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今回の目的は正規ルートではない鳥屋戸尾根から登り、まだ未踏峰の蕎麦粒山を踏み長沢背稜を歩くこと。雲取山から三峰口方面に下る時、芋ノ木ドッケから東に延びる長沢背稜を歩いてみたかった。
何れは雲取山からの帰りに長沢背稜をを歩き川苔山・本仁田山を経て奥多摩駅へ下る長いルートも歩き通してみたい。長期の休みが取れるのはいつの日だろうか…。
6月26日(土)
奥多摩駅…川乗橋(9:46〜10:10)→((鳥屋戸尾根))→
笙ノ岩山▲1,254.8m(12:20〜12:30)→塩地ノ頭(13:50)→
松岩ノ頭▲1,266m(14:20〜14:35)→十字路��(15:10〜15:20)→
一杯水避難小屋・泊(17:00〜)
6月27日(日)
小屋(7:50)→十字路直進→天目山▲1,576.0m(8:30〜8:50)→
ハナド岩(9:30〜9:45)→大栗山▲1,591m(10:10)→
七跳山▲1,651m／��(11:00〜11:15)→((七跳尾根))→
小川谷林道に出て��(12:40〜13:00)→日原鍾乳洞先の分岐�茴�
東日原(15:20〜16:17)…奥多摩駅／「天益」にて食事
いつもの奥多摩駅8:30発の東日原行きに乗れず、一本後のバスで川乗橋へ。川苔山への登山道として一般的だが今回は川乗橋ゲートから最初の左カーブ左側から登り始める鳥屋戸尾根を歩いてみる。正規の登山ルートとして整備されつつあるかつてのバリエーションルートである。今では赤テープの他トラロープや木製の階段が設えられて、ルートを見失うことは稀だと思う。ただ、長く険しい山道は変わらず未だに滑落する遭難者が時々出ると聞く。何箇所か危険だなと思う傾斜があり慎重に通過する。
最初の取り付きは針葉樹林帯のだらだら坂。所々急勾配になりながら一気に900m地点まで登る。特に指道標は無い。地図とコンパス、高度計を見つつゆっくりと登り詰める。踏み跡はしっかりと着いているので山道を見失うことは余程のことが無い限り有り得ないとは思うが、笙ノ岩山▲1,254.8mを過ぎ細い尾根筋を歩くようになると、所々で不明瞭な箇所が出て来る。一箇所1,258m地点手前で左右に分かれる分岐があり、どちらにも赤テープが先まで続いていた。ここは地図上で左の尾根筋を辿る箇所だとすぐに判明したので迷わず通過。右方向は百尋ノ滝に向かうルートだと思う。
時々思い立ったように急登が現れて細い尾根筋の道に上がり右方向に川苔山が綺麗に見渡せる。また樹林帯に入ったかと思うと真っ暗なトラバース道を緩やかに回り込んで登り詰める。
900m地点へ向かう時に早足に追い越して行った単独行者のみで他には誰とも会うことも無く、蕎麦粒山へと通じる十字路まで静かな山歩きが出来た。
途中の休憩や歩行時間の長さから既に15:00を廻っていたので今回は蕎麦粒山登頂は諦め次回の課題とした。進路を左に取りトラバース道へ。
ここから地図上のコースタイムで1時間半以上掛かるとなれば小屋手前の水量の少ない水場での給水で時間を取られることも考えられる。真っ直ぐ避難小屋へ急ぐことにした。
蕎麦粒山から酉谷山へ向かう長沢背稜は歩き易いハイキングコースのようだ。だが緩やかとはいえずっと登りとなるので長い歩きで利用するなら逆コースがお薦めである。周囲はブナやカラマツの大樹が犇き自然林の素晴らしさを充分に味わえる良いコースだと思う。
何箇所かの分岐を経て小屋から200m手前の水場に辿り着いた。
水量は結構あってすぐに給水完了。担ぎ上げた2ℓの水の他に更に2ℓ分の補給を終え一杯水避難小屋へ向かう。17:00にやっと到着。ヨコスズ尾根上に建つ定員12名の立派な避難小屋であった。
中に入ると単独の男性がお一人、小屋の一番奥の一角に座っていた。
雨予報だったので入山者が少ないのだろう。挨拶をし中に入る。
登りはずっと雨降りだったのでカッパを乾かし入口附近で寛ぐ。すぐに寝床を作り夕食に。
今夜は簡単にフリーズドライ食品で、と言っても今は結構美味しいものが出て来ていると思う。
つい先日山雑誌で見つけたアマノフーズ製“瞬間美食”シリーズのチキンカレーとお馴染み尾西の白米、無印良品のフォーを食べるスープ2種、これにスキットルに入れて来たこれまた馴染みのアイリッシュウィスキー「タラモアデュー」とコーヒーで大満足な夕食となった。
疲れ切っていたこともあり夕食後30分程で即就寝。前々日のサッカー観戦で完徹したのが効いていたようだ。
途中起きることなく5時までぐっすり！起き上がると既に単独行の方は出発した後であった。カミさんに聞いてみると4時半には小屋を出られたそうだ。酉谷山を目指すということだった。同じルートか。
すぐに朝食を作る。いつものHBで焼いたパンにちょい食べハヤシを乗せて食べる。無印良品のオニオンスープ、ミネストローネを其々お湯を注ぐだけという早さで準備完了。これにいつものコーヒーという超簡単な食事となった。これだけでも充分旨い。朝食後20分程で掃き掃除を済ませ出かける。
昨日行かなかった蕎麦粒山へ行って川苔山経由に変更しようかという話も出たがそちらは次の機会にし、予定通り先ずは天目山(三ツドッケ)を目指すことにした。小屋からまっすぐに登って行く。昨日からの雨で翌朝も同じように降っているからか山道は泥濘歩き難い。滑らないようゆっくりと歩を進める。樹林帯の中に十字路が出て来たが、どうみても山頂はこっちだろうと左折、尾根筋を辿る。
突き出た岩山のようなピークが2箇所あったがここは山頂ではない。
一度下り更に登り返すと山頂表記のある天目山▲1,576.0mに。
色んなガイドブックに書かれている通り石尾根を端から端まで見渡せるので、ここを訪れる価値はあると思う。もう少し天気がよければなあと思いながらも低く垂れ込めた雲を従えた石尾根縦走路を右の雲取山から左へと目を流しながら眺める。
余りに良い景色だったので、結構満足してしまった。今回は雨だし無理せず酉谷山まで行かず七跳山迄とし、七跳尾根を下って小川谷林道を辿る最短コースに変更した。
行く先々でルートを変更する山歩きはソロやカミさんとの山行であれば臨機応変に出来る。
天目山からの下りは岩や木の根が張り出し雨で濡れて気を抜くとすぐにズルッと滑るので慎重に下って行く。長沢背稜の正規ルートに20分程で出ることが出来た。
暫らく歩き大栗山の少し手前左手にあるハナド岩という鼻先が突き出たような岩場の展望台で単独行のお二人に会い、内お一人と少し話す。滝上谷を遡上して来たと渓流シューズのまま岩場に立っていた。一杯水の水場の話が出たので余分に汲んで来ていたこともあり500mℓの半分位をお分けする。旨い旨いを連発して飲んでくださった。ここの水、柔らかく癖があまり無く珈琲にも合う美味しい水であったので、プラティパスに2ℓ分余分に汲んで来た。
また1時間弱尾根の左斜面を歩く。七跳山へと続く分岐に到着。山頂へ行かず七跳尾根へと続く道を辿る。この辺りで木製の橋を数箇所渡るが、滑りそうで怖い。慎重に通過。七跳尾根へと進路を取ると急にジグザグの急坂となる。自然林の素晴らしい道であったが斜面が急で何度か滑りそうになる。少しずつ下草が出る箇所まで下って来るとイケマやアザミ他山菜の宝庫であった。だが時期も既に終盤を迎え、摘まれた跡だけが残る。2番芽、3番芽ばかりだったので採集を諦める。来年の晩春辺りに再訪しようとカミさんと話す。
ゆっくりと周囲を見ながら下っていたので、小川谷林道へ降り立つまでに1時間20分程掛かる。林道からは土の道を半分以上、舗装路をほんの少し合わせて2時間前後という長時間の林道歩きとなる。流石に飽きるので途中花を見つけては写真に収め3回程休憩を取りながら日原鍾乳洞近くまで辿り着く。神社手前の右手に一石山への登り口があった。次の機会にはタワ尾根を登って酉谷山経由で蕎麦粒山へ行こうと改めて話す。酉谷山避難小屋が復旧していることは最近知ったので是非行ってみたいと思う。
東日原BSに到着したのが15:30。バスの時間まで1時間弱、ザックに腰掛けてアイスを口に運ぶ。
奥多摩駅に16:35到着。駅前の「天益」へ行くと女将さんが笑顔で迎えてくださった。カミさんも一緒だというと歓待される。前回訪問時もお会いした救助関係者のお一人とまたお会いし少し話せた。
とにかくバス停で我慢していた生ビールと食べるのが楽しみだった餃子を其々一皿ずつ、更に焼きうどんを一皿頼みほろ酔い気分で17:40発の青梅行きに間に合うように店を出る。
満杯に近かったが丁度2人分の席が空いていてよかった。カミさんもここの餃子は気に入ってくれたようだ。次の酉谷山も近い内に行こうと計画する予定だ。
初めまして！相中です。本格的な奥多摩コース回遊録、懐かしく拝読しました。もう６０年近くの大昔に、ほぼ同じコースを歩いたことがありました。藪が深く夜はツェルトでしたが深山の様相を強く感じ、いたるところで感動を覚えました。当時、小河内ダムは無く、奥多摩湖も無く、深い美しい渓谷に細く高く長いつり橋が架かっておりました。氷川駅（現在の奥多摩駅）に着いて、駅前のバスロータリー向かって現在、右隣の食堂に入り、温かい食事をしたのも同じ行動パターンです。奥多摩へ行くたびに必ず立ち寄る、何でも出来て総てが美味しいお店ですが、店名も知らないまま現在の店主ご夫妻とは顔見知りです。奥多摩に行くたびにゴールインはこの店での食事と酒になります。最近は近くの温泉施設「もえぎの湯」が食事のあとの山汗流しに使え、気持ちよく帰宅することができます。最近は年老いてハードな山歩きが出来ませんが、奥多摩の山麓歩きを楽しんで居ります。貴記録中の「天益」というお店は美味しそうですね。
shamrockさんの詳しい本格的な記録を読ませて頂き、懐かしい奥多摩に胸が熱くなり投稿させて頂きました。相中廉
ainakarenさん、初めまして。
拙い文章を最後までお読み頂き有難うございます。
奥多摩は様々なコース選びが可能で尚且つあまり人の往来の少ない静かな歩きが出来るコースもあるので、ついつい足が向いてしまいます。
流石に梅雨明けともなると蒸し暑くなりますのでアルプス方面へ逃れるか沢歩きをするかという季節になりつつあります。
「天益」は、以前は商店街の中にあり50年近く黄色い暖簾を掲げていた餃子が食せる飲食店としての歴史があるようです。当時は私にはまだ敷居が高かったので入ったことがありませんでした。
今のバスターミナル左脇に移ってから3年ということですので私はこの店では新参です。
以前鷹ノ巣山避難小屋でご一緒させて頂いた方に連れて行って頂いたのが通い始めるキッカケとなりました。
山行の後には必ず立ち寄り生ビールと餃子で締めております。いつかお会い出来るかも知れませんね。
相仲です。御返信深謝です。駅前の食堂は店名こそ知らないのですが洋食、和食、中華、蕎麦、うどん、ラーメン、餃子まで、何でもできてどれも美味しく、酒まで呑めるのです。代が変わる度にレパートリイーが増えて、味はそのまま美味しさが引き継がれていたのでしょうね。昨年も今年も何度か行きました。山麓を歩いてからそこで食事と酒を済ませ、「もえぎの湯」で露天風呂に浸かるのがいつものコースです。いつも横浜に着くのは終電近くです。「天益」は貴記録によると美味しそうなお店ですね。次回は是非其処に行きたいと思います。
昔、獅子口小屋が有った頃は主の木宮さんの話を聞くのが楽しかったものです。 今は痕跡だけですが、息子さんが山葵のお店を引き継ぎ、獅子口屋の山葵漬けは名品ですね。私は時々日向和田周辺を歩きますが、梅郷の梅公園の近くの獅子口屋支店で俊明さんから山葵漬けを沢山買い、お土産にします。以前は奥多摩駅前の食堂でも買えたのですが、山葵漬けだけは日保ちが悪いので直販だけにしたと話して居られました。他の山椒や蕗の佃煮などは食堂にあります。なんだか懐かしさのあまり、長話ですいません。次は「天益」に行きますので、お店で遭遇しました節には宜しくお願いします。相仲廉
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