山登りをするようになり今年で5年目、大小合わせて100回ほどの山登りをしてきました。人生はじめての登山で高尾山を半分も登れない体力不足に気づかされたものの、筋トレをしたり歩行技術を学んだりとあれこれ試行してきまして、山登り一年生だったころに比べれば向上できてはいようと実感できる程度には上手になれたと喜んでいます。どこまで上手になってどこがまだまだ下手なのか、これまでの山登りをぼんやりと思い返してみますと、ちょっとよくわからない疲労に悩まされたことがあることに思い当たります。回数で言うと5回ありまして、日光男体山の9合目から上、八ヶ岳の硫黄岳を日帰りしたとき、富士見平にテントを張ってからの金峰山、富士山のプリンスルート。それからよくよく考えてみると、五月の末の鳳凰山のテント泊。先月まではただの体力不足と思っていたのですが、先月富士山に登ってみまして、考えが少し変わりました。もしかしてこれ、高山病が関係しているのではないでしょうか。
上記の山登り、丹沢の大倉尾根では体力面の問題を感じなくなってから登った記憶があります。標高差1200m、荷物が10Kg程度でコースタイム通りに歩けるようになってからの山登りですから、どれも無理があるものとは思わずに山に行っております。ところがなぜか、足を一歩出すのもしんどいくらいに疲れてしまった。地図と数字の上ではこまでなるはずがないのに、いったいどうして?この疑問に回答を見いだせないまま先月、富士山の登山を計画したのです。
これまで経験したことのない高度に行くわけですから当然高山病のことを考えました。朝初のバスで向かうとなると高度順応の1時間を取るのは難しい。呼吸と休憩、水分で対応しつつ、対応しきれなくなったら下山という頭で登り初めまして、何といいますか、順当に高山病の症状が出て、疲労してペースが上がらず時間切れとなったのですが、考えてみればこれも不思議なことです。富士宮からのプリンスルートの標高差は1500m程度、急登というような難所はなく、宝永山の登りのザレは想像よりも難しかったものの、登り終えた時の感覚では「疲れたけれどもこんなものだろう」という程度。そこからは多少ザレて登りづらくはあるものの、奥多摩や丹沢でいつもやっている日帰り登山に比べれば距離も標高差もなく、道のきつさ険しさもないというのにひどく疲れたというのも……はて。下山しながら不思議に思っていると、少し汚い話で大変恐縮なのですが、ゲップが出ました。あれ?胃からあがってきた臭いが、昼食に食べたサンドイッチのそのままの臭いだ。もしかして食べたものがまるで消化されてないんじゃないか?
高山病の症状に、消化器官の働きが鈍ると聞いたことがあります。してみると自分はいま、確実に高山病に陥っている。リアルタイムで明確な自覚を持てたのは初めてでした。そこにきてこの疲労、こうまで疲れるほど歩いてはいないのに。そうか、この疲れって高山病の症状のひとつなんだ。思い返してみれば日光男体山で無茶苦茶に疲れたのって2300mくらいだったっけ。八ヶ岳の硫黄岳では2400mくらいから、金峰山では大日岩あたりからだから2200mくらいからだった。その辺から自分は高山病の症状が出るんだ。今回の富士山では、これでも頑張って抑えた方なんだな。それじゃ「もっと体力つければいい!」ってものではないんだ。
思い返してみますと、不思議な疲労に悩まされた山行はどれも、金曜または土曜まで仕事をし、帰宅してから大急ぎで準備をして3時間程度寝て、早朝飛び起きて2-3時間の運転をして登山開始、ということをしていました。更に思い返してみますと、奥多摩の御岳山に家族と行った時に、下山中の標高900m程度で猛烈な眠気に襲われまして、歩きながらウトウトとしてしまったことがあります。その時は「寝不足だったからな」としか思っていなかったのですが、こうして明確にしてみるとなんと、私は標高900mで高山病にかかることがある、ということなのかもしれません。そうかあ、私は高山病にとっても弱い体質なんだ……
私にとっての山登りってなんだろうと思ってみますと、課題の発見と克服の繰り返しである、といつかの記事に書いた覚えがあります。ですから虚弱高山病体質をガッカリするのはまだ早い。原因として睡眠不足が特定できたんだからよかったじゃないか、やりようならきっとあるよ。鳳凰山でも2300mくらいで同じような疲れ方と頭痛があったけど、呼吸でそれなりに抑えられたんだから。こうしてまた新たに、高山に登る際の課題として高山病の予防ということが加わりました。その辺を意識して臨んだのがつい先日の金峰山登山だったのですが、これに関してはまあまあ、1200m登ったなりに疲れましたが変な疲れ方はしなかったので、上手にできたように思います。まだ夏山シーズンがちょっぴり残っている中、行ってみたい高山もありますから、計画に考慮すべき内容がまたひとつ加わりまして、今回の記事のまとめといたします。
ひとつひとつの山行の反省点を洗い出して共通点を追っていくと解決策が見えたりしますよね。
私も高度に強い方ではないですが、家で寝るよりは登山口付近でちょっと高度の高い場所で寝る方が寝不足だったとしても順応しやすいように感じていますし、コンスタントに標高2000m以上のとこを登っている時の方が楽に歩けている気がします。
順応の時間を何らかの形で、それこそおっしゃるように車中泊や前泊で取れるのがベストなのでしょうね。これまで私は高い山の経験が少なかったですから、これからは順応の時間も含めて計画をしようと考えている次第です。
とてもいいアドバイスをありがとうございました。
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