六甲山系７地獄谷のまとめ

　仏教では、地獄は大小合わせて272種類もあるらしいです。六甲山系にも地獄という名のついた場所が７ヶ所あります。六甲の地獄は、何故か、全て「谷」で、表六甲２つに対して裏六甲５つでした。

　この7つの六甲地獄谷（鍋蓋、花山、大池、大月、有馬、芦屋、船坂）をお盆のある８月中に全て踏破してきました。備忘録として、ここにまとめておきたいと思います。
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https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2525692.html

【大月地獄谷（上り、４時間弱）：地獄レベル 7/7】
　•六甲の地獄谷の中では間違いなく最難関
　•六甲最難関ルートとすら言われている。
　•堰堤や滝が30カ所近くあり。
　•踏破にはそれなりの体力と技術を要する。
　•沢の分岐が複数あり、ルーファイ必須
　•危険な高巻き箇所がある。キックステップ必要
　•みよし観音か旧ロープウェイ駅に登り詰める。
　•藪漕ぎ必須
　見所：大月地獄谷大滝、鋼製堰堤、
　　　　崖崩れ&倒木エリア
　難所：F5（A-7標識近くの滝）の高巻き

【芦屋地獄谷（上り、1時間）：地獄レベル 2/7
　•鉄板ルート。アクセス容易
　•短いながらも滝数が多く楽しい。
　•堰堤越えは1カ所だけ（梅谷第二砂防ダム）
　•最後は風吹岩付近に登り詰める。
　•藪漕ぎは殆ど無い。
　見所：小滝群（全て直登可）、
　　　　小便滝から尾根に出れば万物相
　難所：団体さんが多い時は渋滞
　
【鍋蓋地獄谷（上り、1時間少々）：地獄レベル 3/7】
　•最寄駅（神鉄鈴蘭台）からのアクセス、入渓点が判りにくい。
　•入渓地点は廃墟エリア
　•堰堤が一つしかないので楽
　•赤テープは出だし部分に少しあるのみ
　•鍋蓋北尾根に登り詰める辺りに藪漕ぎ少々
　見所：小滝群、鍋蓋山山頂からの景観
　難所：特に無し。

【花山地獄谷（下り、2時間）：地獄レベル 4/7】
　•県道16号から入渓点まで降りる薮漕ぎの急坂
　•赤テープや踏み跡など手がかりは殆ど無い。
　•堰堤は７つ
　•脱出地点(下流)は住宅地に近いが秘境感あり。
　見所：黒滝、黒菱の滝、小滝群、狭く切り立つ谷
　難所：県道16号から入渓点まで降りる薮漕ぎ急坂
　　　　出口付近（下流）に鉄条網あり。
　　　　　（少し上流から脱出すると良い。）

【大池地獄谷（上り、2時間）：地獄レベル 5/7】
　•良く整備された谷道
　•至る所に標識、赤テープ、ロープあり。
　•滝が多く、多くは直登可
　•堰堤は４つあるが、しっかり巻道あり。
　•水質があまり良くない。
　•距離は長目
　•藪漕ぎは殆ど無い。
　•ノースロードに登り詰める。藤原商店が近い。
　見所：水晶山第四砂防ダムと滑滝、地獄谷大滝、
　　　　地獄谷第二大滝
　難所：特に無し。

【有馬地獄谷（上り・下り、１分以内）：地獄レベル 1/7】
　•魚屋道の登り口にあり、アクセスは楽
　•街歩きの格好で行っても、全く問題無し。
　•狭いエリアに、炭酸地獄、鳥地獄、虫地獄あり。
　•堰堤、滝、川は無い。
　見所：これと言って無し。話の種として一度。
　難所：無し

【船坂地獄谷（下り、2時間弱）：地獄レベル 6/7】
　•県道16号線のガードレールを超えて降下
　　（カーブ112、船坂谷登り詰め）
　•序盤は激下り。笹薮漕ぎ＋激下り箇所もあり。
　•比較的新しいロープや鎖が要所要所にある。
　•沢の分岐も複数あり、道迷いポイントが多い。
　•堰堤越えは数カ所、巻道あり。
　•下流（キャンプ、BBQエリア）以外は静寂
　•水が綺麗で澄んでいる。
　見所：川上ノ滝、老ヶ岩、船坂第十堰堤
　難所：上流数カ所に急坂

　総じて、大月地獄谷以外は楽園のような谷でした。また温泉（有毒ガス）が噴出したような箇所は有馬地獄谷だけでした。この２つ以外の谷に何故「地獄」という名を付けたのかとても不思議です。
　最後に、取り上げた７つの地獄谷以外にも六甲山系に「地獄」という名の付いた場所があるのを御存知の方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただけると幸いです。

写真１：大月地獄谷の地獄谷大滝
写真２：大池地獄谷の地獄谷第二大滝
写真３：船坂地獄谷の川上ノ滝