【重要】
ガス(火気)の取り扱いはその容器の大小・法令の適用の有無、単に詰め替えということに関わらず、いったん誤れば事故につながりますので、人に言われるまでもなく細心の注意を払う必要があります。
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例えばテント内ガスストーブを使用中に転倒させるなどして引火すれば、ガスのの詰め替えどころではない大きな事故に直結します。アライテントはテント内に設けたポケットの表に「テント内での火気をしないこと」などの注意事項を書いたタグを付けています。テント内での火気の使用を禁ずることは、アライテントにあってはその責を負わない、重大な事故となっても、それは自己責任ということになるでしょう。
それにもかかわらず厳冬期の高所での幕営、暴風雨での停滞中の幕営の際のみならず、テント内でガスストーブを使うことがありますが、スタビライザーを忘れ持って行かないときなど、ちょっとひっかければ火が点いたまま転倒させれば命はないと思わないわけではありません。それを他人から自己責任でなどと言われる筋合いはないことながら、大きな事故につながるものであることには違いありません。
昨年11月末の小雪の舞う日に、三斗小屋温泉でテント泊をしたとき、他の4つのテントの人たちは、全員が夕食も朝食もテントの外で作っていて、この人たちは「やるなぁ」と思ったものでした。また礼儀も正しく、お酒を飲みますので声が高くなることがあったらお許し下さい、何時まで飲ませて下さいと、今どきのスマートな日本人の姿を見たのでした。
OD缶の詰め替えに基づく事故事例は少ないようですが、テント内で使用中のガス缶を転倒してしまうことは大きなリスクとなり得るものです。
詰め替えが「生産者の不利益」につながるとか、詰め替えて使うやつはケチだというような卑小些末な問題ではなく、法令上何が正しいのかという観点で、ガス缶の詰め替え問題に興味を抱かれた方は引き続き、この日記をご覧ください。また、自己をことさらに主張したい方は、ご自身の日記をご活用ください。
生産者が常に正しいのではなく、時には社会性を逸脱しあるいは法令を遵守することなく活動することがあるので、「何かを疑う」目を持つ必要もあると思います。
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岩谷産業株式会社は、産業・家庭用ガス専門商社であってLPG分野で日本No.1のエネルギー企業である。その企業がいわゆる「つめかえ君」を販売していたのであった。
前回の日記でも記した通りカセットコンロ用カートリッジには、「再充填禁止」と表示されるべきものでありながら、ガスの専門屋である同社はCB缶(CD缶というのは誤り)から他のCB缶への再充填器具である詰め替え商品を販売していた。
所管官庁からの指摘を受け、2007年に商品の回収広告を出したが、その商品は2022年3月3日現在も高額で取引されている。指摘を受けたということは、CB缶への再充填あるいはCD缶を利用した他の容器への再充填は許されていないとみなされる。
手元にあるPRIMUSのOD缶は2011年11月13日に購入したものであるが、容器には「再充填された場合には責任を負いかねます」と書かれていて、それは生産物賠償責任保険による損害賠償は行わないということを示しているに過ぎない。その後に購入したOD缶には「ガスを再充填しないこと」と書かれていて禁止とは書かれていない。(SOTOは「禁止」と書いている。)
ガスの専門家であっても「つめかえ器具」を販売するような手落ち(?)があるほど、ガス関係の法令は単に文言を拾っていくだけでは素人には理解・解釈が難しい。2007年に指摘を受けてCB缶のみならずOD缶の詰め替えも同じく不適切(不適法)なことであれば、それ以降生産者として法令に基づき消費者に分かりやすく周知する社会的責任があったであろう。「つめかえ君」問題は生産者の安全への想いだけではなく利益への想いも内包していたであったろうことは、前回の日記にも書いたことであるが、つめかえ君へのニーズを自社で取り込もうとしたと思われても否定のしようがない。
「液封」?
この日記を読まれた方は、液封という意味をご存じだろうか。
小難しいこの字句の意味を知っているなら、高圧ガス関係法規など隅々までご存じだろう。
高圧ガス関連法令中、同法の適用除外としての「混合の液」あるいは「小さい容器」に「つめかえ君」問題の答えが潜んでいるようだ。
つめかえ君問題を金銭とか節約(つまりケチ)に矮小化し本筋を述べないことは鼬の最後っ屁と捉えられても仕方あるまい。ものごとの本質を深掘りすることなく、言葉の上っ面をとらえ自己の価値観あるいは思い込みで表層的に判断(批判)することは浅薄との誹りを免れ得ない。
液化プロパンガスは15℃から60℃になると体積が20%増えるそうです。
液化ブタンやイソブタンの膨張係数はネットではわかりませんでしたが、大きく違わないと思います。なのでガスの詰め替えをする場合には液で満たされない空間を20%位は残しましょうという事ですね。勉強になりました。
「液化ガスと温度」の関係はとても大切なことだと考えます。
満タン詰めしたことによって生ガスが噴出すると予期せぬ事故につながります。
満タンでなくともおっしゃられるように膨張することも考えておく必要がありますね。
そうですね、液封状態(満タン詰)で温度が上昇して膨張すると生ガスが噴出するどころじゃなく缶が破裂しますから、大参事です。
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