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日ごろお世話になっている奥多摩界隈やその周縁の登山環境についてチェックしていると、環境省の文書に登山に関し
「秩父多摩甲斐国立公園では原生林の中に綴られた登山道を数日費やして縦走する利用者が年々増加している。」
と課題を挙げ、その需要に応じるため
「登山道を計画し、登山道沿線も登山利用者等のための山小屋,避難小屋等を計画する。」
等々の記載がありました。
https://www.env.go.jp/content/000096787.pdf
つまり、国立公園内に営業小屋を認め避難小屋を設置し、麓には各利用拠点を連絡する車道・園地・宿舎・テント場等を計画し、より一層の利用者の利便性を図りますよとのことであり、環境省は国として登山者については、以上のような施策を講じますとの政策目標を掲げています。
最近、北アルプスの避難小屋の石垣の補修工事が行われましたが、この予算は「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法」に基づいて870万円が支出されており、ふむむむ、北アルプスでも「避難小屋」と言うのは登山者が利用することをもって設置されているものだと得心がいったところです。
そこで奥多摩界隈の山小屋・避難小屋を利用したロングトレイルをプランニングしてみると、山小屋は常に日程の中間に位置し、テントや避難小屋を活用した日程が一番しっくりしたのでした。
首都圏のロングトレイル走破のプランの一例
1日目 08:00 瑞牆山荘〜金峰山小屋〜15:18 大弛小屋(テント泊)
2日目 08:00 大弛小屋 〜甲武信小屋〜15:37 破風山避難小屋(泊)
3日目 07:00 破風山避難小屋〜笠取小屋〜16:15 将監小屋(テント泊)
4日目 07:00 将監小屋 〜飛竜山〜14:09雲取山避難小屋(泊)
5日目 07:00 雲取山避難小屋〜雲取山荘〜13:07 酉谷避難小屋(泊)
6日目 07:00 酉谷避難小屋〜一杯水避難小屋〜13:37 東日原バス停
※ 公の予算が支出されている避難小屋、トイレのあるところでは「ペーパー」を持ち帰り、出立する前には小屋を清掃し、先に着いたからと横着しないで後着の人を歓迎し、場所を譲るというような気配りを欠かすことのないようにしたいものです。
なぜ早池峰ばかり、と思うのですが駄目と言われちゃうと仕方ないですね🥲
コメントをありがとうございます。
早池峰山はローカル・ルールで宿泊を禁止しているようですね。
開山式に数百人もの人が訪れ、年間の登山者が2〜3万人もいることから避難小屋泊を認めると収拾がつかなくなるからでしょうか。
公益社団法人 日本山岳・スポーツクライミング協会の「冬山情報についてのお知らせ」によると、早池峰山では冬期間は山頂避難小屋及びうすゆき山荘は利用可能とのことですが、標高2000mほどある東北の山ですから、おいそれと使うわけにはいきませんね。
ところで、戸蔦別岳付近で見かけられた紅色の花、何度も登ったところなのにその界隈では一度も見かけたことはありませんでした。素敵な山登りをされており、うらやましいところです。
海外の山を歩いてみると、山にある小屋は国にもよりますが、hat,shelter,refugeなどと地図に記載されています。
これらの単語にはemergencyの意味合いは全くなく、そのまま小屋、避難所、雨風を凌ぐ場所になるので、日本での登山文化の黎明期に『避難小屋』と名付けられたのは、ある意味至極真っ当な流れだったと思います。
それがどういう訳か、日本人の勘違い的な発送で、避難=緊急という解釈が登山文化と無縁なところで醸成され、近年になって避難小屋は緊急時のみという認識に繋がってしまった。と考えられるのではないでしょうか。
とはいえ、登山文化の黎明期から100年も経ち、道路の延伸やマイカーの普及、登山人口の増加云々を考えると、ある程度の利用制限も必然なのかなとも思います。
近年では携帯電話の普及もあるし、山と里との区別が無くなってきたのかもしれませんね。
古き時代を偲びつつ。
コメントをいただきありがとうございました。
これまでの山の経験を振り返ってみると
・ 麓から登れる範囲に営業小屋
・ 営業小屋と営業小屋(の間の距離がある)縦走路の途中に避難小屋
・ 営業小屋が置かれていないがある程度の利用者が見込まれる山に避難小屋
・ 登山口まで到達するに距離と時間を要する麓に設置された無人の小屋
が規則性をもっておかれているように感じられます。ただ、雲取山のように営業小屋のすぐ近くに避難小屋があるのは奇異に感じるところですが。
奥多摩の避難小屋では、常識ある宿泊利用は漠然と認められていたように感じるのですが、先に小屋に到着した人たちが場所を譲らなかったと言って、役所に(まるでモンスターペアレントのように)苦情を入れて悶着を起こしたことから「緊急の場合以外の利用はご遠慮願う」という立場を表明したようです。
今は個別の避難小屋の情報もネットで知ることができるのですから、計画の段階で避難小屋を利用しようと思っていても万一のためにツェルトやテントを持参するとか、集団で使うようなことはしないなど、当たり前のことを考えれば穏便に避難小屋が利用できるのではないかと思うところです。
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