含むとミツバのような爽やかさが広がる)、コシアブラ(言わずと知れたタラノメに次ぐ山菜の王様)の二つである。
コシアブラは小屋前では食べなかったが、ミツバウツギは生で食べさせて頂いた。口中に広がる三つ葉系のスーッという爽やかな味が病みつきになる。生え方はコシアブラに似ているが、違うのは茎まで鮮やかな緑色で全体に小振り、コシアブラのように一本の立ち木にならず、幾つか枝分かれすることだろうか。
ご存知無い方が多いらしく手を付けられずに沢山収穫出来る山菜の一つだと教えて頂いた。
小屋内で改めてシュラフをセッティングし荷物整理の後、外のテーブルで夕食前の酒盛りとなった。勿論そこは山菜のオンパレード！収穫一日目の晩餐としては充分過ぎる豪華な宴会となった。
イケマのマヨネーズ和え、持参したキャベツとヤブレガサ、アサツキの球根部分入りの醤油ラーメン、塩ラーメンに付いていた粉末スープで作るアサツキの葉の部分がたっぷり入ったあっさりスープ、ミツバウツギはそのまま、ワラビは下処理があるので眺めるだけ(笑)。楽しい食事となった。
K氏の知識の豊富さに驚かされた一夜となった。
この季節は結構暖かいので防寒衣は薄手のフリースが一つあれば、後は雨具の上下で充分暖を取れる。K氏は雨具の上着を羽織り自分はフリース1枚羽織り、外のテーブルで延々夜8時まで談笑した。
その間、小屋前には何度と無く鹿の群れが近付いて来てはまた何処かに行き、暫らくするとまた現れた。
誰かが餌になるものを与えてしまったのではないだろうか。こちらに近付く距離が余りにも近い。人を恐れない野生動物って…。
お開きとし寝床へ。
予報で日曜日が雨になるのは充分判っていたのでなるべく早出を考えていた。
翌朝4時過ぎに目覚め朝食をサッと済ませて準備を終える。
K氏は前夜話していた地図に破線さえない尾根伝いの道を日原まで下りるという。ヒルメシノタワから左方向に伸びるヤセ尾根を辿り稲村岩に取り付く手前の吊り橋脇に出るルートだ。途中所々に山菜が沢山出るらしくこちらより30分程早く発つ。またの再会を約し出発を見送る。
自分は予定通り日陰名栗峰を経る尾根上の正規ルートを辿り高丸山手前の広い場所でワラビ狩りに夢中になる。
大きな袋がワラビでいっぱいになる。ザックの横に着けるとバランスが悪くなるので中に収納し、千本ツツジ分岐から左に峰谷集落への道を行く。通いなれた道ながら、張り出した根が雨により滑り易く、気をつけていながらも3度程滑る。少しばかりヤバそうな時が2度あり肝を冷やす。危うく斜面を滑り落ちそうになった。危ない危ない！
赤指山を撒く道までの間にイケマが数多く現れ結構な収穫となった。
峰谷集落手前の最初の林道に降り立つ手間の杉林では、開ききってはいるがヤブレガサの群生が現れなるべく若い小さな葉だけを選んで摘む。
集落まで来るとまた前回と同じ場所にユキノシタ、アサツキが出ており一部摘んで来る。
雨だったので早めに降り立ったが、バスの時間まで2時間近くあり峰谷橋まで歩くことを一旦考えたがそれは止め、一つ手前の峰谷渓流釣り場の一角で雨宿りをしつつ発泡酒を飲る。バスの時間まで行動食の残りを肴に寛ぐ。
バスに揺られ眠りに落ち暫らく、奥多摩駅に降り立つと、自分を呼ぶ声に振り返るとK氏が傘を指して待ち構えていた。
(吃驚！)とっくに下山しているはずの時間だったので驚く。
(どうされたんですか？)のこちらからの問いに
(何か腹に入れませんか？もう済みましたか？)という。
首を横に振ると、(餃子の旨い店がすぐそこにありますよ!)と促され真新しい格子戸が目印のようなカウンターだけの店に通された。
餃子の旨い店って奥多摩には結構あるけど、随分昔に黄色っぽい暖簾が出ていた餃子の店かなあと思っていたら、その店が駅前の一角に移転したのだという。「天益」という店だ。
K氏に薦められるまま先ずは餃子をお願いする。名店と言われるだけあり旨い。駅前の「センター」と商店街奥にある「おく」の2店舗に今回の「天益」が加わり、益々山歩きのアフターが楽しみになった。
峰谷までで収穫した大量の山菜を見て頂き、また山菜談議が白熱したのは言うまでも無い。午後2時ごろから4時過ぎまでついつい楽しくて話し込んでしまった。その間、ツアーガイド4名の方が入って来られ少し甲武信小屋の話で盛り上がる。雲取山荘で25年勤めているスタッフの一人とも知り合えた。ご紹介頂いたK氏に感謝である。
ウチの山岳会をご存知だったことも驚きだったが、得難い友人と出遭えた気分だ。
しかも、今回一緒に来れなかったカミさんへとミツバウツギとコシアブラをお土産にと用意してくださっていた。感謝しきれないではないか。
お礼を述べ、有り難く頂戴する。
4時53分発のホリデー快速に乗り込み其々の帰途に着く。
二日目は雨降りだったが中々体験出来ない楽しい単独行となった。
こんばんは。はじめまして。良い出会いと経験満載の読み応えある記事に，思わず最後まで読んでしまいました。単独の男同士だからこその偶然や必然がもたらした再会から，shamrockさんのお人柄の良さが伺えます
私もそんな山歩きが出来るよう，日々精進しようと思いました。
コメント有難うございます。
ソロで山に入ると時折意気投合することがよくあります。
この方の場合、昨年の同じ時季にやはり同じ鷹ノ巣山避難小屋でご一緒したのが最初でして、何かしら縁があるような気がしてました(笑)。
気さくで話し易く良い方です。
梓川のお写真、綺麗ですね。
上高地から涸沢までの山道は、いつ歩いても飽きることがありませんね。素晴らしい景色だと思います。
shamrockさんの日記を拝読し、そのうち絶対に鷹ノ巣山避難小屋に泊まりに行こうと決意しました。
まだシュラフも持っていないし、小屋に泊まったこともない登山初心者なので、とりあえずは日帰りで行ってみますが、なんだか目標ができた感じです。
鷹ノ巣山避難小屋に泊まったら、つぎはshamrockさんの日記に出てきた単独行の女性のように雲取山への縦走を目指したい……。
できるかどうかわかりませんが、とても励みになりました。
楽しい日記をありがとうございました。
junharadaさん、初めまして！
コメント有難うございます。
何と！一年前の日記までお読み頂いたのですね。
嬉しいです。
ここは一年前まで単なる通過点か日帰りコースでしかありませんでした。避難小屋にも昨年同時期に初めて泊まりました。綺麗で快適なログハウス風の小屋です。
夜中に外に出てみると鹿の群れが！
雲取山の帰りにここで一泊してゆっくり石尾根を下るのもまた良いと思います。
これからもお互いに安全で楽しい登山をして行きましょう！
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