![]() |
大崎駅の東側からJR線をまたいで西側に抜けるルートは入り組んでいるうえに、歩いていける道は限られ、行ったり来たりしてしまった。素直に上から駅中を通っていけばよかった。戸越公園ははじめて行ったが24時間開放してる割にいい感じに紅葉🍁していてよかった。
#朝ラン #早朝ラン #ランニング
オーディブルは前野ウルド浩太郎 『バッタを倒すぜアフリカで』の続き。
金欠なはずのウルド氏の金離れの良さもたいがいにしたら、と思わないでもないけど、人懐っこくどうにも憎めないドライバー兼アシスタントのティジャニ。ウルド氏の懐の深さに共感した人は、ぜひ、本書を買ってください。印税はティジャニの善意とその娘トゥハナの学費に吸い込まれてしまうかもしれないけど(笑)。
オスとメスはふだんは別々の集団をつくっていて(集団別居)。レックサイトは産卵直前のメスが交尾のためにオスのもとにやってくる場であり、毎回異なるサイトで集団見合い+カップリングが行われる。交尾は夜間に行われ、産卵場所は別にあり、メスが産卵を済ませるまで最後に交尾したオスが背中にマウントし続け、ほかのオスたちの交尾はランスメントからメスを守る。では、なぜ集団別居するに至ったか。
メスが多回交尾する昆虫では、複数のオスによる精子競争が繰り広げられるが、サバクトビバッタの場合、いちばん最後に交尾したオスの精子が受精に使われることがわかっている(アルビノのバッタを使って証明された)。そのため、最後に交尾したオスは自分の精子が間違いなく受精に使われるためには、交尾し終えたメスを監視し、ほかのオスからちょっかいされない状態を築く必要がある。オスは交尾相手が産卵するまでガードすることにメリットがあるわけで、やり逃げでは父性を担保できないし、オスが単独でメスの集団に飛び込み、やりまくらない理由もこれで説明がつく。ハーレム状態でやりまくったとしても、そのメスの集団がレックサイトにいってほかのオスと交尾すれば、せっかくの努力が水の泡になるからだ。一方、レックサイトに飛来する産卵直前のメスと交尾すれば、すぐに産卵が行われるため、ガード期間が短くなり、その分、ほかのメスと交尾できるチャンスが高まる。
「すなわち、オスはレックにいると、ライバルとの競争は激しいが、交尾相手として最も魅力的な産卵直前のメスと巡り合うチャンスが高まるというメリットがあると考えられる。しかも、メスを探してあっちこっちうろつかずとも、メスのほうからやってきてくれるのだ。
オス同士、メスを巡って競争するコストよりも、産卵直前のメスに巡り会えるメリットが勝っているため、オスのレックが進化したのではなかろうか」
レックのオス同士はまだシングルのメスにマウントするために群がるが、1匹のオスがメスの背中に乗ると、大騒ぎは一転して穏やかになる。シングルのオスはカップルのメスには見向きもしないのだ。それにはオスが発するフェロモンや体色の変化が関係しているらしい。
「フェロモンと視覚を利用したコミュニケーションを持っているおかげで、「早い者勝ち」というルールが守られ、メスを巡って未練がましく、いつまでも不毛に争わずにすむ繁殖システムが成立している」
希少なメスが群がるオスから交尾相手を選ぶ場合、その判断基準は何か。サバクトビバッタの場合、砂漠の熱に対する耐性ではないか、というのがウルド氏の読み。
「まだまだ観察数が少ないが、レックに飛来するメスは植物ではなく、開いた地面に直接着陸するのを目撃しており、熱い地面に留まっているオスのほうが、いち早くメスの背中に飛び乗れるのではないか。
レック内の多くのオスから最も魅力的なオスを選び出すのは、メスにとって至難の業だが、この熱い地表に留まっている個体ならどいつもこいつも健康的で、どの個体を選んでも外れはなさそうだ。
すなわち、メスは耐熱性を使用して間接的に交尾相手となるオスを選んでいるのではないか」
自然は実によくできている。世代を超えて受け継がれる選択圧、淘汰圧の力を軽んじてはいけないと思う。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する