先月新しい靴を買いまして、ようやく試し履き山行が叶いました。山にいけない間に街歩きで試しておりまして、その時点で当たるところの幅広げの調整を頼んでいたのですが、その具合確認と試し履きをして参りました。モノはLOWAのティカムEVOになります。
もともと同じLOWAのカミーノというのを使っておりました。不満のないとてもいい靴なのですが、もうちょっとだけ硬いといいなとも思っておりまして。というのもカミーノ、歩きやすい靴である反面で岩なんかにはちょっとだけ弱く、靴が負けてシナッとしてしまうことがあったからなのですね。新型になって歩き靴から岩靴よりになったというティカムに興味がありました。
ネットで見てみると、カミーノのソールにクライミングゾーンつけただけなのかなと思っていたのですが、お店で手に取ってみると硬さがかなり違う。こりゃよさそうだぞと思うと同時に、歩きづらかったらどうしよう?とためらうところもありまして。実際に歩いてみると、心配していたよりもずっと歩きやすい。御岳山のケーブル下から舗装路を登ってみて、不整地でなくても十分に歩くことができました。
ところが、です。この靴やっぱ歩けない。というのは、蹴り出し歩きにはかなり、いや絶望的に向いていないのです。街歩きで試した段階でもカカトが浮くのが気になっておりました。木型は前の靴と同じはずなのにと考えてみたところ、靴の硬さが影響していそうです。カミーノは爪先がよく曲がるから靴がカカトについてくるけど、ティカムは靴の剛性が邪魔して追従しないのかもしれません。
そして小指が痛い。結構、痛い。多分、足の形の問題じゃない。外から指で押してみても小指に当たっていないのです。これはおそらく、蹴り出し歩きで爪先が曲がったとき、アッパーが硬くて折れる所が当たって痛むからなのかなと思います。ソールの柔らかさとアッパーの硬さが合っていないといいますか。
ライトアルパイン靴で蹴り出しするからだよ、とは思うのですが、そして実際に蹴り出し歩きをしていないつもりではあるのですが、前の靴をみると母指球辺りの曲るところにシワができている。山にだって平坦地や超緩斜面があるわけですし、気づかずとも蹴り出し歩きをしているものなのでしょうね。そこのミスマッチがこの靴の難点かなあと感じました。歩行性能をそのままにライトアルパインにしました!の謳い文句にはちょっとだけ疑問が残ります。本当にちょびっとだけ。
だって、多少でも傾斜がある場面ではものすごい安定性を発揮してくれるのですよ。これは舗装路や林道であってもそうです。足を置いて重心を移すときに膝がほとんどブレません。私の脚はO脚でして、重心を移し込むときによく膝が外側にブレます。悪いときはちょっと外によろけたりする。これをとてもよく抑えてくれます。この安定性はびっくりした。静荷重移動ができるアップダウンではとにかく安定します。カミーノより完全に上です。
そして岩を踏んだときの安定性も十分です。尖った石とか踏んでも足裏に負担はきません。ここもカミーノより上。新品だからではありますけれども、スラブっぽい一枚岩を踏んでも滑る感じはまるでなく、グリップもよさそうです。安心して岩に体重をかけられます。
靴先がギリギリかかるくらいの小さい足場に立ち込んでみるとソールが曲がりはしましたが、足指やふくらはぎに負担を感じることはありませんでした。ただこの点は歩き靴のカミーノでも同じなんですよね。足裏の負担はティカムの方が軽く感じるのですが、立ち込みではあまり変わらない気がする。ライトアルパインは他に履いたことがないのでわからないのですが、立ち込みでも全く曲がらないものと思っていました。こんなものなんでしょうか?ここは思っていたのと違うところでした。
総じてみますと、歩きやすいライトアルパインシューズという謳い文句がおおよそ当てはまるのかな、と思います。ただその「歩きやすい」の部分にも「ライトアルパイン」の部分にもちょっとだけ保留がつく。蹴り出し歩きをしないルートで歩きやすく、立ち込みまではしない岩場で安定する。ティカムはそんな靴なのかな、と思います。
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