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さて、天気図読みというと、穿った言い方をすると「登山部、山岳会入って下積みしながら、山で毎晩ラジオ聞いて覚えていくもんでしょ(てゆうかそれやってない奴は山に来て欲しくないんだよね)」というイメージのものでした。誰もに開かれているというより、ある種のクローズドな領域にあるものの印象でした。(もちろん猪熊さん自身が登山部出身であることが示すとおり、そのような経験が無駄なものである筈はありません)
でもこの講演での猪熊さんのスタンスは明らかに違うものを感じました。初心者でも容易に理解できる基本的なことが幾つかあり、それは誰もが確実に知っておくべき。上級に進むにつれて精度を高めるためのテクニックを付加していけばよい、という合理的かつ誰にもオープンなものでした。
ちょうど、スポーツにおけるコーチングがロマンないし根性一辺倒だったところに、アメリカからサイエンス的な手法が導入されたことによる変化を思い起こさせます。
初心者でも知っておきたいことは、私の理解では
・風向きの重要性と天気図を使ったその読み方
・(風向きとあわせ)天気予報の正しい活用(→風上側をみる)
・遭難の典型的パターン(1つ〜2つだけ)を理解する
といったことに集約されるようです。
上級のテクニックは、例えば高層天気図から読み取ることのできるデータを、上記に取り込んでいくことになります。
言葉だとまだ簡単なもののように聞こえないかも知れませんが、図表などと組み合わせて学び何回か復習をすれば、完璧に使いこなすまでは至らなくとも、知識としては誰もが習得できるものです。
山に入る人全員が、そういうベースとなる知識を共有しているからこそ、いざと言うときに正確な協議と判断がなされ、安全な登山ができる・・・ということが今後常識になればいいと私も思います。
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