雪崩事故はこちら↓
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雪崩の難しいところは、その発生を完全に予想することはできないという点です。よく大規模な雪崩事故が発生した際に、ああすれば良かった、こうすれば良かったなどの分析が行われることが多いですが、事後的な分析は容易であり、重要なのは将来のリスク軽減にどのように活かせるかという点になるのだと思います🤔
雪崩対策をあげればきりがないですが、以下は比較的すぐにでも実践できそうです。
①ある程度のまとまった積雪があった日の翌日あるいは当日積雪中の山行は避ける。
→雪のないところでは雪崩は発生しません。登山前日あるいは当日にある程度のまとまった積雪があったという点は雪崩を発生させるもっとも重要な要因となります。降雪の有無の確認・判断については、雪崩について知識がなくてもすぐにできると思います。特に大雪警報が出ている場合には必ず避けるべきです。ちなみに、自分が巻き込まれた雪崩では、茅野市(八ヶ岳)に大雪注意報が発令されていた翌日に登ってしまいました😫
しかし、積雪がある場合には登らないという点は社会人登山者にとってはなかなか難しいことです。社会人であれば休みの日は限られていますし、せっかくの休みの日であれば、多少の積雪であれば、諦めたくないという気持ちになります。あとは自分自身のリスクマネジメントの問題となります。大雪注意報が出たら行かない、○ミリ以上の積雪があったら行かないなど、自分の中でのルールを決めるとよいと思います。ちなみに、自分は注意報クラスが出ている場合には、行かないことにしました。
今年の冬は南岸低気圧が何度も通過し、東京ですら何度か積雪がありました。この南岸低気圧によりパウダースノーが雪崩を発生させる新たなパターンとして最近注目されているみたいなので、このことは是非記憶しておいてください❗️自分の雪崩遭遇も南岸低気圧による新雪による雪崩でした。
②雪崩の可能性のある地点、地形には出来るだけ入り込まない、あるいは滞留時間を最小にする。
→よくクラックがある場合には危ない、雪庇は避ける、気温が上がる場合は雪崩が起きやすい、などと言われます。この程度であれば、雪崩に遭遇する前から知ってました。
しかし、表層雪崩の場合、なんの兆候もなく突然に発生したりします。クラックがあるわけでもなく、発生前にミシミシ音がするわけでもなく、気温が高いわけでもなく、突然足元から崩れて、なすすべもなく、雪崩に流されてしまいます。あとはもがくだけです。これは雪崩に遭遇しないとなかなかわからないと思いますが、表層雪崩は全く想定外の状況で発生します💧
そのため、リスクマネジメントでは、予測が困難な表層雪崩をどのように避けるのかが重要となります。地形についてはよく言われています。30度から45度の傾斜がハイリスク。吹き溜まり、雪の堆積区を避ける。トラバースなど雪崩発生の可能性のある場所は速やかに通過する、などになります。あとはフィールドワークをこなして、訓練をしていくしかありません。
③雪崩に対する脆弱性を軽減させる。
→これもすぐに実行可能です(写真)。ヘルメットを被るとよいと言われています。雪崩による致命傷としては、埋没によるちっ息のほかに、外傷による致命傷が統計的に明らかとなっており、ヘルメットを被ることで、頭部外傷のリスクを軽減できます💦
あとはビーコン。グループ登山で全員がビーコンを持参していれば、リスク軽減が期待できます。単独行だとその効果は限定的ですが、自分は単独行でもビーコンを持参することにしました💡
なお、単独行でも十分な効果が期待できるものに雪崩エアバッグがあります。雪崩に巻き込まれても上部に浮き上がる仕組みのようです。10万円くらいするらしいので、財布と相談をする必要がありますね…
④臆病になる。
→最後はこれです❗️雪山では勇敢であることがカッコよかたりしますが、一流のクライマーこそ、より臆病で慎重であると言われたりします。雪崩や雪山に対して正しい認識を有していれば、慎重にならざる得ないと言えます。
パーティー内に女性がいる場合に男性が勇敢な行動をとってしまうことも経験的に知られています。また、先行パーティーや後行のパーティーを意識して、勇敢な行動をとってしまうことがあるかもしれません。しかし、これらの行動は雪崩遭遇のリスクを高めるものでしかありません。
そのため、自分は今後の山行では、どんなに可愛いレディーと登ることになろうとも、慎重かつ臆病に登りたいと思います😅
あの那須の雪崩事故から一年が経とうとしています。現在は捜査中で事故については何も言える立場にありませんが、事故の教訓は活かされたのでしょうか。実は、あの雪崩事故の約二週間前に自分は那須の茶臼岳に登っていました💧あの事故が起きたとき、雪崩はこわい、しっかり勉強しなければと考えました。しかし、それから一年が経過し、今度は自分が雪崩に遭遇しました。少なくとも自分にとっては事故の教訓は全く活かされなかったことになります😔人は自分が痛い目にあわないと気づかないのかもしれません。他人の事故は所詮は他人の事故なのかもしれません…
また同時に人は忘れる動物でもあります…
しかし、今回は自分が当事者として雪崩に遭遇したわけなので、この教訓は必ず活かしていきたいと思っています❗️
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