1年前のいま木下小屋でご主人のオナガミズアオ幼虫水槽をたのしく拝見したのが嘘のような14日のヒグマ事件ですが、まず亡くなられた方とご家族に深い哀悼の念をささげます。たいへん冒険好きながら装備の充実ぶりからも立派な若い方（同行の方も母ぐまに立ち向かわれた）であったと思われ、それだけにご家族のお嘆きはいかほどかと思われます。
ところでヤフコメとかみると「熊をどんどん殺せ、山全禁にせよ」と相も変わらず集団ヒステリー状態で、知識も論理も実現可能性考察も、かけらもないような意見多数。で、どう自衛するかについてGPT先生と考えてみたのです。アメリカ事情をかなり踏まえています。
１ 場所と熊の特性が大きい。だから事前調査は不可欠
２ スプレー携帯についてはメリットデメリットがあり各人判断の問題。必要でもなく十分でもない（日本ではスプレーが対策の必要、かつ十分であるかのような論調が多い）
３ スプレー： “No-Spray Protocol” とは
北米の一部の州立公園や原野ルートで採用されている
**「スプレー非携行を前提に、接近抑止と注意逸らしを徹底する行動規範」**です。とくに単独女性ハイカー、バックカントリーエリアのレンジャー見習い（研修生）の一部で採用されています。
✅ 採用理由（共通して挙げられているのはこの3つ）
理由 内容
�� スプレーは“最後の数％”しか守らない → 偵察〜好奇心段階での抑止には効果なし
�� 発射タイミングの判断ミスが“誘発”を起こす → “あと一歩引く状態”で撃ってしまい、かえって襲撃を決断させる
�� 実地演習なしのユーザーでは成功率が極端に低い → “ほぼ初射撃＝本番”になる＝事故率が高い
４ 音について 熊鈴のほか視界の悪い地点での笛、自転車ホーン、人声スピーカーなど（スマホからブルートゥース経由で）
５ ダミーバッグ（せまってきたときに投げて注意をそらす）
✅ �� ダミーバッグの中身（汎用・縦走/日帰り共通）
カテゴリ 内容 備考
匂い誘導用 ・最低1食分の行動食（スナック・パン類）
・使用済みティッシュ／ウェットティッシュ 「人間の匂い＋食料匂い」が混在していると最も引きつけやすい
覚悟捨てアイテム ・使い捨てライター（1個）
・飴やチョコの空き袋 ダミーの“厚み”を出すため。内容量を少なく見せると興味が薄くなるため軽く膨らませる
投棄補助 ・紐/コード類は入れない 投げた際にひっかかると危険。ダミーは必ず単体で分離運用。
絶対に入れない物 ・鍵／身分証／通信手段／ヘッデン／現金 捨てきれず、行動を誤る原因になるため。
６ ✅ スプレー vs 「音＋ダミーバッグ」
結論から言うと 後者の方が圧倒的に防御範囲が広いです。
評価項目： スプレー 音＋ダミーバッグ
偵察段階での回避力： △（見つかってから） ◎（見つかる前に回避）
誤使用・逆上リスク： 高い 低い
複数頭・子グマ例への対応： 不安定 比較的安定
技量依存度 ：高い（射角・風向） 低い
機器トラブル時の致命性： 高い（＝失敗したらゼロ） 低い（複層的に作用）
[追記] ダミーバックの実践（なお利用した場合は県の熊管理機関などに連絡をすると今後の対策に織り込んでいただけると思います）
▼ダミーバッグ投棄後の基本対応（実践向け）
投げたらすぐ逃げない。まず「熊が囮に注意を向けたか」を確認
注意が囮に完全に移ったら、目をそらさずにゆっくり後ずさりを開始（ここでころぶとかえってわるいのでむりそうならうごかないのがいいのでは）
囮を嗅いだり手を出したのを確認したら、後退を少し速める（走らない）
熊が再びこちらを見た場合 → 完全に静止して視線を合わせたまま様子を見る
再接近しなければ、再び後ずさりを開始（この静止⇆後退を繰り返す）
安全距離（物陰や斜面など）が確保できたら視線を切って静かに離脱
❌ NG行動
背中を向けて走る → “追う対象”と認識されやすい
視線を外したまま後退 → 動きに気づけず再接近される
再接近された時に笛や声を出す → 撤退モードが“攻撃モード”に変わる危険
ピューマ（子を守るため追ってきた）の動画 https://www.youtube.com/watch?v=LbqGl6y3WOM
(原版 https://www.youtube.com/watch?v=9Pg2CDCm34w)
など参考になると思います
同じ山を愛する仲間として本当にせつなく苦しい思いです。
羅臼岳は知床旅行で登山口に立ち寄っただけで登ったことはありませんが。
今回のいくつかの提案ありがどうございます。
被害の何日か前の画像が上がっていますね。
�‖�山登山者がいる中を親子熊がどんどん近づくが、踵を返した
�△△詈�がどんどん熊に近づき、全く遠い距離で噴射していて周りの登山者も「なんやってんだ」との反応でした。
これから
�‥仍骸圓�多数いると樋熊は「これは襲ってもダメ」と学習した。
��何かこちらにむかって霧かけてるけど、全然平気と学習した。
と樋熊は単独の人、霧みたいなもの持っている人は平気と学習したのでは。
日本で一番危険な国宝・投入堂は単独登山は禁。2人以上集まらないと登山を許されません。
北海道の山は、「入山資格」(必要最低限の装備・熊スプレー噴射技能テスト・ダミーザックやピッケルも入るといいです)と「5人以上かつ集団行動でなければ入山させない」(単独の方は5人以上集まれば許可)などかなり厳しい対応しなければはまた被害はおこると思います。
世界遺産等ユネスコが提唱している自然保護システムですが、私の住んでいる自治体も含め多くは「認定されれば観光客が増えて欲しい」と言うのが本音です。駆除に対しても制限がかかるんでしょうか。
世界遺産の検証も必要だと思います。
ひとがたくさん（これは百名山ツアーであの道はいつもそうです。羅臼町に降りる道はすいているけど藪がひどい）いるとどうかですがもともと今回の熊は異常ですから予想はできないだろうとおもいます（人数いればいいというものでもないとわたしはおもいます。それにあんまり過剰な規制をすると大縦走とかにまわってしまいますから）。
スプレーについては熊が攻撃スイッチがはいればツキノワですらとまらない、ましてヒグマには無効のようです。こちらを攻撃するかまよっている段階だと有効だと。
北海道でよくヒグマの話をきくのですが、ツキノワのほうがなにするかわからない、ヒグマは刺激しなければ（はちあわせとか）基本おそれる必要はない、でやってきたと思うのです。ところが福島町とか今回の羅臼、あるいはoso18のように牛を常習として襲うというのは異次元で、その分析と対応が先決でないかと思います。
自分はシートン動物記の「タラク山の帝王」ジャックという熊が人間に10回くらい死ぬようなしうち（母殺された・兄弟殺された・つながれて犬をしかけられて牛と戦うショーに使われた・逃げたが追いかけられ銃傷をいくつも負った・狩りのため生息する森を焼かれた・仲間のメスぐまを殺された（熊はつがいの行動を基本しないと思うのでこれはお話のような気がしますが）・しつこいくらい罠や虎ばさみで悩まされた・最後は睡眠薬で捕獲された・捕獲後逃げられない絶望から半死状態となった）をうけた話（狼王ロボみたいな話です）がすごく印象にのこっていて、遺伝レベルでの記憶はないとは思いますが、熊は基本人間が怖いのだろうと思っています。絶滅とか山厳禁とかの極端でない、合理的な共存ができるといいなと思っています。
すばらしい考察ありがとうございます。
羅臼岳の事故については非常に驚きました。
同じように山歩きする者としてとても残念で、事故にあわれた方のご冥福をお祈りします。
熊対策の件ですが、やはり事前調査というか、熊の出没情報の収集が改めて重要だと感じました。特に『人慣れした熊』に関する情報を得ることが大切ではないでしょうか。
現状では登山者やアウトドア愛好家が個別に、登山の記録をしらべる、テントサイトや山小屋の管理者に聞く、役所などの担当窓口に問い合わせるなどして、熊出没情報をしらべるくらいしか思いつきませんが、今後は、熊出没情報が標準的な方法によって迅速にネットなどで公開され、当該地域に行く人々に情報提供されるようになってほしいと思いました。
また、ダミーバックについては私にとっては新しい視点で、検討してみようと思いました。
私も熊スプレーは何年も前からもっていて、時々、山行に持参しますが、まったく使う機会が無く、いざとなったら使いこなす自信はありませんので、スプレー vs 「音＋ダミーバッグ」の評価には納得です。事前の練習の必要性も十分理解しておりますが、場所とか時間の関係で実行できておりません。
ただでさえ山行の荷物をどう減らすかの問題があるので、さらにダミーバッグを用意するというとちょっと考えてしまいますが、確かに検討すべき時期に来ているのでしょう。
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