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服部文祥さん著作の本。図書館で人気なのか予約待ちでようやく読破できました。
ここ数ヶ月でこの方を知ったのですが、「まさに自分のやりたい事」の極地が、この方に詰まっている、と思いました。
特に最初の導入に痺れました。海外の山に、ポーターを雇って、荷物運びや道を作って貰ってわざわざ登頂しにいく。それって自分の求めていた登山なのか?と著者が思ったのと同じ疑問を私も抱きました。
決して色々なあり方を否定している訳ではないです。それも、1つの登山のあり方でしょう。でも、それって自分が登山に求めているのとちょっと違う、と思ったりするのです。
よく、旅行ツアーの一貫として参加している山登りの人と、登山の人との違いというか。。「山小屋にシャワーが無い・布団が狭い・山が悪天候でルートを変えなくてはいけなかった・時間通りじゃない・歩いた道が厳しかった」等の苦情は、小旅行の延長としての登山の様な気がします。普通の旅行だと、日程は時間で厳密に決められ、ほぼすべてが快適に行くように催行されるでしょう。でも、登山、という行為の根本は自然と向き合うもので、それは一方では快適さの正反対を行くものでもあると思います。不自由な中で厳しい環境と制約のある自然の中で、それでもその自然のもう1つの側面、景色が綺麗だったり空気が綺麗だったりというものをどれだけ楽しめるのか。どちらも楽しむ事が登山という行為そのものの根本にあるような気がします。
そしてそれは、人の「生きる」という根本、服を着る、食べる、住む(寝る)、といった生活の根本の見直しを一つ一つ確かめて、そこに感謝する事に繋がってくる様な気がするのです。
言いたい事がうまく纏まりません。
でも、きっとこの本には、そうした、人間が原始の感覚を取り戻すような野性味と本能、そしてそれすらも自然の1つであるという生き生きとした感覚が伝わってきます。
最初の導入以外はほぼ、肉を捌いたり、山菜の取り方だったり歩き方だったりというハウツーです。この人独自のものなのですが、本当に具体的なので、それがまたよかったりします。
ブッシュクラフト等がお好きな方とかにはお勧めです。究極的には私もこういう登山・こういう生き方を目指していきたいと改めて思わせられた本でした。
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