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2025年01月23日 10:22朝ラン全体に公開

【16キロ走】渋谷→代々木公園→下北沢【朝ラン】

【16キロ走】東根公園→環七龍雲寺→龍雲寺通り→蛇崩→野沢通り→西郷山トンネル→鉢山交番→桜丘郵便局→渋谷サクラステージ→西口歩道橋→渋谷フクラス→渋谷スクランブル交差点→公園通り→ケヤキ並木→渋谷門展望デッキ→代々木公園→代々木公園通り→井の頭通り→富ヶ谷→上原一丁目→上原水道通り商店街→上原二丁目南→航研通り→三角橋→東北沢→reload→下北沢交番→本多劇場→餃子の王将下北沢→代沢三叉路→茶沢通り→三軒茶屋→三茶栄通り→日大三茶キャンパス→野沢児童館→野沢稲荷→環七龍雲寺→東根公園【朝ラン】

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オーディブルはアイザック・アシモフ『銀河帝国興亡史Ⅱ ファウンデーション対帝国』の続き。第1部「将軍」の終わりまで。

独立貿易商ラサン・デヴァースはリオーズ将軍のもとに派遣されてきた皇帝の腹心ブロドリッグ卿に「ファウンデーションにはアルミニウムからタングステンを、鉄からイリジウムをつくれる元素の変性術(錬金術のたぐい)があり、リオーズはその秘密を握って帝国に反旗を翻そうとしている」ととっさに嘘をつく。ブロドリッグ卿はまんまとその策略にはまったが、思惑と違って寝返り、リオーズと組んで帝国を滅ぼそうと画策する(あるいは、デヴァースにはそう見えただけか)。リオーズの軍隊が圧倒的な戦力でファウンデーションの軍隊を打ち負かし、ファウンデーションが制圧されるのも間近と思われたとき、デヴァースとバーはリオーズを襲撃して、敵艦隊から脱出する。

「味方は以前には出会ったこともない大型の宇宙戦艦と戦っている。ということは、リオーズはこれまでは手加減してたってことだ。ところが今や、あいつは本当に増援部隊を手に入れた。ブロドリッグは本当に寝返った。そして、おれは本当に戦況を撹乱しちまったんだ」と嘆くデヴァースに対して、シウェナの老貴族ドゥーセム・バーはこう諭す。

「きみも知ってのとおり、今きみたちの世界を脅かしているのと同じ、耐えがたい万力にシウェナが締めつけられたのは、今から40年前になる。叛乱が5回起こったが、鎮圧された。やがて、わたしはハリ・セルダンについての古い記録を発見したーーそして、今、この〝信者集団〟はまっている。
 かれらは〝魔法使い〟のくるのを待っており、その日のために、かれらは準備をしている。わたしの息子たちはこれらの待っている人たちの指導者なのだ。わたしの心の中にあって、精神探査に絶対にかかってはならないものは、その秘密なのだ。だから、かれらは人質として死ななければならない。そうしなければ、かれらは反逆者として死ぬことになり、シウェナ人の半分が道連れになるからだ。だから、わたしには選択の余地はなかったのだ! そして部外者でもないのだよ」
「シウェナ人が希望をつないでいるのは、ファウンデーションの勝利なのだ。わたしの息子が犠牲になったのは、ファウンデーションの勝利のためなのだ。そして、ハリ・セルダンはファウンデーションが必ず救済されることをあらかじめ計算に入れているが、シウェナ人についてはそうしていない。だから、わたしの同胞が助かるかどうかは確定していないーー希望しているだけだ」
「わたしなら待つ。完全な確信を抱いて」「もし、かれらが惑星ターミナスそのものに着陸したのなら」
「することは何もない。すでに全部なされているのだ。いま進行中なのだよ。車輪がまわり、鐘が打ち鳴らされているのが、きみに聞こえないからといって、少しでも確実性が薄くなるというわけではない」

デヴァースが何をしようと、あるいは、まったく何もせずとも、ハリ・セルダンに予言された未来は確実にやってくる。そのことは、このあと実際に証明されてしまうのだけど、だとしたら、デヴァースや、ファウンデーションの住民たちの生に意味はあるのか。個人には動かしがたい慣性力が働いて、留めることも、遅らせることもできずに、ただ押し流されていくのに身を任せるしかないのであれば、個人の努力も、自由意志も無意味なものになりはしないか。いや、百歩譲って仮にそうだったとしても、なおのこと、無力な人たちは自分たちの無力さに絶望しないだろうか。自分たちの生命には価値があり、自分の命(あるいは死)には意味がある。ウソでもいいから、そう信じるように仕向けておかないと、誰もが自暴自棄に陥り、予定された未来も訪れないのではないか。そこまで含めて統計的に処理しているとしたら、心理歴史学の予言の具体的内容は、その集団に知られてはいけないという命題が、そもそも無意味だということにならないだろうか。

「デヴァース」「バー卿は、きみたちの皇帝クレオンの首都への旅は、リオーズの召喚とはなんの関係もないと主張するのだよ」
「全然関係ないね」「おれたちは皇帝に会ってさえいないんだ。帰り道で小耳にはさんだあの裁判に関する報道は、あれが完全なデッチ上げだと暴露している。将軍が宮廷の転覆勢力と結び付いているというデマが大量に流されていた」
「それでは、かれは無実なのか?」
「リオーズがかね?」バーが口を出した。「そうです! 銀河にかけて、無実です。ブロドリッグもいわゆる反逆者ではあったかもしれないが、今回かれに突き付けられている特定の容疑については、決して有罪ではなかった。あれは法廷の茶番劇だったが、必要なものであり、予見し得たものであり、避けられないものだった」
「きっと心理学的必然性によってそうなるのでしょうな」
「そのとおりです」「はじめのうちは暗中模索でした。しかし、いったん終わってしまい……あのう……本のうしろの解答を見ることができるようになると、問題は単純になった。今は、帝国の社会的背景が、不可能な征服のための戦争を起こしているとわかる。弱い皇帝のもとでは、帝国は無価値で必ず死をもたらす帝位を狙う将軍たちによって引き裂かれる。強い皇帝のもとでは、しばらくの間は帝国の崩壊は表面上は止まる。しかし、それはあらゆる成長の可能性を犠牲にしてのみ成り立つのです」
「話の主旨がよくわかりませんが、バー卿」
「つまり、こういうことです。あなたもーーそしてデヴァーズもーーきっとだれでも、帝国をやっつけるにはまず皇帝と将軍とを強引に引き離すことだと考えたでしょう。あなたも、デヴァーズも、その他だれも正しかったーーつねに正しかった。内部分裂の原理に関するかぎりはね。
 しかし、この内部分裂がその場のインスピレーションによって、個人的な行為によって、もたらされると考えるのは誤りです。あなたがたは贈賄を試みたり、嘘をついたりした。野心や恐怖心に訴えた。しかし、それだけの苦心にもかかわらず、得るところは少しもなかった。むしろ、それぞれの試みの後、情勢はさらに悪化したように思われた。
 そして、このように懸命にさざなみを立てている間にも、セルダンの潮流はずっと外に向かって静かにーーだがまったく抵抗を許さない力をもってーー流れていた」「われわれ全員を押しやっている死者の手があったのですよ。強力な将軍と偉大な皇帝、わたしの世界とあなたの世界ーーハリ・セルダンの死者の手です。かれはリオーズのような人間は必ず失敗すると知っていた。なぜなら、その失敗をもたらしたのは、かれの成功だったから。そして、その成功が大きければ大きいほど、その失敗はより確実になるのです」
「話の主旨がわかってきたとはいえませんぞ」
「ちょっと待って」「状況を点検してみましょう。弱い将軍だったら、明らかにわれわれを危険に陥れることはできなかっただろう。弱い皇帝の治世の強い将軍だったら、やはりわれわれを危険に陥れることはできなかったろう。なぜなら、その将軍はもっとずっと収穫の多い目標に向かって兵を進めたでしょうから。事実が示すように、過去2世紀の皇帝たちの4分の3は、皇帝になる前は叛乱を起こした将軍か太守だった。
 だから、ファウンデーションに害を与えることができるのは、強い皇帝と強い将軍が組みあわさった場合だけなのです。なぜなら、強い皇帝は容易に帝位から放り出されないから、強い将軍はどうしても、国境を越えて外側に向かわざるをえなくなるのです。
 しかし、何が皇帝を強くしているのだろうか? 何がクレオンを強くしているのだろうか? それは明白です。かれが強いのは、強い臣下の存在を許さないからです。金持になりすぎた廷臣、人気者になりすぎた将軍は、危険です。帝国の最近の歴史のすべてが、強くなるだけの知性を持った皇帝に対してそのことを証明しています。
 リオーズは数々の勝利を得た。それで皇帝は疑惑を感じはじめた。時代の雰囲気のすべてが皇帝を否応なく疑い深くした。リオーズが賄賂を断った? ひどくうさん臭い。隠れた動機があるな。余のもっとも信頼する廷臣が突然リオーズの肩を持った? ひどくうさん臭い。隠れた動機があるな。うさん臭いのは個々の行為ではなかった。他にどんなことをしても同じだったでしょうーーだから、われわれの個々の計略は不必要だったし、むしろ無駄であった。うさん臭いのはリオーズの成功だった。だから、かれは召喚され、告発され、死刑を宣告され、殺されたのです。ファウンデーションはまたもや勝ったのです。
 ほら、ごらんなさい。ファウンデーションに勝利をもたらさない出来事の組み合わせは考えられないでしょう。これは避けられないことなのです。リオーズが何をしようと、われわれが何をしようとね」
「そうか! しかし、もしも将軍と皇帝が同一人物だったらどうなるんだろう。はてな? その場合はどうなるのですか? そういう場合は、今のお話には含まれていませんでしたよ。とすると、まだその証明はすんでいないわけだ」
「わたしは何事も証明することはできません。数式が使えないのだから。しかし、あなたの理性に訴えているのです。あらゆる貴族、あらゆる強者、あらゆる宇宙海賊が帝位を狙うことのできる帝国の場合にはーー歴史が示すように、しばしばそれが成功したのだがーー皇帝がいくら強くても、自分自身が銀河系の最果てで外国との戦争に従事していたら、いったいどういうことになるでしょう? どのくらい長く首都を離れていられるでしょう? たちまちだれかが内乱の旗を掲げて、皇帝はやむなく帰国しなければならなくなるでしょう。帝国の社会環境がその時間を短いものにするでしょう。
 わたしはかつてリオーズに、帝国が全力をあげてもハリ・セルダンの死者の手を逸らすことはできないと言ってやりました」
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