長い間、サービス業にも分類されて然るべき仕事に就いていました。
サービスを受ける側から突飛に激怒されることもままありましたが、四囲の状況から見てこちら側に落ち度のないときは、必死に働いている若い人たちを守るためにも、必要に応じて即時に反駁し引っ込んでもらうようにしていました。金銭の要求に至る方もいらっしゃいましたが、裁判所に判断していただきますので訴訟を起こして下さいと応対していたのでした。執拗な抗議や居座りはそれが犯罪に該当するか否かとは別として、自分がそのように判断したときは110番通報がよろしいようです。近時、カスハラに関する法律の整備も進みつつあるようですが、遅きに失しているように感じます。
ところで、山にハラスメントはあるのでしょうか。
山での女性に対する言動、付きまとい、テント泊女性に畏怖を覚えさせる行動など、不愉快な事例はネット上でも見ることが来ますが、それ以外に分類されるべきハラスメントは、4半世紀の山登りの中で感じたこと(むかついたこと)として「優位な立場にある者のハラスメント(「ヤマハラ」)」だと深く印象に残っていることが二例あります。(畑に行けない雨の日の戯言です・・・。)
〜〜〜(以下、私のホームページからの転載です。私のように雨の日でアウトドアの仕事ができず、時間に余裕のある方向けの日記記事2件です。)〜〜〜
【2006年・55歳・北アルプス・蓮華温泉〜朝日岳〜白馬岳縦走】
時刻はちょうど午後4時となっていた。
朝日小屋の管理人が女性であることは知っていたし,HP上で雪倉避難小屋の使用を厳しく諌めている人であることも知っていた。
「どこを何時に出たの?」
「8時間が標準なのに遅いね。」
「お歳はいくつ?40代?」
「荷物を持ちすぎなのじゃないの。」
「これがあなたの山の実力なのよ。」
「グリーンパトロールがもう一人上がってくるという話を聞いたというが,あなただったの。」
「明日はどうするの?」
「今日のことを考えると,明日はもっと早く出て行きなさい。」
「何?天候が悪ければ雪倉避難小屋に泊まるかもしれないって。あそこに泊まってはだめよ。」
と一方的にまくしたてられる。
こうまで言われながらテント場使用代の500円を黙って払い,テントを設営するのであった。さらに缶ビールを買おうと小屋の戸を開けると,管理人は週末なのに数少ない登山者を相手に,
「装備は厳選して持たないと重くなって遭難するのよ。」
「死の寸前ということよ。」
などと,まだ話している。(その時は55歳だったから、人の外観を見抜く眼力はなかったのでしょう。)
【2015年・65歳 北アルプス 白馬岳〜不帰キレット〜五竜岳〜鹿島槍ヶ岳〜針ノ木岳縦走】
山岳での公の仕事を想像させるスタイルの年寄りが五竜山荘で、遠慮なしに挨拶言葉などの前置きなしに何やら話しかけてくる。
ザックにくくり付けたヘルメットを指し
「これ何?」
「ヘルメットですが。」
「ヘルメットは被って歩かないとだめだ。」
ロキソニンテープを貼っていると
「膝が痛いの。そんなんで山を歩くの。」
「(無回答)」
トレッキングポールを見て
「こんなのザックに仕舞いなさい。」
「(敵意発生)」
清々しい北アルプスの早朝の2時間唐松岳から歩いてきて、この老臭が漂いそうな老人の一方的な言葉を浴び、長崎原爆の語り部として活動し修学旅行の中学生に「死に損ないのくそじじい」と大声を上げられて逆上した年寄りを思い出した。山岳救助隊員もどきの服装をして無遠慮で高飛車なものの言いようといい、許しがたい言動であった。
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【注記】
この日記で用いた「ヤマハラ」という言葉は、実在する個人・企業・組織、その他いかなるものを指すものではなく、山に関するあるいは山でのハラスメント的言動・行動を「ヤマハラ」と表現したものです。
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